【おしゃれな50代のリノベ&住み替え】ワクワクする気持ちに忠実に。ゼロから建てる心地よい家〈早坂香須子邸〉

人生のステージが変わる50代は、暮らし方や住まいを見直す人も多い。今回はメイクアップアーティストの早坂香須子さん宅をご紹介。長野県の森の中にゼロから建てた、心地よい家の内部とは?

DATA

延べ床面積:119.2㎡
築年数(居住年数):3カ月

犬1匹、猫2匹と暮らす一軒家。アトリエ、リビングルーム、ベッドルーム、パントリー、キッチン、クロゼットスペース、バスルーム、秘密の小部屋が回遊式につくられている。

■PROFILE
メイクアップアーティスト 早坂香須子

メイクアップアーティスト 早坂香須子

メイクアップアーティスト、植物療法士。長野県にある森林との出会いから、森の再生をしながら自然の中で生きることを選ぶ。同時にKAZTERRAMORI名義で作家活動を開始。’24年10月には、文筆家・服部みれい氏と共著である詩画集『わたしの中にも朝焼けはある』(河出書房新社)を上梓。

目に入る景色がどれも心地よいのは自分の優先順位を知っているからこそ

ワクワクする気持ちに忠実に、変化を楽しむ

リノベーションという考えはなく、ゼロから建てるほうが自分には向いていると思ったという早坂さん。

「最初は傾斜のある森の中央、次は下に。いろいろな人に相談して、最終的には上に建てることに。ル・コルビュジエが建てた崖の上の家を好きなことも思い出したりもして。好きな家、インテリア、建築家など家にまつわるイメージソースを細かく書き込んだノートを作り、それを建築家・納谷さんに見てもらいイメージを共有しました。そして、ゴールをもちながらも、建設中も通い、ギリギリまで悩み、さまざまな部分を変更したり調整を。決まったレールに乗るのではなく、そのときワクワクすることも大事にしたいという姿勢は、家づくりにかぎらず仕事でも同じです」

イメージブックを見せながら細部まで決めていく過程で、たくさん疑問を投げかけ納谷さんと対話を繰り返した。

「森の中の一軒家ということで、怖いと感じない家というリクエストもしました(笑)。それに対してもきちんとくみ取ってくれて、設計プランを説明してくれました。納谷さんがフレキシブルなかただったからこそ私らしい家ができあがったんだと思います。天窓もリクエストのひとつ。光を感じたくてお願いしたのですが、いざ住んでみると天窓のおかげで光だけでなく雨も好きに。違和感や希望を伝え、話し続けることがとても大切なんだと思います」

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リビングルーム唯一の棚と小さなチェストには、絵や友人の作品など好きなものが並ぶ。愛犬スペースは、家づくりの際にリクエスト。キッチンと洗面所のドアにだけ猫用ドアもついており、犬猫、犬、人だけ、の3つのスペースを、ストレスなく区切れるようにしている

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「曇りでも晴れでも同じ一瞬はなく、同じ日はない。東京だとそれがわからなくなっていた気がします」。窓から射し込む光、空、木や山が、日々それを教えてくれる

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ウッドユウライクカンパニーで購入したという、ダイニングテーブル「USU」とダイニングチェア「MOCHI」。「ずっと座っていられるくらい心地よい。職人さんのすばらしい手仕事に惹かれて決めました。温かみがありながらモダンです」

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当初はアトリエにも土間をはさんで垂れ壁とガラス扉がつくはずだったところ、工事途中に通う中で、仕切らずオープンにすることで空間が広がると思い、相談して変更を。イサム・ノグチのakariライトがリビングもうっすらと灯してくれる

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アトリエの窓もまるで絵画のよう。テーブル、本棚などにも間伐材を使用。「私はこもって絵を描くタイプではなくオープンな空気感のほうが向いているので、リビングとの仕切りはガラス戸に。気持ちが切り替わるので、物がほとんどないリビングに反してアトリエは物が多くても気になりません」

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家の中と外観はまた少し違った雰囲気。光が射し込む窓辺に猫が並ぶ。全方位に窓があるが、プライバシーはきちんと保たれている。

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リビングルームにあるインテリアデザイナーの福山晶子さんに特注したオリジナルソファは、前の家から持ってきたもの。家のサイズに合わせて数を増やしたり、布張りを変えたりと柔軟に変化し、この家にもなじんでいる

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早坂さん製作のイメージブック。ル・コルビュジエの自邸など、素敵だと思った家は写真とともにメモを記している。同じゴールをもつには、頭の中を細部まで伝え合うことが重要に

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建設現場に通うときに泊まっていた旅館の寝室が和室でよく眠れたことから、急遽相談をして和室をつくることに。「東京では眠りが浅かったのですが、山の家ではぐっすりと眠れるようになりました」

“心地よさ”について改めて自問自答しそこで出た答えに従って選択を重ねる

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洗面所のタイルは多治見のTAJIMI CUSTOM TILES。「悩みましたが、毎日目に入る場所を妥協すると後悔しつづけると思い、このリサイクルタイルに。絶妙なグラデーションの美しいタイルを見るたび、決めてよかったと日々感じています」。

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「長時間半身浴するので、バスルームは大切な場所。ベージュの色みにこだわりました。KALDEWEIのホウロウ浴槽も気に入っています」

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