【50代の悩み】老眼だけじゃない! 加齢で始まる目のトラブルをチェック <1>

老眼だけじゃなく、加齢とともに発症する目のトラブルはたくさん存在。eclat12月号では、将来病気を発症する恐れのある、疑わしい自覚症状をご紹介。正しい知識を身につけて、早め早めの対処を!

眼瞼下垂(がんけんかすい)

視野が狭くなるだけでなく、頭痛、肩こりの原因にも。
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【どうして起きる?】
◦加齢によるまぶたの皮膚のたるみ
◦加齢による挙筋(きょきん)腱膜のゆるみ
◦目をこするくせがある
◦コンタクトレンズの長期装用
【重度下垂の原因は、まぶたの内側の腱膜のたるみ】
加齢によって、外皮だけでなく、"抗重力" の役目を果たす体の内側の筋肉や腱もたるむのは、まぶたも同じ。重い眼瞼下垂は、まぶたをコントロールする眼瞼挙筋につながる挙筋腱膜が張りを失って、まぶたを支えられなくなることで生じる。「日本人は欧米人に比べてまぶたの脂肪が多く、ゆるみが出やすい傾向にあります」。

コンタクトレンズユーザーは、目を強くこすらない!

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目を強くこする行為は、眼瞼下垂を進行させるクセモノ。しかも、コンタクトレンズを入れたままだと、その影響はもっと大きくなるのだそう。コンタクトレンズユーザーでアレルギーもちの人は、注意して。

顔の表情にかかわる、加齢によるまぶたの下がり

上まぶたを持ち上げる機能に障害が起こり、まぶたが下がって目を開けにくくなるのが眼瞼下垂。

村井先生「この病気を疑ったら眼科か形成外科を受診しましょう。瞳孔の中心から上まぶたまでの距離が3㎜以下なら眼瞼下垂と診断します。まわりが見えづらくなるだけでなく、眉毛を上げて見ようとするため額にしわが増えたり、視野を広げようとして頭の筋肉が緊張し、頭痛や肩こりが生じ、ひどくなると自律神経失調症になる場合もあります」


加齢で起こる眼瞼下垂には、主に2つの種類があるという。

村井先生「ひとつはまぶたの皮膚がゆるんで起こるタイプ。もうひとつが、まぶたを持ち上げる挙筋腱膜がゆるんだり、断裂したりして起こるタイプ。2つが複合的に起こる例もあります」


挙筋腱膜のゆるみには、加齢以外の原因も。

村井先生「コンタクトレンズをしている人や、花粉症の人などはまぶたにかゆみが出やすくこすりがちですが、そうすると挙筋腱膜がゆるみ、腱膜性の眼瞼下垂になりやすくなります」


ただし、手術で治療が可能。

村井先生「形成外科では皮膚弛緩性の眼瞼下垂ならまぶたを切開し、余った皮膚を切除する手術を、腱膜性なら腱膜のゆるみを解消する挙筋腱膜前転法という手術を行うのが一般的です」


一方、眼科では、まぶたの裏の粘膜側からゆるんだ筋肉を縫って縮める手術を行うことが多い。

村井先生「眼瞼下垂手術は、見た目にも影響を与えるので、症例数が多い信頼できる医療機関を選ぶことが大切。手術は1時間〜1時間半ほどかかり、術後は内出血しやすく1週間ほどダウンタイムがありますが、視界が広がり、肩こりや頭痛が解消する人も多いので早めの受診を」


どんな治療法がある?

・保険適用の手術が一般的
→上で紹介している挙筋腱膜前転法の手術のように、非常に皮膚が薄く組織が細かい部分に執刀するため、誰でもできる手術ではなく、熟練が必要。目安としては手術回数の多い病院、形成外科学会専門医のいるクリニックなどで相談を。
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