“友だちの輪を閉じる派”のための「友だちとの距離のおき方」

友だちの輪を閉じるためにはどうしたら? エクラの読者アンケートでは、「人と距離をおくことが自分自身を見直すきっかけになる」という声も。ともするとマイナスになりがちな“閉じる”行為をポジティブに転換し、上手に離れる秘訣とは?具体的なノウハウを、人間関係の達人ふたりが回答!
教えてくれた人
エグゼクティブ・コーチ 和気香子さん

エグゼクティブ・コーチ 和気香子さん

わき きょうこ●栃木県生まれ。東京大学経済学部経営学科卒業。在学中に女優を志し、舞台、映画などに出演。その後、米国留学を経てビジネスの世界へ。現在はエグゼクティブ・コーチとして活動中。著書に『人の気持ちがわかる人、わからない人』などがある。
コラムニスト 辛酸なめ子さん

コラムニスト 辛酸なめ子さん

しんさん なめこ●’74年、東京都生まれ。漫画家、コラムニスト。スピリチュアルから流行現象まであらゆる事象を取材、人間模様を浮き彫りにする独特の世界観が人気。『新・人間関係のルール』『無心セラピー』『辛酸なめ子、スピ旅に出る』ほか著書多数。

自分も相手もハッピーに! こう考えて輪を閉じる

友だちの輪を閉じる=ネガティブに聞こえるが、「自分らしくいるために、時には閉じることも必要です」と語るコラムニストの辛酸なめ子さん。

「アラフィーになると自分の時間が限られてくるし、体力も落ちてきます。新しい友人をつくったり、友だちと会うのはエネルギーがいるので、自分の中に『何か違う』という感覚が生まれたり、疲れたなと感じたら、友だち付き合いを休んだり、終わらせる選択肢もアリだと私は思います」

とはいえ、自分の行動が相手を傷つけるのでは?と、罪悪感を感じる人もいる。これに対して、エグゼクティブ・コーチの和気香子さんは「視点を変えてみましょう」とアドバイス。

「あなたはその友人と会うのが楽しみで、彼女といると幸せですか? 約束の日が近づくと気が重くなったり、彼女といても楽しくなければ、たぶん、友人も同じように感じているはず。あなたと友人、どちらもがハッピーに過ごせるように友だちの輪を閉じる、そう考えると決断しやすくなるのでは」

さらに、自分の気持ちを明確にするために、「友だち付き合いにポートフォリオを導入しよう」と提案。

「投資の世界では多様な金融商品を組み合わせたポートフォリオを使って、必要な投資と不要な投資を考えます。同様に親友、趣味の仲間、ママ友など残したいカテゴリーを決め、そこへ友人を当てはめてみましょう。どのカテゴリーにも当てはまらなければ、今の自分にはご縁がない人と考える。ひとつの基準として使えます」(和気さん)

疎遠にするときは「まずコンタクトを減らす」と、ふたりは口をそろえる。

「小さな文字が見えにくくなったのを口実にレスを遅くすると、メッセージの回数が減ります。最後にハガキで返事を出すと、『返事を書くのが面倒』と思うのか、やりとりが途切れることが多いですね」と辛酸さん。

和気さんのアドバイスは「誘いは断り、断るときはきっぱりと」。

「あいまいな返事をしてドタキャンするのは失礼です。趣味のお誘いなら興味がないことを伝えて。また、『火曜日はダメ』など情報を与えないことも大事。『では、水曜日は?』と新たな誘いの糸口になるので、『予定がある』のひと言で終わらせましょう」

“距離をおいてもいい友だち”と判断するには?

1.彼女といるとハッピーか、考えてみる

一緒にいるとハッピーで元気が出る、そう思える友人とは疎遠にならないはず。ハッピーと感じない友人がいたら、理由を考えてみよう。

2.友人関係をポートフォリオで見直す

投資のポートフォリオ(異なる金融商品を組み合わせる)のように、友人も「親友」「趣味の友だち」などまず必要なカテゴリーを決め、見直そう。

3.お互いに「助けて」といえる存在なのか?

困ったことが起きたら、手をさしのべ合えるのが本当の友だち。助けてといえない理由が、友だち付き合いを見直す糸口になるはず。

友だちと距離をおくときの心得とは?

1.疎遠にするのは、「お互いの幸せのため」と考える

閉じる=悪いことではない。もやもやするときは、「自分が、そして相手も幸せになるために」という前向きな思考で決断しよう。

2.距離をとれる手段を用意して付き合ってみる

知り合って日が浅い段階では連絡手段を絞り、個人情報(仕事や自宅の場所など)はなるべく明かさず、いつでも距離をとれる状態にしておく。

3.誘いを断るときは詳細を伝えない

「今月は忙しい」「水曜日はダメ」など具体的な話をすると、「じゃあ来月は?」と誘いの糸口を与えることに。「予定がある」のひと言で十分。

こうすれば友だちと距離がとれる!?

その1:コロナ禍をうまく利用する

「コロナ禍で不要な友人関係が減ってすっきり!」(48歳・会社員)という声が多い一方で、「人間関係が狭まった」(53歳・主婦)という嘆きも。整理しすぎには注意しよう

コロナ禍をうまく利用する

その2:老化現象を味方につける

「LINEの返事は極力遅く」(50歳・会社員)、「SNSのレスは『了解』のひと言やスタンプで済ませる」(48歳・主婦)など、SNSの返信で距離感の広がりを匂わせるという声も

老化現象を味方につける

その3:興味が変わったことを宣言する

推し活や趣味を通じて仲よくなった友人には、「推しが変わった」「趣味が変わった」と宣言。相手が手を出しにくいマニアックなものを対象に選ぶと、より効果的!?

興味が変わったことを宣言する

その4:こだわりをさりげなくアピール

ざっくばらんに話せる会食は、友人との距離感が縮まる絶好の場。あえて好き嫌いの激しさや食へのこだわりを強調して、「面倒で誘えない」と思わせる手もあり

こだわりをさりげなくアピール

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