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【50代、心地いい家】おしゃれなアラフィーはどんな家に住んでいる?真似したいインテリアやアイデア〈まとめ〉
こだわりのヴィンテージ家具を美しく見せる家や、アートとともに暮らす家、ゲストと過ごす時間を大切にする家…。大人が心地よいと感じる家には、住む人の“好き”がつまっている。おしゃれなアラウンド50代のご自宅から、暮らしを美しく快適に彩るヒントを見つけて。
運命のキッチンと出会える!50代が今行くべき東京の「キッチンショールーム」まとめ
誰もが認める高いクオリティ「SieMatic《ジーマティック》」
ドイツが誇る最新技術と美しいデザインが手に入る
1929年創業のドイツを代表するキッチンメーカー、ジーマティック。100社以上あるといわれるドイツのキッチンメーカーの中で、トップ3に入る老舗だ。キッチン周辺のキャビネットを作る会社としてスタートし、取っ手のないシステムキッチンを世界で初めて発表。以降、ハンドルレスのキッチンはジーマティックのアイコンとなっている。
ショールームの展示では、モダンさも加味したエレガントな「クラシック」、6㎜厚の天板と側板が端正な美しさをたたえる「ピュア」、シンプルで軽快な「アーバン」の3つのスタイルを軸に幅広い提案をしている。それぞれのスタイルをベースに、豊富なモジュールや素材からカスタムオーダーできるキッチンだ。スタイルをミックスさせたり、特注でのサイズオーダーも可能。アクセサリー、パーツの組み合わせはなんと数千種類もあり、その豊富さとクオリティの高さは、さすがキッチン先進国のドイツ製ならでは。こまやかなスタッフの対応も評判で、相談もしやすい。高い技術力に支えられた美しいデザインと、信頼できる機能性を兼ね備えた、いつかは使ってみたい憧れのキッチンだ。
「クラシック」スタイルのキッチン。美しい桜の季節の情景をイメージし、壁面収納は木目の突き板、グレー塗装の扉、大理石柄のセラミック材のカウンタートップと壁にピンク色の棚を組み合わせた。アイランド部分の正面側のガラス棚には調光可能な照明がつき、ショーウインドーのような見せる収納に。
アイランドの内側は引き出し収納となり、柄を合わせたセラミック材を全面にあしらった
インナーパーツの豊富さもジーマティックの魅力。扉の裏側につけるパーツだけでもたくさんの種類があり、使い勝手がとてもいい。棚板のダボのピッチも細かく、自在に調節可能だ
アイランド上部に換気扇をつけたくない、つけられないケースでは格納式の換気扇を。デザインを損なわず、吸気量も高いガゲナウのテーブルベンチレーションはIHと組み合わせて
引き出しの中に設置できるアクセサリーの種類も豊富で好評だとか。スパイス入れやホイルケースなどはすべてオリジナル。引き出しを開けるたびに気分が上がる。ジーマティックのカスタムオーダーキッチンは約1000万円〜
「ピュア」スタイルのキッチン。白とマットなゴールドブロンズは人気の組み合わせ。正面から見える収納部分は取っ手のないシンプルなデザインで色や素材の対比がきわだつ。アイランドのカウンタートップはクオーツ材
Data
SieMatic AOYAMA(ジーマティック青山)
東京都港区南青山2の13の10 ユニマット アネックスビル1・2F
☎03・5785・4300
10:00〜17:30
事前予約制
㊡水・日曜、祝日(土曜不定休)
ジャパンメイドの機能美「amstyle《アムスタイル》」
料理するたびに喜びを感じる唯一無二の美しいデザイン
「ジャパンメイドのオートクチュールキッチン」を提案するアムスタイル。ヨーロッパの最先端のパーツを用い、日本の高い技術力を駆使して作られるスタイルのあるキッチンに定評がある。創業当時は、鏡面仕上げの黒と白のキッチンのみをオーダー製作してきたが、今では扱う色や素材も多岐にわたる。施主のリクエストにていねいに寄り添いながら、ひと目で「アムスタイルのキッチン」とわかる、モダンで端正な美しい仕上がりだ。
