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【短期連載】雨宮塔子が見つけた“パリ”おしゃれの感性 vol.4「ドレスコードの妙味」
パリに長く住み、日々現地のおしゃれに刺激を受けているという雨宮塔子さん。4回に分けて、パリで出会ったおしゃれの発見を雨宮さんの書き下ろしエッセーとともにお伝え。第4回目は、パリの“フェット”での、新しい出会いを紹介します。
【Jマダムを刺激する、センスあふれるパリの今】雨宮塔子、ヴェルサイユ宮殿で異次元ステイを

パリに住む人が今、一番行きたい場所
王侯貴族の空間と時間にタイムスリップするヴァカンス
ヴァカンスの過ごし⽅は⼈さまざま。私の場合は⻑めの週末でロンドンに⾏ったり、友⼈の別荘に滞在したりするプチヴァカンスだけでも⼗分にリフレッシュ。その意味で、このホテルは本当に特別。パリから1時間もあれば余裕で来られる近さですが、別世界を⽣きているような気分になります。
「ようこそ、マダム・アメミヤ。私があなたのマジャードム(執事)のニコラです。ご滞在がすばらしいものになりますよう、努めさせていただきます」。ヴェルサイユの『ル・グラン・コントロール』での時間はそんなふうに始まりました。案内されたのはスイートルーム。柔らかな光が⾼い天井にまで満ちています。ヴェルサイユ宮殿の敷地にある館がホテルになることはかなり前から評判になっていました。センスのいい親しい友⼈は’21年のオープン早々に体験。滞在客だけの宮殿プライベート⾒学を含め、⼤満⾜だったことを話してくれました。仕事で何度か宮殿の特別訪問を経験している私にとって、このホテルの⼤きな魅⼒は、むしろ館での滞在そのものにあります。宮殿や美術館で鑑賞するマリー=アントワネットの時代の家具などが、ここではじかに触れて使えるものとして存在しています。スタッフのユニフォームにもその時代へのオマージュが込められていて。館全体が、フランスが誇る伝統の技やセンスを凝縮した、まるでタイムスリップしたような空間なのです。
宮廷の財務⻑官の私室だったというスイートルームは、「ここから⼀歩も出なくてもいい」と感じるほど。サロン、ベッドサイド、バスルームと室内を移動するだけで、さまざまなシーンが展開し、別のストーリーが流れ出します。椅⼦に座る、お茶をいただく。ひとつひとつの時間を慈しむ気持ちが⾃然に⽴ち居振る舞いにも表れて、背すじが伸びる感覚があります。いつもなら⾜を組んで楽にするところだけれど、膝に緊張感をもって座っていたり、窓や鏡に映った⾃分がその場に合っているかどうかに意識が向く。ここでは⾃分⾃⾝が主役です。この感じをたとえるなら、花嫁の気分。ドレスを着て祝福されている⾃分、さらにいうと、究極に素敵な⾃分を⽬ざして、準備の過程までも楽しむあの感じです。
今回の滞在が決まると、私は部屋の雰囲気に合うスタイルを考えました。パンツが多い私ですが、硬い感じは違うし、⿊も違う。ファブリックが柄ものなので無地がいい。楽だけれど、カジュアルすぎず、リュクスな気分でいられるようなものを……。そうして選んだ上質なシルクのスリップドレスは、カシミヤのセーターを重ねてもいいし、ヒールのサンダルを履けばそのままディナーのテーブルにも似合うはずです。とっても気に⼊っているのに、なかなか出番のないドレスを持っているなら、それを着て⾃分を主役にする休⽇を計画してみてはどうでしょう? たとえ⼀泊でも⼗分に気分が上がるヴァカンスとして成⽴すると思うのです。スマホやパソコンは忘れ、歴史⼩説でも携えてある種の緊張感を楽しみつつ王侯の暮らしに思いを馳せる。知的好奇⼼を⼤いに刺激してくれる特別な時間です。











Data
Le Grand Contrôle
12 rue de l’Indépendance Américaine 78000 Versailles, France+33(0)1 85 36 05 50
https://airelles.com/en/destination/chateau-de-versailles-hotel
1室1泊(2名)€2,000から(朝⾷、アフタヌーンティー、宮殿⾒学、庭園散策等のアクティビティを含む)。「スイート・ネッケール」は€15,000から。
€1=¥156.85(12/12現在)

雨宮塔子
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