【ロンドン・おしゃれマダムの心地良い家】心地よい色彩を大胆にちりばめた家。トリシア・ギルド宅<前編>

ロンドンで訪ねたのは、「デザイナーズギルド」で知られるトリシア・ギルド宅。フロアごとに色調が異なるが、落ち着きのある心地よさを追求した家になっている。
Tricia Guild(トリシア・ギルド)

Tricia Guild(トリシア・ギルド)

「デザイナーズギルド」ファウンダー&クリエイティブディレクター。1970年にロンドンでオリジナルテキスタイルのブランド「デザイナーズギルド」を設立。翌年にはロンドン・チェルシー地区に旗艦店を開き、50年余りの間に壁紙や家具、ベッドリネン、テーブルウエアにわたるトータルインテリアブランドに成長させた。

目にも心地よい色彩を大胆にちりばめた家

5フロア、約400㎡にわたる家ではフロアごとに色調が異なるが、“風景を成す色だから”と基本色に選んだのは、グリーンとブルー。落ち着きがあり、かつ刺激的なことが、トリシアの家づくりの信条だ。

【ロンドン・おしゃれマダムの心地良い家】心地よい色彩を大胆にちりばめた家。トリシア・ギルド宅<前編>_1_2

グリーンとブルーを基調とした、グラウンドフロア(日本の1階)の広大なリビングルーム。特にグリーンは窓から見える木々とも相まって、モスグリーンからアップルグリーンまで幅広い色調に。家具は北欧のミッドセンチュリーのアンティークを、「デザイナーズギルド」のファブリックで張り替えたもの。棚にはセラミックと吹きガラスのコレクションが並ぶ

出発点は、色とテキスタイル。そして欠かせないのは、花

トリシア・ギルドと建築家の夫が暮らすのは、ロンドン西部に位置する5フロア、400㎡にわたる家だ。2つの道の交差点という立地条件に惹かれ、採光の可能性を探ってヴィクトリア様式のアパートを拡張した家が完成したのは、8年前。少しだけインダストリアルなタッチを取り入れつつ、コンテンポラリーな家を、という構想が、現実化した。

「私にとって心地よい家の条件とは、調和がとれていて、かつ刺激的なこと。出発点は色とテキスタイルでした。ブルーとグリーンを選んだのは、風景を成すなじみやすい色だから。鮮やかながら落ち着ける色合いです」。トリシアは、こう語りだした。彼女のインテリアの要素の大半は、「デザイナーズギルド」から。ブランドは壁紙のコレクションでも知られるが、この家ではあえて壁は無地で数色に塗り分け、たくさんのオブジェや額に収めたアートを生かす土台を作った。塗料は、180色もの自身のペイントコレクションからの選りすぐり。カーテンはリネン、ソファはベルベット、と異なる素材では同じ色でも表情が変わってくる。

そしてとても大事にしているのは、ジュリエット・グレイブズによる季節の花。国内の花畑で自ら栽培に携わり、カットフラワーのスタイリングも手がける彼女の花は、「デザイナーズギルド」の旗艦店でも販売している。

アートのコレクションを背に庭を眺めながら、花を飾る。仕事と趣味が交錯する、至福の時

リビングの庭側の窓のそばで、 花を生けるトリシア。ブルーの ワンピースはマリアのショップ 「ムキムー」で見つけたもの。 壁に飾ったアートは有名作家の 作品から無名まで、とにかく好 きなものを集めて。右上のター コイズ、そして中央のグリーン とフューシャピンクの絵画は大 好きな画家、ハワード・ホジキ ンの作。モジュラー式のソファ はMDF イタリアで見つけ、自 作のファブリックでカバー

リビングの庭側の窓のそばで、花を生けるトリシア。ブルーのワンピースはマリアのショップ「ムキムー」で見つけたもの。壁に飾ったアートは有名作家の作品から無名まで、とにかく好きなものを集めて。右上のターコイズ、そして中央のグリーンとフューシャピンクの絵画は大好きな画家、ハワード・ホジキンの作。モジュラー式のソファはMDF イタリアで見つけ、自作のファブリックでカバー

グリーンとブルーのハーモニーが 象徴的なコーナーでは、キャンドルも グリーン。絵画はマーリン・エバンス の『Two figures』(1952年)。

グリーンとブルーのハーモニーが象徴的なコーナーでは、キャンドルもグリーン。絵画はマーリン・エバンスの『Two figures』(1952年)。

)19 80年以来最新刊『Out of the blue』 まで、本は21冊も出している。花は「デ ザイナーズギルド」旗艦店のサプライ ヤーでもある、ジュリエット・グレイ ブズから。

1980年以来最新刊『Out of the blue』まで、本は21冊も出している。花は「デザイナーズギルド」旗艦店のサプライヤーでもある、ジュリエット・グレイブズから。

)2階から見下ろした庭。 木々の緑が、室内の色合いと呼応する。 庭は彼女が大好きなガーデン・デザイ ナー、アーヌ・メナードが手がけた

2階から見下ろした庭。木々の緑が、室内の色合いと呼応する。庭は彼女が大好きなガーデン・デザイナー、アーヌ・メナードが手がけた

ヴィンテージ、特にミッドセンチュリーの家具には目がない。キャビネットはハンス J. ウェグナー(1950年代)、椅子はカイ・クリスチャンセン(1960年代)。いずれもデン マークを代表するデザイナー。ただし北欧だけにこだわらず、テーブルはイタリアで

ヴィンテージ、特にミッドセンチュリーの家具には目がない。キャビネットはハンスJ. ウェグナー(1950年代)、椅子はカイ・クリスチャンセン(1960年代)。いずれもデンマークを代表するデザイナー。ただし北欧だけにこだわらず、テーブルはイタリアで

(後編に続く)

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