特筆すべきはスタッフの提案力。素材やスタイルなど施主の好みを聞いたら、そこから家全体と調和する素材選びから使いやすい動線やプラン、ディテールにいたるまで提案してくれる。例えば、収納するものをおおよそ伝えると、その高さに合う引き出しや中のトレイなどまで、使い勝手よく、素材の組み合わせの妙が存分に発揮されたセンスを感じるプランニングをしてくれるのだ。一見、ストイックなほどクールな表情でありながら、扉や引き出しを開けるたびにワクワクする。そんなうれしいキッチン。「キッチンに立ったときに見える景色も大切にしている」という、心強い提案をしてくれるメーカーだ。
バックキャビネットの扉材はアルミを電解着色させたもの。金属とは思えない柔らかく上品な表情だ。アイランドのワークトップは6 ㎜厚のセラミック材、下はサテン塗装のピアブラック。アムスタイルのオーダーキッチンの価格の目安は700万〜2000万円程度
奥は創業当時から手がけてきた鏡面仕上げのキッチン。吊り戸棚の一枚扉が目をひく。カウンタートップはイタリア産の天然大理石。アイランドと横の収納扉は黒で引き締めている。
引き出しの中は、オリジナルのステンレス製トレイや木製の包丁ホルダーなどを駆使して美しく、使いやすく収納
アイランドの前側の上段は食器、グラス類がひと目で見渡せる圧巻の収納に。引き出しだから出し入れしやすく、ここだけで日常使いの食器類はほぼ収まるほどの収納量だ。
バックキャビネットのガゲナウのオーブンの下には熱い鍋などを置ける引き出し式の大理石の台を設置。オーブンの両サイドも収納になっているなど、至れり尽くせり。素材選びにもセンスを感じる。
キッチン家電はバックキャビネットのスライド式の棚の上に。引き出しはステンレスで統一。グラスホルダー上にガラス板を敷き、グラス置き場に。照明の光が美しく透過するようデザインされている
Data
amstyle TOKYO(アムスタイル東京)
東京都渋谷区鉢山町13の13 ヒルサイドウエスト
☎03・5428・3533
10:00〜18:00
事前予約制
洗練されたイタリアンデザイン「Molteni&C《モルテーニ》」
シームレスな空間演出でインテリアになじむキッチン
モルテーニのキッチンの魅力は高い技術力とインテリア性だ。イタリアの老舗家具ブランド、モルテーニと老舗キッチンブランド、ダーダの叡智が集結しただけあり、そのクオリティの高さ、美しさにはため息が出る。
収納家具からスタートし、今も世界をリードしつづけるモルテーニは次々と画期的なユニットを開発。そのユニットを駆使して驚くほど軽やかですっきりとし、照明により美しく演出された最先端のキッチンに触れることができる。ショールームにはクリエイティブディレクターのヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンによるデザインなど6つのモデルが展示され、ベースとなるモデルをもとにカスタムオーダーできる。
加えてリビングや寝室を提案するショールームでも小さなキッチンが見られる。昨今は用途で空間を分けず、シームレスになってきて、キッチン以外の場所にも小キッチンやドリンクバーなどを設けるケースが増えてきているとか。どこもモルテーニの家具と美しく調和し、自然に溶け込んでいる。キッチンが家の中心となり、家具の一部となっている今、世界を牽引する家具ブランドの提案に注目したい。
「RATIO(ラッツィオ)」。9㎝厚の重厚なカウンタートップのL字型キッチンに、ゆったりとしたダイニングテーブルが突き刺さったようなデザイン
