【二宮和也インタビュー】仕事論から生死観まで......赤裸々に語られる、”生の言葉”。初めての新書を出版した、その舞台裏に迫る
俳優やアーティスト業のかたわら、YouTubeの配信も行うなど、近年ますますマルチに活躍している二宮和也さん。ここ数カ月だけでも、主演映画『8番出口』がカンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に正式招待されたり、嵐として来春に大規模コンサートを行うことを発表したりと、話題がつきない。そんな二宮さんが、初となる“新書”『独断と偏見』(集英社)を6月17日(火)に発売する。初めて文字だけで表現した本書について、二宮さんが会見で語った言葉とともに紹介する。
“文字”だけで表現される、二宮和也の頭の中
「”著者”としてというよりは、”ひとりの人間”として、ちゃんと自分らしい言葉を出せるようにってことしか、考えてなかったかもしれないですね」
雑誌MOREでの連載をまとめた書籍『二宮和也のIt [一途]』(集英社)の発売に続き、はじめての新書『独断と偏見』(集英社)が6月17日(火)に発売される。
これまでさまざまなかたちで表現を続けてきた二宮さんだが、今回の表現は”文字のみ”。自叙伝ではなく新書としての出版は珍しいことだが、きっかけは、MOREで約10年にわたり連載を担当していた編集者からの一通のメールだったという。ふたりの物語はぜひ本書の中で確認していただきたいのだが、長い時間をかけて培ってきた信頼関係が、”新書”という新たな挑戦へとつながった。
構成は、担当編集者との問答形式。1カ月にひとつ四字熟語を立て、それにまつわる質問を10問ずつ投げかけた。約1年の間に計100の質問と向き合い、じっくりと言葉を紡いでいる。
語られているのは、仕事論からメンタルヘルス、人とのかかわり方、生死観にいたるまでさまざまだ。なかには、ふだん公の場では語らないようなプライベートな話まで収録されており、読み進めると「そんなことまで話してくれるのか」と驚くかもしれない。でも、そこにつづられているのは担当編集者との信頼関係のうえで初めて語ることのできた”生の言葉”だ。
「世の中にとっては偏見に聞こえるかもしれないけれど、自分自信の考えはこうなんだ、ということをそのまま本に載せたかった」

当初、『百問一答』というタイトルがつく予定だったという本書。製作の途中で、現在の『独断と偏見』に変更したのだという。
「(できあがった作品を)最初は『百問一答』というタイトルで読んでいたんですが、読み進めるうちに、あまりにも独断と偏見すぎて、タイトルが合致していない気がして(笑)。(担当編集者に)『独断と偏見』にしたいって話したら、がんばります、みたいな感じで変更してもらいました。
(本書で語っている内容は)パーソナルなものや、自分がどう考えているのか、ということばかりなので、決して一般論の答えではない。世の中にとっては偏見に聞こえるかもしれないけれど、自分自身の考えはこうなんだ、ということをそのまま本に載せたかったんです」
赤裸々な内容には、本人も「ここまで載ると思っていなかった(笑)」とはにかむ。しかし、本書を読み返すことで、二宮さん自身も発見や学びがあったという。
「自分でもびっくりしたんですけど、読み返したときに、こんなこと話してたんだっていうのが第一印象にあって。いっていることは昔からなんとなく変わっていないんだけど、今回初めて読むようなフレーズも中にはあって。
その2つはかけ離れてるわけでもなくて、先にある言葉だったり、手前にある言葉だったり。1本のラインみたいなものを、なんとなく自分の中でとらえていたんだなと思いました。
例えば、お芝居について本の中で話しているんですけど、読みながら”へ~、なるほど”と思ってしまって。自分が話してることなのにね(笑)。自分の考えを言語化できた感触があったし、やりとりする中で、自分にとって大事なことを発見できた実感もありました」
読み手のフィルターで受け取ってもらって、初めて完成する一冊

さまざまな角度から質問をぶつけた一冊は、読む人によって刺さる部分も、大切にしたい章もきっと異なるだろう。そんな本書を特に読んでもらいたい人は?という質問に対して、二宮さんは「同世代はもちろんのこと、若い世代や、自分より上の世代」と答える。
「働き方の価値観が違う世代の人たちに読んでもらったときに、どんなふうに思うのかっていうのは、とても興味深いですね」
「今はまだ世の中には出ていない状態なので、極端にいうと、できあがっていないのと一緒というか。手にとっていただいて、読んでいただいて、その人が自分にとってしっくりくる設問がどこなのかっていうのが見えてきた段階で、初めて完成する一冊だと思っています」
〈どうかお守りになりますように......〉
そんな思いで向き合った真摯な言葉に、ぜひ、本の中で出会ってみてほしい。

