-
【富岡佳子×森下洋子 スペシャル対談1】舞踊歴70周年の森下洋子さんがコロナ自粛を経て思うこととは
3歳からバレエを始め、今もなお、第一線の舞台に立ち続けるバレリーナの森下洋子さん。同じ表現者として「一途に続ける姿に憧れていた」という富岡佳子さんとの“現役同士”の対談が実現! Webでは4回に分けて掲載します。
【富岡佳子×森下洋子 スペシャル対談3】73歳で現役バレリーナを続けられる原動力とは?
ポジティブ思考の源は幼少期の思い出に
森下 私も体力的には、40代に入ってから、いつもできていたことができなくなったことがあって。でも「まあ、年をとればこんなこともあるよね。これができないなら、こっちをやればいいか」という感覚で、全然落ち込まなくて。
富岡 変化を受け止めるのは大切ですね。
森下 今思えば、私は小さいころからすごく不器用で、徒競走なんていつもびりっかすで。「森下、お前本当にバレエやってるのか!」なんていわれて。でも、人よりずっと遅れてはいるんだけど、長いスパンでやると、あるとき、“あ、できた!”ってなるの。その感覚が、子供のころから脳にインプットされちゃっているのね。だからできなくても焦らない。
富岡 バレエは向いていらしたんですね。
森下 バレエって時間がかかりますからね。そこがすばらしいんです。続けていくうちにできるようになる。今でもそうですよ。夏ごろから、11月の『くるみ割り人形』公演の稽古に入ったんですけど、「くるみ」は昨年12月以来だから、最初は体が忘れているんです。それが少しずつ稽古していくうちに昨日より今日のほうができるようになるのね。
「被爆した祖母が“生きていることが幸せ”といっていた言葉の強さを、40代から実感するようになりました」森下洋子
富岡 エクラ世代って、体だけじゃなくて、心が揺らぐ人も多いですが、先生はご経験なかったですか。
森下 とても影響を受けた祖母が、私が32歳のときに亡くなったんですが、40代になってから祖母の言葉を実感できるようになり、心の支えになったんですね。祖母は広島で被爆した人なのですが、左半身を全部やけどして、それはそれはつらかったと思うんです。でも、お風呂屋さんには平気で行くし、「お経まであげてもらったのに生きているのよ」って笑いながらいえる人で、とにかくポジティブ。「こっちの指は使えないけど、この親指なら使える」なんていうのよ。恨み言なんかもひと言もなくて。「生きてられるってことは幸せね。感謝しなくてはね」が口癖で。生きていることへの感謝の思い、イコール平和への祈りの強さだったと思います。その思いを私も自然に受け継いでいる。だからかな、40~50代や、ちょっと迷いのある世代の団員には「大丈夫よ、大丈夫よ」って声をかけるんです。
富岡 先生にそういわれたら「大丈夫」って思える!
森下 私もね、毎日、稽古場に行くでしょ。みんなの一番後ろでお稽古するんだけど、最後までレッスンに出るんですよ。バーレッスンはもちろん、ジャンプもする。それが、みんなにとってはいいことなんじゃないかなって。
富岡 そう思います。先生が毎日お稽古している姿を見たら、絶対に愚痴なんていえないですもの!
エクラ2020年12月号には富岡佳子さんと森下洋子さんのスペシャル対談を掲載。ぜひ手に取ってみてください。
【INFORMATION】
松山バレエ団 ’20年Xmas 公演『くるみ割り人形』
松山バレエ団では初演から39年目を迎える『くるみ割り人形』を森下洋子を中心に全幕公演。11/14、15 東京文化会館、11/28 さいたま市文化センター、12/6 府中の森芸術劇場、12/13 世田谷区民会館、12/19 神奈川県民ホールにて開催予定。詳しくは松山バレエ団ホームページを。チケットの申し込みは、☎03・3408・7939、またはticket@matsuyama-ballet.comへ。
-
【富岡佳子×森下洋子 スペシャル対談2】やめたいと思ったことはない。情熱が後押しした森下洋子さんのバレエ人生
来年、舞踊歴70周年を迎える森下洋子さん。日本バレエ界を牽引してきた森下さんに、同じく長年モデルとして活躍してきた富岡佳子さんは“現役”の先輩として憧れを抱いていたという。ようやくかなった対面でふたりは何を話すのか?