ラッツィオの展示に使用されている素材を集めたムードボード。カウンタートップは天然石チタントラバーチン、扉とテーブルはサーモオーク、取っ手はブロンズ。天然石のカウンタートップが多いのもモルテーニならでは
VVDの特徴は異素材ミックスとアイランドの前側に作られたオープンな引き出し。バックキャビネットにも同じデザインの引き出しが。ステンレス製の引き出し式作業台も完備
バックキャビネットのコーナー収納は、なんと中のラックが360度回転する、モルテーニが誇る特許を取得した機構、リボルビングコラムを使用。
ラッツィオの特徴のひとつが格子扉の見せる収納。モルテーニの収納はまるで照明器具のよう。入れるものを美しく見せるような工夫がされている
ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンがデザインした「VVD」。カウンタートップにミラノを象徴する石、チェッポストーンを使用。石、木、スチールなど異素材ミックスを提案。モルテーニのキッチン価格は2000万円前後が目安
Data
Molteni&C TOKYO(モルテーニ 東京)
東京都港区南青山6の4の6 Almost Blue
☎03・3400・3322
11:00〜18:00
キッチンエリアは事前予約制
㊡水・土・日曜、祝日
https://www.molteni.it/jp/
理想のスタイルが必ず見つかる「CUCINA《クチーナ》」
豊富な展示バリエーションでイメージふくらむショールーム
代官山にあるクチーナのショールームは広く、とても見応えがある。別荘を想定した最高級キッチンから、コンパクトなマンションを想定したキッチンまで、色やスタイルも含めてバリエーションに富んだ充実した展示内容だ。キッチンだけでなく、リビングや洗面、寝室など住空間をトータルで体感でき、イメージしやすいのもうれしい点だ。基本は規格サイズのキャビネットなどを組み合わせてオーダーするカスタムオーダーキッチン。カスタムオーダーとはいえ、カウンタートップや扉の素材、色の選択肢は幅広く、ショールームにある大きなサンプルを見ながらシミュレーションできる。
加えて、ミリ単位でのサイズオーダーができるフルオーダーキッチンにも対応。そもそも造作家具からスタートしたメーカーだけあり、用途に合わせた細かい収納作りはお手のもの。お茶碗の高さに合わせた引き出しなど、日本ならではのサイズ感や収納事情に対応してくれるのも心強い。浜松に工場があり、発注後、2〜3カ月のスパンで納品できるのは国内メーカーならではのメリット。まずはショールームでイメージをふくらませてみては。
別荘を想定し、カウンタートップの厚み、扉の色、取っ手にいたるまで特注で作られたフルオーダーキッチン。最近はこのようなベージュ系の木目の扉に黒系のカウンタートップ、ゴールド金物の組み合わせが人気だとか
コンロはガゲナウ。左からテッパンヤキ、ハイカロリーバーナー、I Hが並ぶ。カウンタートップはクオーツストーン
引き出しの中は、可動式の間仕切り板で美しく収納。引き出しは、少しの力でゆっくりかつ静かに閉まる。
キャビネット内にはワインセラー以外にビルトイン冷蔵庫や食品棚などが。冷蔵庫はリープヘル
北欧デザインをイメージした軽快なキッチン。カウンタートップはクオーツストーン、扉はグレージュに塗装。カウンターテーブルや引き出しはオーク材。カスタムオーダーキッチンは扉材だけで約200種から選べる。価格は約300万円〜
Data
クチーナ代官山ショールーム
東京都渋谷区鉢山町15の1
☎03・3496・1003
10:00~18:00
事前予約制
㊡水曜、年末年始、GW、お盆
セミオーダーキッチンが人気「kitchenhouse《キッチンハウス》」
幅広い層から支持を受けるSNSで話題のキッチンも
エクラ世代の間では、憧れの日本製高級キッチンというイメージが強いキッチンハウス。実は5年ほど前にセミオーダーキッチンシリーズが発表され、ぐんと身近になっているのをご存じだろうか。
