【明日への希望や元気をもらえる感動作4冊】夏の文芸エクラ大賞「前向きパワー賞」受賞!

夏の読書ガイドとして恒例となり、今年で7回目を迎えた文芸エクラ大賞。文芸評論家とライター、担当編集者がこの1年間に出版された本で最もおすすめしたい本を、忖度なしで厳選! 今回は「前向きパワー賞」受賞作4冊をご紹介。

『化学の授業をはじめます。』

『化学の授業をはじめます。』

世界で600万部以上売れた痛快な話題作

ボニー・ガルマス 鈴木美朋/訳

文藝春秋 ¥2,750

「“料理は化学”をうたったテレビ番組で人気者になった化学者のエリザベス。彼女が視聴者に送る言葉に励まされた」(細貝)。’50~’60年代のアメリカを舞台に女性だからと職場で冷遇されても自分を貫いた主人公をいきいきと描く。
 

『リラの花咲くけものみち』

獣医を目ざす若者たちを 応援したくなる

獣医を目ざす若者たちを応援したくなる

藤岡陽子 光文社 ¥1,870

継母とうまくいかず不登校になった聡里は愛犬が心の支え。獣医師を目ざし北海道の大学に進むが、そこにはさまざまな喜びと困難が。「孤独な主人公を引き取る祖母も魅力的。ハードな現場感覚でぐいぐい読ませる青春小説」(斎藤)。
 

『成瀬は信じた道をいく』

ストレートな地元愛が好感度大!

ストレートな地元愛が好感度大!

宮島未奈 新潮社 ¥1,760

あの成瀬が京大を受験!? そしてびわ湖大津観光大使に!? 一方、幼なじみの島崎にも変化があって……。ベストセラー小説の気になる続編。「他人を気にせず、自分の関心事に飄飄と突き進む成瀬。彼女のぶれない強さに魅了された」(K野)。
 

『襷(たすき)がけの二人』

『襷がけの二人』 嶋津 輝 文藝春秋 ¥1,980

信頼し合う女たちの絆に力がわく

嶋津 輝 文藝春秋 ¥1,980

「時代もののような雰囲気だが女性の自立がきっちり書かれている。手練れのようなうまさにも感嘆」(細貝)。奥さまと女中として出会った千代とお初(初衣)の、弟子と師匠のような妹と姉のような関係を描く。最後にタイトルの意味がわかり納得。
 

文芸エクラ大賞とは?

私たちは人生のさまざまなことを本から学び、読書離れが叫ばれて久しいとはいえ、本への信頼度が高いという実感がある世代。エクラではそんな皆さんにふさわしい本を選んで、改めて読書の喜びと力を感じていただきたいという思いから、’18年にこの賞を創設。


選考基準は、’23年6月~’24年5月の1年間に刊行された文芸作品であり、エクラ読者に切実に響き、ぜひ今読んでほしいと本音でおすすめできる本。エクラ書評班が厳選した、絶対に読んでほしい「大賞」をはじめ、ほかにも注目したいエクラ世代の必読書や、書店員がおすすめのイチ押し本を選定。きっと、あなたの明日のヒントになる本が見つかるはず!

▼4人の選者
文芸評論家 斎藤美奈子
本や新聞、雑誌など多くの媒体で活躍。文学や社会への的確で切れ味鋭い批評が熱い支持を集めている。

書評ライター 山本圭子

出版社勤務を経てライターに。女性誌ほかで、新刊書評や著者インタビュー、対談などを手がける。

書評ライター 細貝さやか

本誌書評欄をはじめ、文芸誌の著者インタビューなどを執筆。特に海外文学やノンフィクションに精通。

書評担当編集 K野

女性誌で書評&作家インタビュー担当歴20年以上。女性誌ならではの本の企画を常に思案中。

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