日本有数の「パワー」と「おいしい」を求めて。狐野扶実子、海の京都「丹後」へ 五選

海もあれば、山もあり、さまざまな風土と文化がひとつになった京都。日本海側に面する丹後は、近年にわかに人気を集めている。「訪れると元気になる」という豊かな自然と強力なパワースポットは、本当の京都通こそが注目し、時間をかけてでも行く価値あり! 美食、そして歴史が出会うこの地に、料理プロデューサー・狐野扶実子さんが訪ねた。

3.工房レストラン wakuden MORI

京都で最も勢いのある料亭といっても過言ではない『和久傳』。もともと明治3年に京丹後・峰山町に旅館として始まり、’80年代に京都市内に移転。料亭として発展し、おもたせの販売専門店なども人気だ。’07年、ルーツでもあるこの地にできた『和久傳ノ森』が話題となっている。
「いつか郷里に恩返しをし、和久傳ノ森での取り組みが京丹後に足を運んでいただくきっかけのひとつとなれば」という大女将の思いがあって10年前に久美浜町に工房を設立し、8000坪の土地に約3万本の苗木を植樹。この森の中に、昨年新しい取り組みとして『森の中の家 安野光雅館』、工房レストラン『wakuden MORI』を設け、無農薬栽培の野菜やフルーツがすくすく育つ果樹園や畑、工房も公開している。
「人柄を感じさせるものづくりや、安野さんの豊かさからくる柔らかさや優しさにあふれる作品に触れ、心も体も元気になりました。丹後の土地にしっかり根を張る暮らしは日常なのだけれども、どこにでもある日常ではない。許容力があって、ピュアで、ゆるやかなのが素敵」と狐野さん。
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果樹園でブルーベリーを摘み、和久傳が提携する無農薬野菜の生産者『自然耕房あおき』にも足を運んだ狐野さん。レストランでは、その野菜を使った料理やさわやかでピリッと辛い和三盆山椒ソーダを楽しみ、森と料理、アートを満喫。ただおいしいだけでなく、土地の人が丹後を思う心にも触れたようだ。
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京丹後の食材を和久傳の味で楽しめる工房レストラン。地元の新鮮な魚介や野菜、京都の牛肉を使った料理のほか、オリジナルのスイーツをいただけるレストランを中心に、和久傳やMORIオリジナルの商品を販売する物販スペースを併設。周辺には美術館、畑や果樹園、見晴らしのいい丘があり、自然の恵みを体感できる。洛中の日本料理店にはない開放感の中で、質の高い和食をリラックスしていただける。
京都府京丹後市久美浜町谷764 
☎0772・84・9898 10:00~18:00(食事は10:30~17:30)
㊡火曜(祝日の場合は営業、翌日休)
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