SNS効果もあって、家を建てる、リノベーションするならキッチンハウスのキッチンという人が増えているという。なかでも人気はグレー、ブラック系のキッチン。キッチンハウスの象徴ともいえるエバルトというメラミン素材をカウンタートップと扉にあしらった、ニュアンスのあるおしゃれな仕上がりだ。一方で、より選択の幅が広いフルオーダーキッチンの発注も増えていて、個性的な突き板などを用いた唯一無二のキッチンを求める人も多いという。フルオーダーではクラシックからモダン、ナチュラルと多様なスタイルが実現する。
ショールームでは「ご要望に沿えるようなていねいな接客」を心がけ、キッチン家電の相談から、リノベのコンサルティングにいたるまで、キッチンにとどまらない提案をしているそう。日本製ならではのクオリティの高い製品はもちろん、スタッフへの信頼も厚く、根強いファンが多いのもうなずける。
人気のセミオーダーキッチン「デュエ」。エバルトというキッチンハウスオリジナルのメラミン素材をカウンタートップや扉に施し、一体感のある仕上がりに。なかでも人気は写真のベトングレーをはじめ、ピアノベトン、メルクリオなどグレー系の濃淡。本物と見紛う木目調もある。「デュエ」は約222万円〜。
キッチンハウスが誇るのがエバルトとシンクをシームレスに接着する技術。汚れやカビがつきにくく掃除もしやすい
打ち合わせコーナーには素材のサンプルがワゴンに。セミオーダーキッチンで選択できるエバルトの種類は29種。フルオーダーの場合は扉だけでもエバルト、塗装、框(かまち)、突き板など選択肢が豊富。
扉、カウンタートップの素材を実物大の扉や天板に貼ってシミュレーションできるコーナー。小さなサンプルで見るより、よりイメージしやすい。ここに自宅の床材のサンプルを持ち込んで、全体をチェックする施主もいるそう
トリュフという名の一点ものの突き板を、扉やダイニングテーブルの天板に贅沢に使用したフルオーダーキッチン。最近は、写真のようにキッチンとダイニングテーブルがストレートにつながっているプランが人気だとか。
こちらもフルオーダーのキッチン。アイランド部分のカウンタートップと面材はセラミック、バックキャビネットの扉は突き板。ショールームは1・2階がフルオーダー、3階がセミオーダーキッチンの展示
Data
キッチンハウス 世田谷ショールーム
東京都世田谷区上野毛1の6の8
☎050・2018・8163
10:00〜18:00
ご案内希望の場合は予約制
㊡水曜(祝日は営業)
50代のための最新キッチン解説
キッチンジャーナリスト・本間美紀さんに教えてもらうショールームに行く前に知っておきたい予備知識。
本間美紀さん(キッチン&インテリアジャーナリスト)
【トレンド編】
好きなものを自分で選べるカスタムオーダー時代に
長い間、日本では、キッチンといえば住宅設備機器メーカーのショールームに出向き、パッケージ化された、いわゆるシステムキッチンという製品を購入するのが主流でした。選べるといってもカタログに載った数種類の中から色を決めたり、収納を増やすくらい。一方、ヨーロッパでは、キッチンは家具としてとらえられ、家具メーカーで購入します。ワークトップも扉も、自分たちの好きな素材を選んで組み合わせ、そこにコンロや食洗機など必要な設備機器をプラスしていく。いわゆるカスタムオーダーといわれる買い方が主流です。日本のように水栓やコンロまで一式となったパッケージは存在しません。洋服をパッケージ化して買わないのと同じことです。日本がキッチンを設備としてとらえた消極的な買い方だったのに比べ、ヨーロッパでは自分の好み、個性を存分に発揮した積極的な買い方。そもそもの認識が全然違いました。
