【地球のダイナミックさを感じる旅】パワーとやさしさに包まれに、隠岐アイランドへ

太古の地球の記憶を今に伝える島根県隠岐諸島。約600万年前の火山活動によってできたこの島々は貴重な地質資源の宝庫で、ユネスコ世界ジオパークに認定されている。古くは貴人の遠流の地で、以来、誰もを温かく迎える包容力のある島々だ。

まるでジュラシックパーク!隠岐ISLAND

すごい、と口にするたびに心が鎮まっていく島たち
大小180余りの島々で形成される隠岐諸島(アイランド)は、大きく島前(どうぜん)(海士町、西ノ島、知夫里島(ちぶりじま))と島後(どうご)(隠岐の島町)に分かれる。なかでも西ノ島には「島前カルデラ」と呼ばれる、500万年前までの大規模な火山噴火の陥没でできた地形がある。国内有数の古さであるこのカルデラが、世にも珍しい景観と恵みをもたらしている。海抜257mの大絶壁「摩天崖(まてんがい)」、波の浸食によってできたアーチ状の奇石「通天橋」……。西ノ島の西海岸一帯には、どこか神々しさのある大岩壁や奇岩がそそり立つ。


一方で、岩崖のてっぺんを覆う草原には馬や牛が放牧され、鳥がさえずり、蝶が舞う。蒼(あお)い海では岩牡蠣が育ち、海底には海藻ホンダワラの茂る豊かな森が広がる。自然に圧倒され、しだいに自分もその一部になって……ただいるだけで心が鎮まり、本来の姿に返っていくよう。深い癒しがここにある。

知夫里島の「赤壁」

日本にこんな場所があったなんて……と圧倒される知夫里島の「赤壁(せきへき)」は、壮大なスケールの断崖。約600万年前に流れ出た溶岩が、空気に触れ酸化し、赤く変色したもの。繰り返す噴火により、黒色やクリーム色の地層も出現し、縦横混合の荒々しい縞模様に

馬や牛が草をはむのどかな風景も、隠岐アイランドの魅力

馬や牛が草をはむのどかな風景も、隠岐アイランドの魅力。やせた土壌の栄養回復のために、馬の放牧(糞尿により土壌が肥える)と農作物の栽培を、場所を区切って順番に行う「牧畑」農法が1970年ごろまで行われていた。自然とともにあるこうした営みも含めて、ユネスコ世界ジオパークに認定されている

いつまでも見つめていたい美しい地形。古事記をはじめとする日本神話の舞台でもある隠岐諸島。西ノ島の西海岸一帯は、島の原風景の名残と、国賀海岸の奇岩や植物を楽しめる快適なトレッキングコース

いつまでも見つめていたい美しい地形。古事記をはじめとする日本神話の舞台でもある隠岐諸島。西ノ島の西海岸一帯は、島の原風景の名残と、国賀海岸の奇岩や植物を楽しめる快適なトレッキングコース

エメラルドグリーンの海は水深が浅く、ハワイや沖縄と近い透明度

エメラルドグリーンの海は水深が浅く、ハワイや沖縄と近い透明度

「海中展望船あまんぼう」に乗ると、海上にそびえ立つ巨岩や、船底の窓から海藻の森を魚が泳ぐ幻想的な光景を見ることができる

「海中展望船あまんぼう」に乗ると、海上にそびえ立つ巨岩や、船底の窓から海藻の森を魚が泳ぐ幻想的な光景を見ることができる

西ノ島の国賀海岸にある「通天橋」は、波や風の浸食によってできたアーチ状の奇岩

西ノ島の国賀海岸にある「通天橋」は、波や風の浸食によってできたアーチ状の奇岩

キジや牛やタヌキと路上でしばしば遭遇

キジや牛やタヌキと路上でしばしば遭遇

日の落ちる寸前、すみれ色の空に包まれる島の美しさは圧巻。夜には空に満天の星が

日の落ちる寸前、すみれ色の空に包まれる島の美しさは圧巻。夜には空に満天の星が

展望船やフェリーで沖に出れば、島の景観を外から眺めたり、岩上で休むウミウたちの姿を楽しめる

展望船やフェリーで沖に出れば、島の景観を外から眺めたり、岩上で休むウミウたちの姿を楽しめる

西ノ島の「摩天崖」のてっぺんは、日の光も風も優しくてまるで天国。放牧されている馬も人間を恐れず、間近でのびのびと遊ぶ

西ノ島の「摩天崖」のてっぺんは、日の光も風も優しくてまるで天国。放牧されている馬も人間を恐れず、間近でのびのびと遊ぶ

隠岐への行き方 島前(海士町、西ノ島、知夫里島)と島後、主に2つのエリアからなる隠岐諸島。飛行機:羽田空港→出雲空港(約1時間30分)、出雲空港→隠岐世界ジオパーク空港(島後・約30分)、もしくは伊丹空港→隠岐世界ジオパーク空港(約1時間)。

  • 心も身体もリラックス!大人が癒される「サウナ旅」が楽しい

    心も身体もリラックス!大人が癒される「サウナ旅」が楽しい

    旅への欲求がうずく昨今。次に出かけるなら、日々に疲れた心身を癒せる場所がいい。そんな願いをもつ人におすすめしたいのが“サウナ”。サウナフリークの國本知里さんと加藤容崇医師に聞く、厳選8つのアドレスに加え、初心者が知りたいサウナのイロハを詳しく紹介。

What's New

Feature
Ranking
Follow Us