金沢行き夜行列車の思い出。

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トートバッグつきの9月号は、そろそろ終売。付録をつれて、9月号で特集しました夏の金沢へもどうぞお出かけくださいませ。

さて、取材隊は当然ながら、朝一番の新幹線で金沢へ向かいます。道中、「速いのはいいけれど、忙しない。夜出て、朝着くのも悪くないのにね」というご意見がありまして、うう😢っとなりました。

21世紀に入ってからも、北陸と東京を結ぶ夜行列車は存在していました。‪23時‬台に上野駅を出て、‪朝6時‬台に金沢駅着。まずまずのダイヤだったのですが、北陸新幹線開通よりもかなり早い段階で廃止されています。

その風情を知るよすがとしては、こちらの絵本『やこうれっしゃ』(作:西村繁男)がおすすめ。70年代後半の夜行急行をベースに描かれているので、「これ乗ったわ~」という方もいらっしゃるのでは。上野駅構内や車内はもちろん、絵巻状に展開していく車外の描写には、夜の踏切とか、清水トンネルに入るところもあります。その後、台車に着雪が増えていくところもニクいですね。

しかしながら、「絵巻状」に一定方向で展開せざるを得ないため、長岡駅での機関車交換とその後の進行方向の転換は割愛されています。作者の方にとって、さぞや大きなジレンマだったことでしょう。なにしろ交換風景は乗客にとっても一大イベントでしたから(乗ればわかるんですが、もう体験できません…)。ここでは特別サービスで、上り「あけぼの」の機関車交換を2、3枚目に。列車は赤い機関車で入線して、連結解除。赤いのが去ってから、青いのがバックで入って来て連結、上野へ出発します(「あけぼの」は日本海回りで上野~青森を結んだ寝台特急)。

さて、取材先の『あうん堂』のご店主(元鉄道マン✨)が、大変うれしいハガキを送ってくださいました(写真一枚目の左)。番線から察するに、金沢駅出発前の「北陸」&「能登」の最後尾。この、出発駅からすでに終点の"上野"を思い起こさせるところが泣かせますね。

「これに乗りさえすれば、東京へ行ける」という移動手段としての性格は同じはずなんですが、無機質な高架を突っ走るがゆえに目的地との地続き感が希薄な新幹線には、こうした旅情は漂いません。むしろそれを振り払うのが新幹線としての正しいサービスのあり方なのでしょう。窓が小さく、機密性の高い車両もそんな印象を強めます。

さんざんディスってしまった右の新幹線E7系は、いただきもののモバイルバッテリー。思わず確認したラインナップにはブルートレインの電源車はなく、やっぱりちょっと残念…。
(編集B)
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