今、知っておきたいシャンパーニュは “老舗なのに新しい”「ルイナール」【飲むんだったら、イケてるワイン/WEB特別篇】

女性に人気が高いシャンパーニュ「ルイナール」。いつも変わらないエレガントな味わいの裏にはつねに進化し続ける努力が隠されていた。最高醸造責任者のフレデリック・パナイオティス氏に話を聞いた。
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6月下旬、「ルイナール」最高醸造責任者フレデリック・パナイオティス氏からオンラインセミナーの招待状が届いた。これは同社を代表する「ルイナール ブラン・ド・ブラン」とメゾンのトップキュヴェ「ドン・ルイナール 2007」をテイスティングしながら、同社の環境配慮への取り組みについて話を聞くというもの。「ルイナール」の魅力は知り尽くしたつもりでいたが、パナイオティス氏の話を聞いて、創業以来つねに進化し続けようとするその姿勢にあらためて感動。「これは、私たちの”今の気分”にハマるシャンパーニュ!」と確信したのだった。
アロマティックでフレッシュ、のどごしも優しい「ルイナール ブラン・ド・ブラン」
「ルイナール」はフランス上流階級で長く愛されているブランドで、感度の高い人々に信頼が厚い。創設は1829年。グラン・メゾンの中では最古と伝えられ、シャルドネを大切にした上品な味わいから「シャルドネハウス」とも呼ばれている。

メゾン名は、17世紀に生きたベネディクト派の高僧 ティエリー・ルイナールに由来する。ドン・ルイナールはシャンパーニュ造りに長けた人物で、一時は、かのドン・ペリニヨン修道士とともに働いていたこともあるほど。彼は、瓶内二次発酵のシャンパーニュの製法を甥のニコラ・ルイナールに伝授したが、これが甥のニコラがメゾンを設立するきっかけとなった。
まずは「ルイナール ブラン・ド・ブラン」を試飲。アロマティックでフレッシュ、滑らかでバランスのとれた味わいと、その繊細さに、たちまち魅了される。
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「やわらかく、飲みやすいでしょう? すだちの香りがするので、和食と合わせやすいと思います」とパナイオティス氏。このシャンパーニュは「ノン・ヴィンテージ」として毎年造られており、洗練された味わいが特徴。25の村のシャルドネで造られるが、あえてグラン・クリュ(特級畑)ではなく、プルミエ・クリュ(1級畑)のブドウを使っている。グラン・クリュのブドウは一般的に酸度が高く、長期熟成向き。一方、プルミエ・クリュのブドウは酸味がほどよく、長期熟成せずともまろやかな味わいに仕上がるのだという。
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メゾンにおいてシャルドネだけで造られる”ブラン・ド・ブラン”ができたのは1947年以降のこと。当時の最高醸造責任者の「軽やかで、洗練さていて、24時間楽しめるシャンパーニュを」という思いから、それまですべて年ごとの”ヴィンテージ”として造っていたものを「ルイナール ブラン・ド・ブラン」としてリリースしたという。メゾンの“革新”は、すでにこの頃から始まっていたのだ。
 グラン・クリュのブドウのみ使用し、芳醇で奥深い味の「ドン・ルイナール ブラン・ド・ブラン 2007」
また、着目したいのは、同社のサステイナブルへの取り組みだ。地球温暖化が言及されて久しいが、実は、これはブドウ栽培にも大きな影響を及ぼしており、パナイオティス氏は20年近く前からこの状況を憂いていた。「自然を守り、次世代に手渡すのが私たちの役割」と考え、積極的に環境配慮に対する取り組みを畑やワインの製造工程などにおいて推進している。
その一例が、先だってこのサイトでも紹介したサステイナブルパッケージ「セカンドスキン」だ。ギフトボックスより9倍軽く、二酸化炭素排出量を60%削減したウッドファイバーのパッケージで、100%リサイクル可能。こちらは日本には2021年春にお目見え予定だという。
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もちろん、ワイン造りの現場でもさまざまな取り組みがなされている。畑でのトラクターを動かすのはソーラーパネルの電気で、畑の灌漑には雨水を用いている。醸造の一次発酵で出る炭酸ガスもエネルギーとして使用する。さらに現在は、”天然冷蔵庫”ともいえる同社の地下38mにあるセラー「クレイエル」(ガリア・ロ―マ時代の石切り場跡)の自然な冷たい空気の利用を模索中だ。「人間は、自然の前では謙虚でいなくてはいけないと思うんだ」と、パナイオティス氏は以前語っていたが、その思いは「環境をグローバルな視点で見る」という現在の取り組みの軸となっている。
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「ルイナール」は伝統を感じさせる美しいシャンパーニュだ。そして、その美しさにさらなる輝きを与えているのが、常に”自然とともに生きる”というメゾンの哲学だ。美とは、知性とともにある――。「ルイナール」を飲んで、そう感じた。
ルイナール ブラン・ド・ブラン

「ルイナール ブラン・ド・ブラン」

シャルドネ100%。さまざまな年のワインをブレンド。主にプルミエ・クリュのブドウを使用し、繊細で飲みやすい味わい。白桃やシトラスの香りが際立つ。750ml ¥10,900

ドン・ルイナール ブラン・ド・ブラン 2007

「ドン・ルイナール 2007」

シャルドネ100%。グラン・クリュのブドウのみ使用し、白亜質の蠣の殻のような香りがスモーキーなアロマと溶け合う。パナイオティス氏が最初に手掛けた2007年は上品な苦みもまた魅力的。750ml ¥27,000

問い合わせ:MHD モエ ヘネシー ディアジオ☏03・5217・9736
取材・文/安齋喜美子

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