ラリックが一番似合う美術館。

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やんごとない身の上に生まれて、こんな素敵なお屋敷を相続しちゃって、ちょっと太めの黒猫なんかと心静かに暮らせたら……。出かけるたびについ阿呆な妄想を膨らませてしまう東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)。現在、そのアール・デコ様式の空間にぴたりと合う、ルネ・ラリックのジュエリーとガラスの展覧会が開催中です。どのお部屋も撮影OKなのがうれしいところ。

作品は概ねケース内展示で、必ずしも撮りやすいわけではありません。しかし本館に限れば、”日本一映り込みが美しい美術館”といっても過言ではないでしょう。これまたラリック製のシャンデリア、アンリ・ラパンの壁画、調度品、カーテンのドレープ……。この美術館ならではの雰囲気を少しでも感じてくださいませ。

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インテリアとの調和で言えば、2階殿下居間のヴォールト天井とテーブルセンターピース『火の鳥』、同じく2階北側ベランダの白の世界と香水瓶は必見と思います。

思わず唸ってしまったのが、写真3枚目の『昼と夜』。男性に昼、女性に夜が当てられているようで、男性像は裏側が凹んでいてこちら側に光を通す一方、女性像は裏側が凸状で光を通しにくく、より暗く見えるように作られています。色ガラスを使った単純ながらも巧みな発想です。

ラリックのガラス作品というと、ガラスらしい透明感や量感を前面に押し出した大胆なデザインが特徴。意匠のユニークさもさることながら、素材の持ち味がデザインに生かされています。一方、アール・ヌーヴォー期のジュエリーは総合力。有機的で凝ったデザインと精緻さが身上で、金、貴石、半貴石、七宝、ガラス、獣角といった素材は、美しさやデザインに奉仕するため、フラットに扱われている印象があります。20世紀に入ってアール・ヌーヴォーが後退し、19世紀以来のファッションが大きな変革を迎えると、ラリックはガラス工芸へと転向したのでした。

ジュエリーとガラスとではテイストが大きく異なり、一点制作も多い前者は「アート」、量産主体の後者は「プロダクト」と見てしまいがちですが、ジュエリーにおいてラリックが打ち出したデザインは、旧来の価値基準から一歩踏み出たもの。いずれのジャンルにおいても、ラリックの作品には、新たな美を追求しより多くの人々と芸術を結びつけようという、一貫した意志が感じられるはずです。

『ルネ・ラリック リミックス―時代のインスピレーションをもとめて』は、9/5までの開催で事前予約制。さほど混まない平日を狙ってどうぞ。
(編集B)

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