小池栄子さんインタビュー「生身の人間のぶつかり合い。 苦しくても悔しくても、 やっぱり舞台はいい!」

小池栄子さんは、今や若手女性タレントの憧れの存在。ドラマから経済番組まで引っぱりだこ。カラッと歯切れのいいコメント、はじける笑顔、そして画面越しでも伝わってくる演技の熱量の高さに、誰もがほれてしまう。そんな小池栄子さん、子供時代を劇場ひしめく演劇の街、東京・下北沢で過ごした。
小池栄子

「いつも自転車をチリーンと鳴らして商店街を走るおじさんが柄本明さんだったり、街中で竹中直人さんに頭を撫でてもらったり。喫茶店では台本を書いたり読んだりしている人がいて、なんかかっこいいなあと思ったことを覚えています」

20代、グラビアアイドルを経てバラエティ番組への出演が増えたが、しだいに舞台への憧れが募っていったという。

「“さっきの収録でもあの人たちと一緒だったなあ”という具合に四六時中顔ぶれが重なって、でも目の前にはカメラしかなくて、もっと違う手応えが欲しいなと思うことがありました。舞台のお仕事をするようになると、お客さんが目の前で笑っているし、シリアスな場面ではお客さんが息を止めるのもわかる。その瞬間その瞬間を一緒につくっている感じにしびれましたね」

時に苦しさ、悔しさも味わった。

「演出家のかたが私に期待してせっかくいい役を託してくれたのに、何度やってもうまくできなくて、悔しくて車の中で泣いたなんてこともありました。それでも舞台の上での生身の人間のぶつかり合いを見ていると、いつのまにか我を忘れ日常も忘れている。見るのも演るのもやっぱり舞台が好きなんです」と目を輝かせる。

いつかはとねらっていた劇団☆新感線からもオファーがくるようになり、この秋上演される『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』で4度目の出演となる。小池さんが演じるのは山奥で育った娘、お破(やぶ)。花形役者になりたいと、歌舞音曲への弾圧真っただ中の江戸へやってくる。まさに芝居者たちによる芝居好きのための芝居だ。

「新感線の皆さんとご一緒するのは9年ぶり。自分が知らず知らずまとっていたうっすい自意識を、“何かっこつけとるんや!”って、稽古場で全力ではがされている最中です(笑)」

今年で45歳になる。健やかなストレートヘアにみずみずしいツヤ肌という印象がデビューのころから変わらない。

「特別なケアはしていないです。歳相応に年齢を重ねたいと思っています。それを生かすのも役者という仕事のおもしろさだなって。唯一こだわっているのは毎日食べるお米ですかね。今は1㎏単位で、いろいろな銘柄にトライしています。夫婦ともに硬めが好きなので、皆さんびっくりするほど水少なめで炊くんです(笑)」

2025年劇団☆新感線45周年興行 秋冬公演チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎 『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』

2025年劇団☆新感線45周年興行 秋冬公演チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎 『 爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK 』

クセ強な役者たちが我こそは!としのぎを削る芝居合戦が展開。歌舞伎の名シーンなどをリスペクトした数々の劇中劇をはじめ、笑いも満載。古田新太たち劇団員が勢ぞろい。ゲストに小池栄子、早乙女太一、向井理。11/9~12/26、新橋演舞場 問☎03・3541・2600 ※大阪公演あり

小池栄子

小池栄子

こいけ えいこ●’80年、東京都生まれ。’98年にドラマデビュー以来、映像、舞台、CMで幅広く活躍。’16年には舞台『グッドバイ』で読売演劇大賞最優秀女優賞受賞。主な出演作に、舞台『髑髏城の七人』『陥没』『近松心中物語』『日本人のへそ』『骨と軽蔑』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、ドラマ『コタツがない家』『地面師たち』『新宿野戦病院』『おい、太宰』など。
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