2024 夏のオススメ本 

2024年上半期。今回は珍しく小説も1冊入りました(笑) 写真多めのエッセイ、イラストが楽しい図鑑と合わせて、ご紹介します。
変えること変わらないこと 内田彩乃
「変えること変わらないこと」
本屋で時々平積みになっている著書を見る度に「この人、何者?」と思っていた内田さん。
はっきりした肩書きはないようですが、20代はセレクトショップのバイヤーを勤め、
その後は雑誌などで、暮らしぶりやおしゃれが人気の方だそうです。
60歳を目前に、備えておきたいことのあれこれが綴られています。
「わかりやすく、使い勝手よく、無理をしない収納に切り替えて」
これまでは引き出しも棚も細かく仕分けて使ってきた。
でも、引越し直後のざっくりとした収納が意外と使いやすく、
「この引き出しにあるはず」くらいがちょうどいいと思えるようになったそう。

「好みが定まってきたから気に入ったものは色違いで購入」
インナーなどは重宝するとわかったら、迷った色違いを買い足す。
ただ同時に2着買うと、片方しか着ないケースもあるのだとか。
物を増やさないためにも、別々に購入するのがいいと書かれています。
文体が優しくて、きっと穏やかな人なんだろうな。
他の本も読んでみたくなりました。
家や庭のメンテナンス、健康のこともマネできそうな一冊です。
知りたい図鑑 みっけ
「知りたいこと図鑑」
帯に「眺めるだけで楽しく学べる教養雑学本」とあります。
何でもスマホですぐに調べられる便利な時代。
そんな中でも本で知る、本だから楽しめることは、やっぱり少なくないと思います。

グラスの種類、ハットの種類など、なんとなく知っていたことから
植物の漢字、元素、戦国時代の年号まで。
「デザインが好き」とプロフィールにあるみっけさん。
工夫されたイラストで図解されています。

チェックの種類では、ギンガムチェックの白い部分に線が入った柄、
「トーンオントーン」という名前だそうです。
わりと好きなチェック柄なんですが、へー初めて聞いた。

カクテルの種類。
OLの頃、「次の日に残らないんだって」と同僚に聞いて、ラムをよく飲みました。
オレンジジュース、レモンジュース、グレナデンシロップの「エル•プレジデンテ」
これは知らなかったな…いつか飲んでみよう。

ページを写真でお伝えできないのが残念です。
いろいろ楽しい一冊、ぜひ店頭で♪
メイド・イン京都 藤岡陽子
ラストは小説「メイド・イン京都」
東京での仕事を辞め、婚約者のふるさと京都に来た主人公の美咲。
美大出身の彼女がふとしたきっかけで、服作りに目覚めます。

何の気なしに朝、電車で出かける時に持って行ったのですが、
ランチタイムや帰りの電車、娘が帰宅するまで、そして寝る前と
1日で一気に読んでしまいました。
まるで連ドラのように、続きが気になってしまって。

信じてもらえなかったり、信頼していた人に裏切られたり…
でも恋愛も仕事も、動かなくては始まらないと美咲は気づきます。

苦しい思いは表現の仕方によっては文字を追うのが辛くなる。
でもサラッと、けれど的確に描写されていて、心の奥に届く感じがしました。
作者の藤岡陽子さん、実は高校時代の剣道部の1年先輩です。
技の指導は丁寧でわかりやすく、ペアで練習する時は嬉しかったな。
「ふじふじ」の愛称で親しまれ、明るくてチャーミングな方でした。

国文科に進学されたのは知っていましたが、まさか小説家になられたなんて。
新聞社を退職された後はタンザニア留学、看護学校進学と、
フェミニンな見た目とは違う骨太な道を歩まれたようです。

前に読んだのは「金の角持つ子どもたち」という中学受験のお話で、
経験者にとっては、じんわり来るものがありました。
今回もシチュエーションは違えど、私も感じたことがあるなあという心持ちが多く、
慣れ親しんだ京都の風景と共に引き込まれてしまいました。

好きな人へ光が差すようなラストシーンも映像で見たいほど。
前向きな気持ちになれる第9回京都本大賞受賞作です。
yako

yako

大阪府在住。夫と娘の3人家族。おしゃれ、台所仕事、本 etc好きなものを自分の言葉で綴ります。

Instagram:yako_sugar

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