幕引き列車の「幕」、などについて。

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お別れ気分に一区切りつきましたので、1ヶ月ぶりに鉄道についてお送りしてみます。

この3月も引退車両が多数ありました。

広く知られているのは、3/8のラストランイベントが中止となった東海道新幹線の700系でしょう。個人的に新幹線のことはそれほど…なのですが、音と手すりなどの確認のため、2月末に品川〜東京のみ乗車しました。

この700系C編成の引退は同時に、あらゆる新幹線車両から幕式の行先表示が失われたことを意味します。あの、終着駅到着後などにクルクル回っていたやつですね(写真2枚目)。新幹線の幕のコマ数はまだ少ないほうで、かつての在来線特急の多いものならば70コマ以上。幕回しを眺めるのは、それはもうめくるめく体験でありました。

この「幕」よりさらに原始的なのは、「サボ」という表示板です。ローカル線のキハ40系では今も現役だったりしますが、東海道新幹線の開業当初に0系で使われていたのもサボでした。3枚目の写真が「ひかり」と「こだま」のそれです(脱落が危険なため、数年で廃止)。0系のサボは手作り感が強く、ちょっと個性的。しかし国鉄時代の書体は独特の間合いがあって、見るたび泣かせます。700系の方向幕はすでに別書体でしたが、「座席種別表示」(写真4枚目)にはその遺風を濃密に感じますね。


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では、東海道新幹線の車両がすべてN700系になった今、国鉄の残り香はついに消えてしまったのか?というと、必ずしもそうではありません。こちらのN700系の写真に見られる”表示”のうち、3つと半分、受け継がれているものがあると思います。

ひとつめは、サボにも見られた列車ごとの色分け。「こだま」が青で「ひかり」が赤というのは今も共通で、そこにのぞみが黄色で加わったのでした。お次はグリーン車のマークです。これも長い伝統があります。3つめはちょっとわかりにくいかもしれません。画面左下にある車両番号です。国鉄書体特有のムラは薄れていますが、先人への敬意が感じられるようで、いつも好ましく見ております(先頭車両の編成記号も国鉄書体のはず)。あと半分は、青地に白抜きの号車番号表示。デザインのエッセンスは同じだけど、書体がモダンなのでちょっとマイナス(;^ω^) 

さて、久々にサボを取り出してみて驚いたことがひとつ。開業当初は、「0系新幹線=夢の超特急」ではなかったんですね。超特急は、厳密には「ひかり」のこと。「こだま」は"新幹線料金"ではあるけれど、「特急」表記です。当時の時刻表に当たってみると、先頭車両のイラストが添えられていて、だんご鼻の中に「超」「特」と入っていました。

それにしても…。どちらの列車にも言えることなのですが、下りの京都着~新大阪着で26〜28分もかかっていたのが解せません。今や在来線の新快速でも所要23分なのに。よほど京都の停車時間に余裕を持たせていたのでしょうか? 不思議です。
(編集B)
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