ライフスタイルの変化とともに、日本でもヨーロッパのような買い方が徐々に一般的になってきました。キッチンが家の中心に躍り出て、リビングダイニングと同一空間になり、手持ちの家具、愛用の鍋や食器などとコーディネートしたいと、デザイン、色や素材を細かくカスタムオーダーする人が増えてきています。
料理を作るだけではない、暮らしに寄り添う多様なプラン
今やオープンキッチンはあたりまえ。アイランド型が主流です。最近はキッチン横にヌックと呼ばれる、子供が勉強をしたり大人が仕事をしたり、親子で話ができるスペースを、ダイニングとは別に作るケースも見られます。デスクのあるファミリースペースのようなイメージです。ヌックで電子機器類を使うこともあり、キッチンの引き出しや扉の中に、子供の学習用タブレットや携帯電話などの収納兼充電スペースを設ける例も増えているよう。もともとキッチンにはコンセントが必須なため、メーカーも問題なく対応できます。
ほかにも、アイランド部分とダイニングテーブルが一体となったストレートテーブルと呼ばれるプラン、リビングの収納家具とキッチンが一体となったプランなど、ライフスタイルに寄り添った多様なプランが見られます。キッチンは単に料理をするだけの場ではなくなってきています。
とにかく収納を!は過去の話。使うものだけを美しく収納
キッチンに収納量を求めないのも最近の大きな特徴です。かつては、とにかくスペースさえあれば収納にし、床下収納まで作っていましたが、今はほぼ見かけません。手の届きにくい吊り戸棚は作らず、目線くらいの高さに窓やオープン棚を作り、お気に入りの美しい鍋や器を並べるといった傾向です。パントリーを作る家も多いですね。食品ストックや見せたくない置き型の家電などはパントリーへ。親世代とは違い、ムダなものは持たず、いいものを長く使うという意識が高く、厳選したもののみを持つようになったこと。それらを適材適所に収納し、収納量を超えたらリサイクルするという意識が浸透しているのを感じます。死蔵品のための収納を作るくらいならそこを窓にして自然光を取り入れたい、というマインドです。
色のトレンドはダーク系。素材の機能は格段にアップ
インテリア性の高いキッチンが求められるようになり、扉やワークトップの色や素材が重要になってきています。日本でのトレンドは色でいうとグレージュやグレー、そして黒。かつて黒は傷が目立ちやすい、デザイン的にも重すぎるなどの理由で業界ではタブーだった色。でも最近では扉だけでなくカウンタートップも真っ黒なキッチンが人気で、SNSのハッシュタグで「#ブラックキッチン」なんていうのがあるほどです。黒やグレーって食材や食器の色が映えるんですよね。それもSNS時代に人気の理由のひとつでは? 加えて比較的手の届きやすい国産メーカーが黒やグレーのキッチンを出していることも追い風になっていると思います。どんな色でも自由に選べる、いい時代になったということです。
ワークトップは選択肢がとても増えています。ステンレス、人造大理石、メラミン、天然石などに加え、昨今人気なのが、エンジニアドストーンとセラミック。いずれの素材も10年前に比べて驚くほど機能やクオリティが向上し、日進月歩でアップデートされています。どの素材にもメリットとデメリットがあるので、自分の好きという気持ちを大切に選ぶことをおすすめします。後述する家電もそうですが、たとえデメリットや多少の使いにくさがあったとしても、自分が好きで選んだものなら仕方なしという「買う覚悟」をもつことも大切。キッチンは日々使い、目にする場所。だからこそぜひ直感で好きと思えるものを選んでください。
【色】
人気はスタイリッシュに見える黒、グレー、グレージュなどのダーク系
高級感のある黒
世界で活躍する深澤直人氏がデザインをし、家具ショップのアクタスとパナソニックがコラボレーションして生まれた話題のキッチン、Caresa(カレサ)。カレサにもアイランド部分のワークトップやサイドを、黒系のクオーツストーンで覆ったモデルがある。白い斑の入ったナチュラルな石目模様により、黒でも重くなりすぎず、シックでラグジュアリーな印象に。空間を引き締め、まわりに置く家具をより格調高く見せてくれそうなキッチンだ/アクタス