二宮和也
にのみや かずなり●’83年6月17日生まれ、東京都出身。’99年、アイドルグループ「嵐」のメンバーとしてデビュー。映画やドラマ、バラエティ、CMなど幅広く活躍。最近の主な出演作品に映画『ラーゲリより愛を込めて』『アナログ』『8番出口』、ドラマ『ブラックペアン』シリーズなど。’16年、映画『母と暮せば』で第39回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。近著に『二宮和也のIt[一途]』(集英社)がある。
二宮和也著『独断と偏見』(集英社新書)
発売日:2025年6月17日(火)
頁数:192ページ
定価:1,100円(税込)
判型:新書判
ISBN:978-4-08-721368-3
集英社新書
本書籍における公式Xアカウント:@nino_shueisha
What's New
-
家族の悩みを抱えている50代におすすめ!中学受験小説や涙と笑いの介護録など家族や介護をテーマにしたおすすめ本5選
梅雨のおうち時間は読書がおすすめ。今回は、50代に読んでほしいおすすめ本をご紹介。毎月お届けしている連載「今月のおすすめ本」でこれまで紹介してきた本の中から、家族・介護をテーマにした本をピックアップ。
カルチャー
2025年6月16日
-
スープに髪が落ちるように到着するーIl arrive comme un cheveu sur la soupe.【フランスの美しい言葉 vol.20】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年6月16日
-
【安田顕さんインタビュー】自分自身に対する疑心暗鬼や強い復讐心、そうした思いが”怪物”という心の状態じゃないかと思った
第57回百想芸術大賞で作品・脚本・男性最優秀演技賞の三冠に輝く韓国ドラマ『怪物』。猟奇的殺人事件をめぐる心理戦と濃密な人間模様が展開する傑作シリーズのリメイク『ドラマW 怪物』が、7月6日よりWOWOWで放送・配信される。オリジナルで韓国の名優シン・ハギュンが演じたドンシクに当たる派出所の刑事・富樫浩之役に挑むのが安田顕さんだ。現在51歳の安田さんが演技に向き合う真摯な姿勢とたゆまぬ努力、そして50代で感じている心身の変化とは?
カルチャー
2025年6月15日
-
山口りえさん「ゼロからイチをつくるのが好き。音楽で癒すのが使命だと感じます」【エクラ華組 心のラグジュアリーが育つ時間vol.4】
アラフィー読者モデル エクラ華組の連載「"心のラグジュアリー"が育つ時間」。第4回目は、NPO法人「音育プレママパーティ」を立ち上げて活動している山口りえさんが登場。アクティブな秘訣を聞いた。
カルチャー
2025年6月9日
-
映画化・ドラマ化した作品も!大人も時間を忘れるほど夢中になれる「青春小説」3選
雨の多い梅雨時期は読書にぴったりの季節。そこで今回は、50代に読んでほしいおすすめ本をご紹介。毎月お届けしている連載「今月のおすすめ本」でこれまで紹介してきた本の中から、大人もどっぷり楽しめる青春小説をピックアップ。
カルチャー
2025年6月9日
Magazine
Feature
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
着るだけで猫背・巻き肩による負担を軽減!
着るだけで無理なく姿勢をサポートしてくれるインナーに注目!
-
50代が真似したいデニムスタイル
進化系“デニム・エレガント”でセンスアップ!
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
50代におすすめの初夏アイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
エクラ世代におすすめ!肌のサブスクサービス
花王最先端の肌解析やプロのお手入れを体験!まずはトライアルコースで
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき旬の服
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
Ranking
-
【50代におすすめのヘアスタイル・髪型カタログ】髪型を変えて脱おばさん!ショート・ボブ・ミディアム・ロング別
白髪や髪のうねり、薄毛、パサつきなど40代、50代の気になる髪悩みを解消するおすすめヘアスタイルを提案。ショート、ボブ、ミディアム、ロング別ヘアスタイルから知っておきたい最新ヘアケア事情まで、おばさんぽ…
-
『続・続・最後から二番目の恋』スタイリストさんに聞いた! 小泉今日子さんの衣装の秘密 vol.2 休日カジュアル編【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#102】
放映中の人気ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』に主演の小泉今日子さんの衣装を担当したスタイリストさんに、小泉さん扮する「吉野千明」の衣装コーディネートの秘密を前回に続き伺います。Vol.2は「休日カジュ…
-
前髪の作り方に悩む50代女性必見!50代に人気の「前髪あり・なし」ヘアスタイル・髪型カタログ【ショート・ボブ・ミディアム・ロングヘア別】
前髪の作り方次第でおばさんぽくならず若見えが叶う50代からのヘアスタイルをご紹介。生え際の白髪やおでこのシワ、ボリューム不足など気になるお悩みを解消して、今っぽさやおしゃれ感も手に入る大人の前髪スタイ…
-
とにかく軽くて楽ちん!夏でも快適&気軽に着られる50代注目のデニム【チームJマダムブログ人気記事週間ランキングTOP10】
チームJマダムブログ週間ランキングトップ10にランクインした人気ブログ記事をピックアップ。今週、40代・50代が気になったのは、軽くて楽ちんと絶賛のサマーデニム。
-
夏のコーデを一瞬で華やかに!50代の首もとをきれいに見せるネックレス6選
軽やかなトップスやシンプルなワンピースもネックレスを身に着けるだけで、着こなしが一瞬で輝く。シンプルな夏コーデには程よいボリュー感のネックレスで華やかさをプラスしたい。
Keywords