「焼き肉で疲労回復しよう!」などと思いがち。でも、「それは大間違い!」と主張するのが、“脳疲労”のエキスパート、梶本修身先生。
「現代人の疲労は、筋肉などの体組織の疲れではなく、脳の疲れが原因です。多少の運動なら筋肉自体が疲れるということはなく、運動時に脈拍や体温の安定を保とうと働く、脳の自律神経に負荷がかかっているのです。
また、同じ作業をずっと続けるなどして脳の特定の部位を使い続けたりする場合も、同様。そのとき、脳内で活性酸素が発生し、脳細胞の酸化がすすみます。この状態を、“脳疲労”と呼びます」
そういう状態を、私たちは体の疲れだと誤解しているということ?
「そのとおり。ですから、疲れているのは脳なのに、焼き肉で疲労回復というのはナンセンス。効果にも科学的根拠はありません。でも、人はスタミナがついて回復したように思い込み、本来の疲れに気づかない。それが人間の脳の厄介なところでもあるんですね」