人気フードライター佐々木ケイ 再訪確定!日本全国「心に響く、いい美味店」vol.4 東京都神泉「オルランド」

ファインダイニングから大衆酒場、バーや角打ちまで、日本全国を食べ歩く。ライター佐々木ケイがリアルに食べた、飲んだおいしい店を紹介。12月は、2024年を振り返り、どうしても年内中にお伝えしたい3軒を。1軒目は、東京の神泉にあるイタリアン「オルランド」。
フードライター 佐々木ケイ

フードライター 佐々木ケイ

全国津々浦々、豊かな経験による独自の切り口で取材、執筆。その守備範囲は食、酒、旅をテーマに、飲食店、生産者、酒類、ホテル等と幅広い。JSA認定ワインエキスパートで、特にイタリアワインに詳しい。シェフやワイン関係者からの信頼も厚い。『éclat』をはじめ、『BRUTUS』など連載多数。小誌1月号「センスがいい人のおもてなし」の執筆も担当。


Instagram:@sasaki__kei

“現在ワンオペ料理人”の気合みなぎるシンプルイタリアン

「オルランド」 東京・目黒区

「全部ですよ、全部」。10年以上前、現「オルランド」店主の小串貴昌さんに料理のレシピについての取材をし、「どこがポイントですか」と尋ねたときの答えだ。当時の私はなんと愚鈍で、小串さんは今以上に尖っていたなと思う。素材選び、切り方、火の入れ方、塩の加減、オリーブオイルやハーブ、スパイスの効かせ方(あえて効かせない決意)、盛り付けの際の切り分け、付け合わせの組み合わせと量のバランス……全部。今なら、よくわかる。驚くことにサービス出身、その頃から料理人のように考えていたのだろう。


2年前、店を改装してワンオペ営業になると、元々繁盛していた店の人気はさらにスパークして、一時期予約が困難だった。長い付き合いなのに、住まいからも近いのに、一度も行けていないままもう年は越せないと思い、ようやく行くことができた。

料理には変わらず尖った気合がみなぎっていた。青唐辛子オムレツの厚みや辛さの塩梅、肉のレアではなく”焼き切った”旨さ、トマトソースの甘さと酸のバランス、全部! ちなみに、かつて彼が白金で営んでいた今はなきエノテカは、私が人生で一番通い詰めた店で(最多で年100日行った)、それを超える店はこの先ないと思う。

神泉にあるイタリアン「オルランド」のタコの冷菜

小串さんが仕入れに通う三浦からの素材、佐島のタコの冷菜。冷たすぎない温度、野菜の香味、一口目からはっと旨い。

神泉にあるイタリアン「オルランド」のヴィテッロ・トンナート(仔牛肉のツナソース)

ヴィテッロ・トンナート(仔牛肉のツナソース)。ピエモンテで食べた味を思い出す。

神泉にあるイタリアン「オルランド」のしらすと青唐辛子のフリッタータ

大人気のしらすと青唐辛子のフリッタータ。レモンが合う。

神泉にあるイタリアン「オルランド」のマッケロンチーニのポモドーロ

パスタは締めに、極細のパスタ、マッケロンチーニのポモドーロを。

神泉にあるイタリアン「オルランド」のワイン

料理人はじめ食のプロにも大人気。この日はイタリアワインのプロと、ボトルがじゃんじゃん空いた。

神泉にあるイタリアン「オルランド」の外観

内外装も、ほぼ自分で。イタリア臭さと東京らしさがいい具合にまじりあった、小串さんが作る空間も好物。

「オルランド」

住所:東京都目黒区青葉台3-1-15

https://www.orlando.tokyo/

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