フェルメール、好き嫌いを超えた視覚の喜び。

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今年の展覧会では注目度No.1の『フェルメール展』@上野の森美術館が開幕しました。会期は来年の節分までと、長きにわたる日蘭友好のおかげか覚えやすい😊

さっそくですが、とても大事な念押しをひとつ。
「史上最多のフェルメール9点来日」という触れ込みながら、一度に見られるのは最大8点です。『赤い帽子の娘』(写真1枚目)が12/20までの展示、『取り持ち女』が'19年1/9~2/3の展示。つまり、年末年始は「7点の展示」だということにくれぐれもご注意を。

そして、内覧会の時でさえ、『牛乳を注ぐ女』(2枚目)の前はピッチャーから鳩が出るかというくらいの衆人環視状態でしたから、絵に近づけない場合に備えて単眼鏡やオペラグラスを用意しておくと安心です。

チケットは日時指定制、どうぞ早めのご予約を(HPまたは☎︎0570-008-035)。

個人的には、フェルメールの作品ではラフさのほうに目が行ってしまいます。たとえば、『手紙を書く婦人と召使い』(3枚目)に描かれた床の大理石の模様、婦人の衣装の袖の、F-117ステルス戦闘機みたいなポリゴン描写(これは『赤い帽子の娘』の右手にも通じます)など。ついでながら、この絵のサインはちょっとおもしろいところに入っていますので、ぜひ会場で探してみてください。 

『エクラ』11月号の記事でも書きましたが、レンズを通した写真&映像があふれる現代に生きていると、フェルメールの画面は安心して見られます。彼は主題を立たせつつも、極力、カメラで撮るように冷静に、何でもなさを装って描いている。私たちの日常の中で「まるでルーベンスの絵みたい!」と思うことはほぼないですが、「フェルメールみたい!」と感じることは多々あるはず。そう、フェルメールは絵空事を生み出す人というよりは、技師みたい。だから、カメラを持っているときに、左側に窓のある部屋を見つけたら、「誰でもフェルメ~ル~」(※ドラえもんの声で再生ください)な気分になるのです。4枚目の写真は、やっぱりそんな感じがして夜の無人駅で撮ったもの。

「レンズを通して世界を見た感じ」という視覚的な純粋さに徹しているから、本質的にはあまり好き嫌いがない――。その嫌われなさ加減こそが、フェルメール人気の秘密かもしれません。そして、それは後に、純色の視覚混合で光を表現した印象派にも通じる特徴だと思います。

最後にミュージアムグッズについて。「牛乳を注ぐミッフィー」(5枚目)がとにかく秀逸! 以前の真珠の耳飾りver.を超える素晴らしい出来だと、自信をもってオススメいたします。
(編集B)

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