【夏のお茶時間が豊かになる食器&和菓子】日本ならではのティータイムで涼を楽しむ

長い夏の午後、いつもより少し贅沢なお茶時間を味わいませんか?極上のガラスの器と、冷茶、そしてとっておきの和菓子と。古(いにしえ)より夏を涼しくセンスよく過ごす知恵が詰まった、日本ならではのティータイムの演出をどうぞ。

Baccarat

さわやかなグリーン系のクリスタルグラスは初夏のフルーツが似合う。「バカラ」のクリスタルのゴージャスな質感と鮮やかな色合いにはかき氷に旬の果物さくらんぼをのせて。 とっておきの器に氷と盛るだけで、果物が目にも舌にも、より上質な“初夏の水菓子”になる。

Baccarat

’75年誕生のベストセラーのひとつ、「ハーモニー」シリーズ。端正な円筒形のシルエットと、細いラインのカットが生み出す格調高い輝きの、このシリーズに4色の新作が登場。たっぷり入る大きさはデザートやフルーツを盛っても。カラーはほかにオレンジとレッド。
ハーモニー カラータンブラー モスグリーン、グリーン 各¥44,000/バカラショップ 丸の内(バカラ)

Saint-Louis

緑濃い真夏のティータイムには、クリスタルと磁器を組み合わせたポットとお茶が織りなす魔法を楽しみたい。磁器のポットに茶葉がひそやかに開いたらクリスタルの蓋に蒸気がきらめき立ち上る。氷で満たされたジャグにお茶が注がれ甘くさわやかな凝縮した味わいの玉露に茶人垂涎(すいぜん)の上生菓子を合わせれば極上のティータイムが始まる。

Saint-Louis

フランス王ルイ15世から「サンルイ王立ガラス工房」の称号が与えられたのは1767年。以来、熟練の職人たちが守るメゾンが、お茶の特徴を研究しつくして作ったシリーズ。
「アポロ」ティーポット シャルマン¥79,200・ジャグ¥57,200・ティータンブラーNo.4 各¥18,150/エルメスジャポン(サンルイ) 
お茶席用の上生菓子だけを作る完全予約制のお菓子処。週替わりで季節の上生菓子1種類のみの注文販売。写真は夏のお菓子の参考商品、きんとん「苔清水」。1個¥480〜1セット(6個)。2、3日前までに電話予約/源太萬永堂(☎03・3368・0826)

LOBMEYR

ふくよかな丸みを帯びたシェイプのグラスにたっぷりアイスミルクティーを注ぎ、ゆっくり、ゆったりと豊かな時間を楽しみたい。ゆるやかにすぼまったグラスだから香りを存分に感じられ芳醇な味わいに。ワインだけではないグラスの使い方で至福のティータイムを演出。

LOBMEYR

オーストリア・ハプスブルク家御用達のクリスタルブランド。ワイングラスの「バレリーナ」シリーズは熟練の職人によってひとつひとつ作られ、手にしたときのしなやかさ、口に当てたときの感動的な薄さは格別。イギリスのロイヤル・バレエの稀代のプリマドンナ、マーゴ・フォンティーンがつま先で立つ姿をイメージした。
「バレリーナ」ブルゴーニュ 各¥26,400/ロシナンテ(ロブマイヤー)

DIOR MAISON

幸せを呼び込むスズランの花模様が優雅な気品を伝えてくれる。合わせるのは、北海道のワイナリーに育つマロウ&ブラックミントティーと青のりの風味豊かな京都の唯一無二の逸品。ハーブの力強く優しい味わいと古の茶人が賞賛するお菓子は夏の疲れた心と体をリフレッシュ。

DIOR MAISON

ディオール メゾンの今年の新作。ペイントのかわいさ、イタリア製ガラスの繊細な仕上げにうっとり。
「リリー オブ ザ バレー」ハンドペインテッドグラス¥33,000/クリスチャン ディオール(ディオール メゾン)
北海道・余市でテロワールを生かしたワイルドな育て方をしているハーブ園のドライハーブティー。濃いパープルが魅惑的なマロウ、爽快感のあるブラックミントの組み合わせ。
「マロウ&ミント」1袋8g ¥1,100(発売は8月〜)/Suハーブ園(https://su-herbs.stores.jp) 
千利休が北野大茶会で出し、豊臣秀吉が賞賛したという話もある逸品。煎った黒豆に砂糖蜜ときな粉、青のりで仕上げた和菓子。
真盛豆1袋¥1,400/京菓子司 金谷正廣(☎075・441・6357)

MARIAGE FRÈRES

丸みを帯びたエレガントなたたずまいのティーポットは影まで美しく、薄いグレーのティーグラスと黒の茶托は、なめらかなテクスチャーのガラス製。緑茶ベースの赤い色のお茶には、梅の香りのコンテンポラリーな和菓子が寄り添う。平穏をもたらす仏像のように、飲み手に幸せな時間をもたらしてくれるポットの名は「ハッピーブッダ」。

