【私のおすすめ!韓国文学】書店員・翻訳家が厳選!短編小説の魅力を感じさせる2冊

韓国文学好きがおすすめ作品をチョイス。『チェッコリ』宣伝担当の佐々木静代さん、翻訳家の藤田麗子さんは、それぞれ短編小説をセレクト。韓国の歴史と現在が見えてくる物語の魅力を語ってもらった。

「歴史と現在、家族の絆など韓国らしさが感じられます」
ーー『チェッコリ』宣伝担当 佐々木静代さん

『ショウコの微笑』 チェ・ウニョン 牧野美加、横本麻矢、小林由紀/訳 吉川 凪/監修 クオン ¥2,750

『ショウコの微笑』

チェ・ウニョン 牧野美加、横本麻矢、小林由紀/訳 吉川 凪/監修 クオン
¥2,750

「韓国文学の特徴のひとつは短編の力強さだと思いますが、ここに収められた7編もそう。歴史と現在、家族の絆、人と人との距離の近さといった“韓国らしさ”が感じられるので、初めて手にとるかたにもおすすめです。また社会問題から生まれる葛藤を、心のひだまでていねいに描写したものが多いのも韓国文学。そこにいきいきとした会話や複雑な人間関係などが加わるので、読む人を一気に物語に引き込むのではないでしょうか」

『チェッコリ』宣伝担当 佐々木静代さん
ささき しずよ●韓国書籍専門書店と出版社で宣伝・広報を担当。文学だけでなく韓国エンタメ全般に詳しい。
 

「人の痛みややりきれなさがお酒に溶け込んでいる」
ーー翻訳家 藤田麗子さん

『春の宵』  クォン・ヨソン 橋本智保/訳 書肆侃侃房 ¥1,980

『春の宵』

クォン・ヨソン 橋本智保/訳
書肆侃侃房 ¥1,980

「著者は愛飲家として知られていますが、本書の7編すべてに“お酒を飲む人々”が登場します。どのお酒にも痛みややりきれなさが溶け込んでいて、居心地の悪さを感じる展開もあるものの、人間くささや救いがかいま見えるところが魅力。また、“何をつまみに酒を飲むか”というペアリングへのこだわりも韓国らしくておもしろい。つぶ貝のあえ物に生ビール、ヌタウナギにはビールと焼酎を混ぜた爆弾酒……。お酒を飲みながら読み進めたくなる本です」

翻訳家 藤田麗子さん
ふじた れいこ●日韓でヒットした『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(ダイヤモンド社)などを翻訳。

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