【今月のおすすめ本】日本を代表する詩人たちの対談集『対談集 ららら星のかなた』ほか3冊

エクラ世代におすすめしたい書籍を厳選! 日本を代表する詩人・谷川俊太郎さんと伊藤比呂美さんの対談集のほか、元科学者が描く人間ドラマなど計3冊を紹介。

『対談集 ららら星のかなた』

『 対談集 ららら星のかなた 』

人生のA to Zを「詩の神様」と語りつくす

谷川俊太郎 伊藤比呂美

中央公論新社 ¥1,980

90代と60代、日本を代表する詩人たちの対談集は、驚くほど軽やかで気取りも押しつけもない。食の好みからスタートし、これまでに体験した恋愛・結婚・離婚や性、日常的なウソと人生でついている大きなウソ、エゴとセルフの違い、体のメンテナンス法や老いと死に対する心の備えなどなど、自由自在に会話が羽ばたいていく。つらい現実からも目を背けず真摯に向き合ったうえで人生のすべてをおもしろがろうとするタフな精神と、人間への深い洞察に満ち満ちた貴重な一冊。

『藍を継ぐ海』

『 藍を継ぐ海 』

科学のスパイスで広がりを増す5つの人間ドラマ

伊与原 新

新潮社 ¥1,760

地球惑星科学の研究者から転身した著者による小説は、自然科学との幸せな融合。萩焼き、オオカミ、原爆、隕石、ウミガメという5つのカギで、未知への扉を開く。ビッグバンから始まる悠久の時の流れや命の連なり、自分が生きて今ここにいるという奇跡に胸打たれる短編集。

『ロブスター』

『 ロブスター 』

「私の居場所」「本当の幸せ」はどこにあるのか

篠田節子

KADOKAWA ¥1,980

スクープをものにして行き詰まった人生を変えたいと、強制労働が行われているというオーストラリアの鉱山に潜入した寿美佳だが……。ディストピア化した近未来を背景に、読者の価値観に揺さぶりをかけてくる感動作。夜の砂漠で″釣り”をするシーンの美しさも忘れられない。

集英社 2024 年度 出版四賞決定

(主催/集英社 一ツ橋綜合財団)

■第48回 すばる文学賞
受賞作『泡(あぶく)の子』樋口六華(ひぐち・りっか)
佳作『ダンスはへんなほうがいい』新崎瞳(しんざき・ひとみ)
〈選考委員〉奥泉光/金原ひとみ/川上未映子/岸本佐知子/田中慎弥
※受賞作品と選評は「すばる」11月号に掲載

■第22回 開高健ノンフィクション賞
『対馬の海に沈む』窪田新之助(くぼた・しんのすけ)
〈選考委員〉加藤陽子/姜尚中/藤沢周/堀川惠子/森達也
※選評は集英社クオータリー「kotoba」秋号、「青春と読書」10月号に掲載

■第37回 柴田錬三郎賞
『幽玄F 』(河出書房新社刊)佐藤究(さとう・きわむ)
〈選考委員〉逢坂剛/大沢在昌/桐野夏生/篠田節子/林真理子
※選評は「小説すばる」12月号に掲載

■第37回 小説すばる新人賞
『グッナイ・ナタリー・クローバー』須藤アンナ(すとう・あんな)
〈選考委員〉朝井リョウ/五木寛之/北方謙三/辻村深月/宮部みゆき/村山由佳
※受賞作品(抄録)と選評は「小説すばる」12月号に掲載

(※選考委員はいずれも50音順)

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