昔ばなしで、おこもりを。

昔ばなしで、おこもりを。_1_1
何となく眠れない夜が続いております。

「今、現実逃避に最も効果的で、家にいたい気にさせるものは何だろうか」と、幾日か考えました。平生の慰安で足りぬとなれば、脳の違う部位を刺激してくれて、それでいて親しみがわき、心和ませるような何か……。

で、至った結論は市原悦子さんの声に頼ること。GW中は、3本ローラーで自転車こぎこぎ、DVD『まんが日本昔ばなし』全60巻240話の視聴にいそしむことに決めました。

盟友・常田富士男さんとの掛け合いはヴァイオリンとヴィオラの二重奏のようで、その尊さたるや思わず合掌したくなるほど。市原さん演じる子どもや小さな生きものはとてもかわいらしく、蠱惑的な女役もどこか楽しげ。これさえあれば、緊急事態宣言が明けるまで、ひとりデカメロン状態でいられましょう。

とはいえ、感染流行は長期化の見通しもあるようですから、願わくば1400を超える全話の有料配信が叶いましたら、何しろそれが一番ありがたいことだなと思います。本作の放送期間は1975~1994年。作画や背景美術に凝ったお話は時期を問わず数多くありますし、DVDに入っていない70年代後半の初期作には、「カールおじさん」で知られるひこねのりおさんをはじめ、杉井ギサブローさん、りんたろうさんらの演出担当回が見受けられ、個人的にも残しておきたいところ。

各話10分強と短いながらもひとつひとつ丹精されたアニメーションは、実に味わい深く感じられます。「もったいないおばけ」の出ないよう、22世紀に引き継げる手仕事と声(広義の"話芸"と言えるはず)の素晴らしき遺産として、忘れずにいたいものです。
(編集B)

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