家族って、人生って何? 江國香織が選ぶ「人生を考える家族小説」 五選

いつの時代の話でも、どんな国のものでも、どこか他人事とは思えないのが家族小説のおもしろさ。今回は家族の物語が大好きという江國香織さんに、たくさんの候補の中から選りすぐりを紹介していただいた。
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1.『野鴨』
庄野さんのご家庭をモデルにしたシリーズの一冊。冴えた視線と厳選した言葉で、穏やかな日常や楽しいエピソードが描かれています。一度庄野さんのご自宅にうかがったときは、小説そのままで感動しました!

庄野潤三 講談社文芸文庫 ¥1,400
2.『波』
作者はスリランカの大津波でふたりの息子と夫と両親を失う。あまりにつらい状況ですべてにNOといいたくなるが、時間をかけて個人でぽつんといることを受け入れていく。家族とは人間とはと、考えさせられます。

ソナーリ・デラニヤガラ 佐藤澄子/訳 新潮社 ¥2,000
3.『ある家族の会話』
イタリアの女流作家の自伝的小説。背景にあるのはファシズムが迫る時代ですが、家族の中で語られる本当か嘘かわからない一族の話の豊かさといったら! その家庭でしか通じない言葉や話があることの幸せを感じます。

ナタリア・ギンズブルグ 須賀敦子/訳 白水Uブックス ¥1,000
4.『パールストリートのクレイジー女たち』
英語で読んで感激して"私が訳したい!" と思った本。1930年代から始まる貧しい一家の話ですが、主人公の男の子の頭のよさやシングルマザーの母親の工夫で大変な生活なのに楽しんでいるよう。そこがすごく素敵です。

トレヴェニアン 江國 香織/訳 集英社文庫 ¥1,100
5.『ムーミン童話 新装版』全9巻

ムーミンの家族は仲がいいのはもちろんだけど、それぞれの自由を認めあっている。家族の中での孤独と自由の関係がシリーズのテーマで、私自身すごく影響を受けました。名言の宝庫なので、何度も読み返しています。

トーベ・ヤンソン 下村隆一 山室 静 鈴木徹郎 冨原眞弓 小野寺百合子/訳 講談社文庫 各¥520~700
  • 作家・江國香織さんが描く「家族」の試練と成長とは

    家族関係の変化を痛感せざるを得ないアラフィー世代。悩みは人それぞれでも、“考えさせられながら読む”小説にはそのヒントが! 新刊で家族をめぐる物語を描いた江國さんに、小説に宿る「家族とは何なのか」についてを伺いました。

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