といっても本場ではなく、上野のガード下の立ち喰い店『めん処 つるや』にて(※椅子もあり)。関西のうどんを平たくしたような麺とキツすぎないつゆのバランスがよく、これはこれで好ましく思います。薬味が辛い白ネギじゃないのもありがたい限り。
そこに生卵を追加して、クレーの『パルナッソス山へ』を思い出しながら配置し直しますと、芸術のまち・上野に似つかわしい一杯の完成です。きしめん¥430、生卵¥60。
初入店は就活時代。しかし、ずっと平和裏にきしめんをたぐってきたわけではありません。ある時、メニューから消えたのです。券売機の前でその残酷な事実に気がついたとき、いつものボタンを押そうとしていた手が震えました。「あ、こういう‟わなわな”もあるのね」と妙に脳が冷静だったのを覚えています。やむなく関西風うどんを選択し、「困ります」と訴えたのが効いたのかはわかりませんが、めでたく復活(表に貼紙まで)。以来、上野に行くたび、草の根活動的に食しております。
(編集B)