50代の男と女の関係を描いた 大人の恋愛小説五選

2018年2月19日
今さら恋愛小説!? と決めつけるのはまだ早い。実は50代だからと男女関係に目を背けているだけかも。eclat3月号では、井上荒野さんと角田光代さんの作品からと、「迷」「溺」「決」「個」をキーワードに書評家・藤原香織さんと編集部が選んだ“男と女“の物語をご紹介。

男女関係を描く、井上作品&角田作品

「恋愛の描き方が少しずつ変わってきた」というおふたりの作品も、この機会にぜひ!
『綴られる愛人』
井上荒野
集英社 ¥1,500
大学生の青年がエリートサラリーマンに扮し、夫の暴力に耐える20代の専業主婦と文通を開始。しかし実は彼女の正体は、夫に支配されている35歳の小説家だった。
『あなたならどうする』
井上荒野
文藝春秋 ¥1,400
「時の過ぎゆくままに」「小指の思い出」「ジョニィへの伝言」……各短編タイトルは昭和のころに流行した歌謡曲の題名。名曲を題材に、男と女の風景を浮かび上がらせる短編集。
『彼の女たち』
井上荒野、角田光代ほか
講談社文庫 ¥552
「J(ジェイ)」というミュージシャンと出会い、人生が変わった女性たちそれぞれの姿を、5人の作家が描き出す連作小説集。参加者はほかに江國香織、嶽本野ばら、唯野未歩子。
『紙の月』
角田光代
ハルキ文庫 ¥590
銀行支店の1億円横領事件の容疑者は、パート勤務していた41歳の主婦。まじめな人柄に定評のあった彼女を犯罪に走らせたのは、ひとりの男子大学生との出会いだった。
『日本文学全集 源氏物語 上』
角田光代
河出書房新社 ¥3,500
これまでのさまざまな作家が挑んできた古典名作の現代語訳に角田さんも挑戦。読みやすさを念頭に、人々の感情をいきいきと表現。上巻は二十一帖「少女」までを収録。
紹介してくれたのは…
角田光代
’67年、神奈川県生まれ。’90年『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。’05年『対岸の彼女』で直木賞、’12年『紙の月』で柴田錬三郎賞など多数受賞。片想い小説『愛がなんだ』、失恋短編集『くまちゃん』、モラハラ夫が登場する『私のなかの彼女』(河合隼雄物語賞)など男女関係を描く作品も多数。現代語訳に挑戦中の『源氏物語』の中巻が今年前半、下巻が年末に刊行予定。

井上荒野
’61年、東京生まれ。’89年『わたしのヌレエフ』でフェミナ賞を受賞してデビュー。
’04年、ひとりの男性をめぐる女性たちの刹那的な愛を描く『潤一』で島清恋愛文学賞、’08年、夫以外の男性に惹かれる女性を描いた『切羽へ』で直木賞ほか、多数受賞。新聞に連載した『その話は今日はやめておきましょう』が5月ごろに刊行予定。こちらはオレオレ詐欺を題材にした長編。

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