ニュアンスあるグレー、グレージュ
カウンタートップ、扉、壁面収納と素材の異なるグレー系でまとめたクチーナ。
ジーマティックの「クラシック」のキッチンの扉は美しいグレージュ。框扉をモダンに仕上げるのも最近のトレンド
【ワークトップの素材】
機能的でナチュラルな表情が魅力のセラミックストーンとエンジニアドストーン
Dekton
デクトンは自然界から抽出された20種以上の鉱物を超圧縮した素材。通称セラミックストーンと呼ばれ、大判サイズが可能なためカウンタートップなどに最適。傷や汚れ、熱や紫外線に強い
天然石柄のOnirikaコレクションAWAKE
モルタル柄のIndustrialコレクションKreta
OnirikaコレクションTrance
NaturalコレクションのKira
Tranceの使用例/コセンティーノ・ジャパン(デクトン)
caesarstone
エンジニアドストーンのパイオニア。約90%が天然素材の鉱物ででき、天然石の美しさを保ちつつ、汚れ、傷、ひび割れ、水に強く、高い硬度、耐久性をもつ。吸水率が低くお手入れもラク。
新柄のDreamy Carrara
女性に人気の大理石柄のAra betto
大理石柄のStatuario Maximus
コンクリート柄のAiry Concrete
rabettoの使用例/コンフォート(シーザーストーン)
プランニング
パントリーはますます増加、家族で勉強&仕事ができるヌックも
小スペースでもパントリーが実現
クチーナでは写真のように収納の一部としてウォークインできるパントリーを提案。
ジーマティックの「クラシック」の壁面収納は、閉じるとすっきりとした壁だが、開けると圧巻。コーヒーコーナーまで設置された、大容量を収納できるパントリーになっている
キッチン横にデスクが浸透
クチーナのマンションを想定したコンパクトなキッチンにも、作業台を兼ねたデスクが。低めの仕切り壁で一部が隠れるため、ものを置きやすく作業もしやすい。勉強に仕事にと家族が一緒に使うヌックの場合は、もう少し広めのスペースを確保し、大きめのデスクを置くことが多い
家具メーカーのキッチン
家具とキッチンが違和感なくなじむ、完成度の高い仕上がり
Poliform
’70年創業のイタリアの人気家具メーカー、ポリフォームもキッチンを手がけている。日本ではアクタスが輸入代理店を務め、新宿店などで実際に触れることができる。デザイン性はもちろん、収納家具を得意とするメーカーだけあり、機能性や使い勝手もいい。上品でモダンなポリフォームの家具とトータルコーディネートしては/アクタス
Molteni&C
モルテーニショールーム内のリビング家具を展示したコーナーにはお酒や軽い食事のためのキッチンが。グレージュ色の壁面扉を開けると、大理石を贅沢に使ったエレガントなキッチン「Tivalì 2.0」が現れる。格子扉から漏れる光も美しく、リビングに違和感なくなじむスタイリッシュな仕上がりはさすが家具メーカーだ。
【家電&パーツ編】
オープンキッチンが浸透しビルトイン家電が人気に
インテリアになじむ、スタイリッシュなキッチンが求められるようになり、ここ数年で一気に浸透してきたなと感じるのがビルトインのキッチン家電です。
まずは食器洗い機(以下食洗機)。おすすめは幅60㎝の海外メーカーのフロントオープンタイプです。海外メーカーにとって食洗機は世界中に市場のある主力製品。開発に注力するため機能もどんどんよくなり、安定します。幅60㎝をすすめる理由は準備に使った道具も、食べ終わった食器も、汚れた五徳、換気扇のパーツなども一度に洗えるから。もちろん一日3食分の食器をまとめて洗うことも可能。フロントオープンなら大きな鍋やボウルも出し入れしやすいです。手洗いより水の使用量が少なくてすみ、55〜70℃で高温洗浄するため、洗い上がりもすっきり、衛生的。もはやなかったころには戻れない、マストアイテムです。