MARIAGE FRÈRES

17世紀から続くフランスの紅茶専門店のガラスのポット。すべてフランスで職人がひとつひとつ手で吹いて作っている。
「ハッピーブッダ」ティー ポット¥88,000・「レインボー」ティー カップ グレー 各¥19,800・「プレーン ルヌ」茶托 黒 各¥1,760・フレンチサマーティー ハバナ 160g¥6,696/マリアージュ フレール 銀座本店
梅の甘露煮のシロップとあんを合わせ、甘露煮をしのばせたあん入りの大福。
「うめふくもち」3個¥1,200/昆布屋孫兵衛(インスタグラム@kombuyamagobei

新しい感覚の夏和菓子6選

新しい潮流の和菓子が続々と登場する昨今。味もデザインも洗練された注目の夏の和菓子をご紹介。

乃し梅本舗 佐藤屋『りぶれ』

乃し梅本舗 佐藤屋『りぶれ』

黒糖、ラム酒、レモンを合わせた新感覚の黒糖羊羹
黒糖羊羹にラム酒を炊き合わせることでキレのよい甘味に。愛媛・怒和島(ぬわじま)の農家から収穫後にすぐ届く樹上完熟レモンを蜜漬けにすることで、フレッシュで柔らかな酸味を引き出している。軟らかめの羊羹と寒天の一体感が見事。お茶やコーヒーはもちろん、ジンなどのお酒とも合う。
1本¥1,620/乃し梅本舗 佐藤屋(☎023・622・3108)

京菓子司 亀広良『杏仁豆腐』

京菓子司 亀広良『杏仁豆腐』

杏仁の甘やかな香りきわだつ和菓子店らしい夏の冷菓
伝統的な京菓子を守り続ける名古屋の名店。新しい味にも挑戦し、評判を呼んでいる。夏の杏仁豆腐はそのひとつ。杏仁を種から絞り、和菓子の技を駆使し、岐阜・山岡産の糸寒天を使い、つるんと軟らかな食感に。無農薬の丹波産大納言小豆と和三盆のシロップがさらに杏仁の味を引き立てている。
1カップ¥750/京菓子司 亀広良(☎052・531・3494)

薄氷本舗 五郎丸屋『薄氷』

薄氷本舗 五郎丸屋『薄氷』

北陸の自然を映し込んだ上品なたたずまいの銘菓
口に含むとすーっと溶け、和三盆の柔らかな風味がふわりと残る。北陸の深い雪が溶け、水面に張った薄氷を模した上品な姿は、富山特産の餅米・新大正米を原料に薄くのばし、和三盆糖をていねいに刷毛で塗って仕上げている。加賀藩前田公により幕府に献上され、茶人からも愛されている銘菓。
20枚入(紙箱)¥2,160/薄氷本舗 五郎丸屋(☎0766・67・0039)

御菓子丸『甘露 薄氷』

御菓子丸『甘露 薄氷』

季節の素材を使いこなし和菓子の新しい世界へ
菓子職人・杉山早陽子さん主宰の「御菓子丸」。実店舗はなくオンラインショップのみの販売で、新しいアプローチで新感覚の味を作り上げている。とうもろこしを使った水羊羹は、食材の風味が凝縮され、添えられた岩塩をふればさらに味がぐっと締まる。端正な姿と溶けるような軟らかさ、ピュアな味わいは唯一無二。
1箱4個¥3,300(7月下旬販売予定)/御菓子丸(okashimaru.stores.jp

千本玉壽軒(せんぼんたまじゅけん)『葛葡萄(マスカット)』

千本玉壽軒(せんぼんたまじゅけん)『葛葡萄(マスカット)』

葛で包んだマスカットのみずみずしい色と味わい
伝統を受け継ぎながら、現代のニーズに合わせて甘味を抑え、季節のフルーツを組み合わせて、上生菓子を作る京都・西陣の名店。夏の大人気商品が葛を使ったひと品。シャインマスカットと、緑に染めた白小豆と手忙豆製白あんを吉野葛で包み、つるりとのどごしのよいさわやかな味わいに。
8月中旬〜下旬販売。要予約。1個¥594/千本玉壽軒(☎075・461・0796)

鈴懸『小豆アイス』

鈴懸『小豆アイス』

名店の粒あんとこしあん丸ごと上品なアイスに
福岡・博多の和菓子の名店「鈴懸」の特製のあんをそのままアイスに。十勝産小豆を使い、ほんのり塩味を効かせ、小豆の豊かな風味がきわだつ粒あん、なめらかな口当たりのこしあん。持ち手は和菓子店らしく黒文字を使って。
通販(冷凍)のみ。12本入り(粒あん、こしあん各6本)¥2,290/鈴懸(www.suzukake.co.jp

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