年を重ねて頑固になった母とうまく付き合うには?母娘関係の悩みに専門家が回答!

年を重ねるとどうして親は頑固になってくるのか。そんな母の言動に時にはイライラしてしまうことも。50歳を過ぎてからの親子の悩みに専門家が答えます。
教えてくれたのは…
人工知能研究者 黒川伊保子さん

人工知能研究者 黒川伊保子さん

感性リサーチ代表。脳科学を生かしたコミュニケーションを提唱。『母のトリセツ』をはじめ、大ヒットになった“トリセツ”シリーズなど著書多数。
メンタルケア・コンサルタント 大美賀直子さん

メンタルケア・コンサルタント 大美賀直子さん

公認心理師などの資格をもち、セミナー、カウンセリングで活躍。『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』ほか著書多数。「All Aboutストレス」ガイド。

【お悩み】年齢とともに頑固になった母が、聞く耳をもってくれません。

・子供たちに迷惑をかけたくない、が口ぐせなのに、将来のお金や終活、延命治療のことなどを話すのをいやがり、もしもの話ができません。(47歳・フリーランス)

・健康に過剰な自信があって子供のアドバイスを聞かない。体の心配をしても、病院に行こうとしないし、勝手に薬を減らしたりする。(50歳・パート)

・問題が起きてもまわりに相談せず、自分で解決しようとする。周囲に気を使うのはわかるが、もっと相談してほしい。(55歳・自営業)

年齢とともに頑固になった母が、 聞く耳をもってくれません。

50過ぎたら、心を入れ替えるのは無理。考え方より生活習慣を変化させて

母も、自分のやり方が絶対の正解に見えているのです。「どうしてそうなの」と責めて、心を入れ替えようと思っても無理。淡々と習慣を変えてゆく支援を。薬を飲まないのなら、3日間ほど薬の時間に電話をかけて「飲んだ? はい、飲んで。今、飲んで。すぐ、飲んで」と明るく促す強化訓練を。その後も、ときどき抜き打ちでやると、娘の熱意に、母の脳が負けていきます。「薬は半分飲んだら半分効くってものじゃない。減らしたら飲まないのと同じ」と理論的に納得させるのも有効。(黒川さん)

否定ワードを使わず、 ポジティブに伝えよう

否定ワードを使わず、ポジティブに伝えよう

年齢を重ねるにつれて、考え方や発想が固定的になりがちで、これを「考え方の可動域が狭い」「心の可動域が狭い」と表現します。心・頭・体、すべてが柔らかく可動域が広いことは理想ですが、高齢の母親にとって可動域を広げるのは難易度が高い課題。寛容な態度で接しつつ、健康を損なったり、お金を失ったりするような状況になったときは、アドバイスをしてあげて。このとき、「××したらダメ」と母の言動を真っ向から否定するのはNG。「このやり方のほうがお母さんもラクじゃない?」など、本人にとってのメリットを強調するとよいでしょう。(大美賀さん)

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