アラフィーの「シモの不調」は、“骨盤底のゆるみ”が原因だった!?

50歳前後になると増える“シモ”の不調。あらゆる「シモの不調」は、“骨盤底のゆるみ”が原因のよう。泌尿器科専門医 関口由紀先生と大腸肛門専門医 草間 香先生が詳しく解説。
泌尿器科専門医 関口由紀先生

泌尿器科専門医 関口由紀先生

女性医療クリニックLUNAグループ理事長。GSMに関する知識を日本で広める立役者。
大腸肛門専門医 草間 香先生

大腸肛門専門医 草間 香先生

草間かほるクリニック院長。著書は『痔の悩みが解決する本 安心ハンドブック』(IDP出版)。

あらゆる「シモの不調」は骨盤底のゆるみから!

40〜50代の女性の多くの人が抱えているといわれる「シモ」の不調。その原因を女性のシモ問題に詳しい泌尿器科専門医の関口由紀先生にうかがった。

「大きな原因のひとつは骨盤底のゆるみです。骨盤底は靭帯(じんたい)、筋肉、皮下組織などで構成される恥骨(ちこつ)から尾骨の間にある菱形状のプレート。骨盤底には、膀胱(ぼうこう)、子宮、直腸などの骨盤内臓器を支える役割や、排泄をつかさどる役割があります。骨盤底はもともと遺伝的に弱い人もいますが、最もダメージを受けるのが出産のときで、出産では100%傷みます。すると排泄機能に問題が起き、産後は9割の女性が尿漏れを経験。この尿漏れは、産後1年ほどで治ることが多いのですが、古傷となって残ります。そして40代以降に加齢によって全身の筋肉量が減ってきたときに、再び現れ、尿漏れなどさまざまなシモ問題を引き起こしやすくするのです」(関口由紀先生)

更年期の女性ホルモンの減少、筋肉量低下も大きな原因に

さらに、シモの問題が起きやすくなるのには、もうひとつ大きな原因が。

「女性ホルモンが減る閉経期になると、腟や外陰部の粘膜の潤いが失われ乾燥や萎縮が進みます。そのため性器のかゆみや違和感、性交痛などが起きるのです。皮下組織や皮膚の弾力も失われて骨盤底がさらにゆるみ、尿漏れや頻尿も起きがちに。このような女性ホルモンの減少による腟と外陰部の乾燥や萎縮から起こる不快な症状が出る病気をGSM(Genitourinary Syndrome of Menopause=閉経関連尿路生殖器症候群)といいます。50代以降の女性の2人に1人はGSMを抱えているといわれています」(関口由紀先生)

また、アラフィーには痔など肛門の不調も多いが、大腸肛門専門医の草間 香先生によると、こちらも筋肉の衰えや女性ホルモンの減少の影響が……。

「加齢によって筋肉量が減ると、腹筋も衰えていきむ力が弱くなり、便秘がちになります。また、女性ホルモンが減る更年期になると、便秘や下痢をしやすくなります。痔の大きな原因は便秘や下痢なので、アラフィーで痔が悪化する人も多いのです」(草間 香先生)

このようなシモのトラブルに悩んでいながらも放置している人は多数。

「現在は治療法もいろいろ進化し、工夫されています。症状を感じたら早めに病院へ。生活習慣の見直しなど自分でできる対策もあリます。医学とセルフケアの両輪を上手に取り入れ、快適な生活を」(草間 香先生)

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