熱源はガスコンロかIHかと悩みますが、今はハイブリッドで使用できる時代。国産メーカーの上位機種に、組み合わせて設置できるスタイリッシュなものがあります。私自身も昨年、IH2口と高火力のガスコンロ1口という組み合わせに変えてみました。中華などは高火力のガスで、煮込み料理などはIHの低火力モードでじっくり、と使い分け、より効率よくおいしく調理できるように。魚焼きグリルは減少傾向で、遠赤外線効果で食材をおいしく焼けるバーベキューグリルなどを設置する例も見られます。
海外メーカーのビルトインオーブンの設置もここ数年でとても増えています。電子レンジ機能つきもありますが、おすすめはスチームオーブン。モイスチャー機能で肉でも野菜でも、食材をしっとりと仕上げてくれます。1台で焼く、蒸す、煮るなど何役もこなしてくれ、使いこなせば完成度の高い料理がとても手軽にできます。大型オーブンなら、具材を入れた鍋をそのまま入れて、360度方向から均一に加熱する、という料理もできます。肉じゃがやおでんが煮くずれないという意外な長所もあります。最新のオーブンの機能はすばらしいですよ。
水栓はコロナ禍を経てタッチ水栓やタッチレス水栓の需要が増えています。タッチ水栓は触れるだけで、タッチレス水栓は手をかざすだけで吐水、止水ができます。衛生面はもちろん、手がふさがっていても吐水でき、ハンバーグをこねた手で水栓を触らなくていいなど、大変便利です。デザイン、機能に優れた海外メーカーの水栓は変わらず人気。ほぼどんな水栓にも対応できる浄水器もできて、選択肢がぐっと広がっています。色は黒や真鍮色が人気。黒いキッチンに真鍮色の水栓を合わせるのもトレンドです。シンクはシステムシンクが一般的に。例えばトーヨーキッチンの、洗うだけでなく調理の下準備まですべてできる、さらに進化したスライドシンクが話題です。
換気扇は吸気量もデザイン性もアリアフィーナがおすすめです。洗うのが面倒でにおいも気になる魚焼きグリルも、強力な換気扇と大きな食洗機があれば問題なし。家電や設備は組み合わせも重要ということです。なんでも手に入る時代だからこそ、まずは自分たちのライフスタイルを見直し、何が大切で何が必要かを取捨選択すること。そして手に入れたら徹底的に使いこなしてください。
食器洗い機
海外メーカーの幅60㎝、フロントオープンタイプが人気を牽引
Miele
食洗機のリーディングカンパニーだけあり機種が豊富。機能と価格帯が幅広い。写真は箸ホルダーもある出し入れしやすいバスケット、パワーディスクから適量の洗剤を自動投入するオートドス機能や短時間で洗い上げるクイックパワーウォッシュ機能などを装備した人気機種。G 7514 CSCi ¥594,000/ミーレ・ジャパン(ミーレ)
Bosch
予洗いなしですっきり洗い上げる洗浄力と3食分の食器が入る収納力を備えたシンプルでコスパのいいボッシュの食洗機。上段バスケットを食器の高さに合わせて調整できる機能も。洗浄時は庫内温度を高め、乾燥時は湿気を吸収してすばやく乾かす鉱物、ゼオライトを使用した独自の乾燥方式を採用。SMI4ZDS016 ¥423,500/G-Place(Bosch)
ASKO
日本初、UVライトで殺菌して仕上げる新機能搭載モデル。プッシュオープンドアでハンドルレスなキッチンを演出。オートドーズ機能は食洗機専用市販ジェル洗剤の使用も可能。業界唯一の通気乾燥機能で庫内の空気を入れ替えて乾燥するため湿度の再付着がなく、ミドルバスケットが器類の収納性をアップ。DFI747 ¥528,000/ツナシマ商事(ASKO)
オーブン+α
機能を使いこなせばプロ並みの仕上がりも!