What's New
-
【雨宮塔子 大人を刺激するパリの今】豊かな田園風景が広がる、夢のオーベルジュ
雨宮塔子さんによる連載「大人を刺激するパリの今」。最終回のテーマは「夢のオーベルジュ」。パリから1時間の別世界『ル・ドワイエネ』をご紹介。
カルチャー
2025年11月18日
-
桃井かおり、絶好調の70代。スペシャルインタビュー「50代の“エクラな”妹たちへ」
50代半ばで日本の演劇シーンを離れ、アメリカに拠点を移した。そして今私たちに見せてくれるのは、ヴィヴィッドな70代の素顔。こんな生き方、こんな美しさもある。桃井かおりさんが私たちに語るのは……。
カルチャー
2025年11月17日
-
走っても意味なし、ちょうど良い時に発つべし。ーRien de sert de courir, il faut partir à point.【フランスの美しい言葉 vol.42】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年11月17日
-
アマン東京 総支配人 八木朋子さん「訪れる人と迎える人。そして、働く人同士。お互いにリスペクトをもって向き合いたい」【エクラ トップリーダーズvol.08】
相手の役に立ちたいと心から願うこと。無私無欲でいること。世界一の居心地を提供するホテル、そのトップに初めて上り詰めた日本人総支配人は、ホスピタリティの本質をそう語った。今、この時、この場所で、自分にできる最上のことを。そう願って常に前に立ち、新たな一歩を自ら踏み出していく。
カルチャー
2025年11月16日
-
井川遥さんインタビュー「自分とちょっと似ている〝太い〟女性を演じました」
ファッションページで本誌ではお馴染みの井川遥さんが、話題の映画でヒロインを務める。すっぴんに束ね髪、ぶっきらぼうな口調で、孤独な女性を演じている。テーマは50代の恋。切なくて哀しくて、じわじわと染みこむ物語。演じながらどこか、自分と似ているところもあったようで……。
カルチャー
2025年11月10日
-
都心の贅沢宿。天然温泉と美食でリフレッシュ
東京駅から10分。ひとりで気軽に宿泊できる日本旅館でご褒美時間
-
松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」
松井陽子さんが50代におすすめのゴルフウェアやゴルフの楽しみ方をご紹介。
-
大人のしぼみ肌に毎日使えるシートマスクを
フェイスマスクは毎日の相棒。水分を届け、大人の肌を底上げ!
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
毎日コツコツ続けられるアイケアコスメ
製薬会社が開発した「ブライトエイジ」で、アイケアが楽しく続く
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき秋の服
-
【50代「ユニクロ・GU」秋冬コーデ】インナーやダウンなど、季節の移り変わりを助けてくれるアイテムが人気!
豊富な品揃えで40代・50代のおしゃれ好きな女性からの人気も高いユニクロ・GU。アウターやニットなど、冬に向けたアイテムも多数取り揃えられています。そこで今回は「ユニクロ・GU」アイテムを使った、おしゃれな4…
-
褒められるから自信がもてる!50代に似合う「若々しいショートヘア」54選
似合う髪型が見つかる!気になる白髪もボリューム不足も40代・50代に似合うカットやカラー、パーマで立体感を出して、今どきのこなれ感と若々しさを手に入れて。
-
【50代におすすめ・冬のボブヘアスタイル60選】おばさんぽくない!ふんわりボリュームが叶う髪型
白髪や薄毛、うねりなど40代50代で増えてくる髪悩みを解消して、おばさんぽくならない今どきのボブヘアをご紹介。上品で洗練されたヘアスタイルに変えて気分も一新!
-
【50代が欲しい「軽やかリッチなコート」16選】どれも300~1000g前後と超軽量!本当に軽い、この冬のマストコートはこれ
驚くほどの軽さとリッチなデザインが両立するコートを、上質ウールタイプと中綿やダウンの入ったパフィータイプから厳選。肩にのしかかっていた重さから解放されて、この冬のお出かけは、足どり軽く、ストレスフリ…
-
秋から冬へ、ブルゾンやコートで季節をつなぐ「50代のアウター」スタイル13選
秋の肌寒さから冬の本格的な寒さまで、季節の変わり目に活躍するアウター選びは50代のおしゃれにとって重要。ブルゾンやコートを中心に、上品さとほどよいこなれ感を兼ね備えた「50代のアウタースタイル」をご紹介…