ASKO
電気オーブン、スチーマー、スチームオーブン機能をもち、73ℓの大容量で蒸す、煮る、炊く、焼くと活躍のアスコのオーブン。ピュアスチームにより素材の水分量を保持しながら調理。話題の真空低温調理モードも。OCS8664B ¥726,000
素材を真空パックするバキュームドロワー ODV8127B ¥638,000/ツナシマ商事(ASKO)
Miele
オーブン、電子レンジ機能付オーブン、スチームオーブンなど機種が豊富で、機能も幅広い。写真のように複数機種トータルでそろえる人も多いという。(奥から)オーブンH 7860 BP ¥979,000・コーヒーマシンCVA 7845 ¥825,000・コンビスチームオーブンDGC 7840 ¥1,056,000/ミーレ・ジャパン(ミーレ)
換気扇
デザインの美しさと吸気のよさを兼備
ARIAFINA
フード部分が28㎜という驚きの薄さのアリアフィーナのレンジフード、Viviana。オイルスマッシャー機能により掃除の負荷を軽減。調理状況を温度センサーで検知し、3段階の風量レベルを自動でコントロールしてくれるエコな機能も。本体の色バリエーションが豊富で、照明は自動で色温度設定も。VVAH-951 TRW(ダクトカバー別)¥391,050/アリアフィーナ(ARIAFINA)
コンロ
ガス&I Hをハイブリッドで使える時代。I Hを使いこなせば調理もラクに
Rinnai
ガスコンロとIHを組み合わせて設置できるG:LINE。高級感と重厚感のあるデザインで、コンロはマットで堅牢なステンレス鋳物五徳を扱いやすく軽く仕上げ、IHは耐久性のあるブラックガラスを使用。G:101(奥から)2口IHクッキングヒーター¥321,530・1口ガスドロップインコンロ、2口ガスドロップインコンロ 各¥300,850/リンナイ
GAGGENAU
ドイツの高級ビルトインキッチン機器メーカー、ガゲナウには組み合わせ可能な豊富な調理機器が。(奥から)溶岩石の遠赤外線効果で炭火で焼いたようにふっくらと焼き上げるバーベキューグリルVR 230 420 ¥407,000・IHクッキングヒーター4口 VI 262 120 ¥561,00・テッパンヤキ VP 230 42 ¥583,000/N・TEC(Gaggenau)
Bosch
ボッシュのIHクッキングヒーターは17段階もの火力レベルで保温、とろ火から強火まで熱かげんを調整でき、フライパン調理もセンサーで温度管理可能。4口のうち左の2口は1口の大きなヒーターとしても使用できるフレックスゾーンに。大きな鍋や別売りのオープングリルパンを使って同時調理も。PXE645FC5V ¥324,500/G-Place(Bosch)
水栓&シンク
タッチレスに海外製おしゃれ水栓と選択肢が増加。シンクは調理する場にも
LIXIL
手をかざすだけで吐水、止水するタッチレス水栓、ナビッシュ。豊富なラインナップで、写真は吐水口の下に洗いものを差し出すと自動吐水するハンズフリータイプ。2つのセンサーで浄水と湯水の使い分けも可。ナビッシュ H6(浄水器ビルトイン形)ブラックJF-NAH461SY/SAB(JW)¥223,000/LIXIL
hansgrohe
下部の横長のスプレーヘッドからシャワーが吐水し、果物や野菜を優しく包み込むように洗え、鍋やフライパンをパワフルに洗うこともできるドイツ製の混合水栓。水栓の先端には引き出し式のホースも搭載。アクノセレクトM81 ¥173,800・F14 マルチファンクショナルストレーナー(付属品)/ハンスグローエ ジャパン(ハンスグローエ)
TOYO KITCHEN STYLE
コンロとシンクの間を移動せずに調理できる「ゼロ動線キッチン」を実現する、広くて深いシンク、パラレロ。洗う、切る、盛りつけるとシンク内で調理が完結。まな板&水切りにもなる2枚のプレートは前後左右、上下と立体的にスライドし、効率よく作業ができる。パラレロはiNOシリーズのキッチンに対応/トーヨーキッチンスタイル
本間美紀さん著書
『リアルキッチン&インテリア』(小学館)
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ウェブエクラ週間(2024/10/13~10/19)ランキングトップ10にランクインした人気記事をピックアップ。あなたに寄り添ってくれるベストな一足で、冬のおしゃれをもっと快適に!
ライフスタイル特集
2024年10月25日
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