素晴らしい日本庭園を眺めながら、日本ワインを味わう……シャトー・メルシャン『Tasting Nippon』イベントレポート【飲むんだったら、イケてるワインWEB特別篇】
素晴らしい日本庭園を愛でながら、日本ワインを味わうーー。そんな夢のような企画が、「シャトー・メルシャン」のイベントとして6月1日に京都で行われました。これは、“日本文化を通じて日本ワインの本質を探る”という新しい試み。特別な日本料理と初夏の日本庭園に彩られた贅沢な時間をレポートします。

日本ワインの本質とは何なのか。そんな哲学的な背景を探るイベントがこの6月に行われた。それが「シャトー・メルシャン『Tasting Nippon』特別限定企画 ㏌ 京都 夜の日本庭園『名勝 無鄰菴』でシャトー・メルシャンを味わう」だ。
その内容は、近代日本庭園の傑作といわれる「名勝 無鄰菴」と老舗料亭「瓢亭別館」で「シャトー・メルシャン」の数々を味わう、この上なくラグジュアリーなもの。加えて、チーフ・ワインメーカー安蔵光弘氏、シニア・ワインメーカーの藤野勝久氏、ワインメーカーの佐々木文平氏の解説つきという、ワイン好きにとっては夢のイベント。多くのワインファンが参加した。

「瓢亭別館」の料理と「シャトー・メルシャン」のマリアージュ
当日、参加者は無鄰菴に集合。思い思いに庭を散策した後、イベントはスタートした。


意外な発見があったのは、やはりマリアージュ。
「瓢亭別館」では、最初、日本料理には爽やか系が来るかと想像していたが、登場したのは“ちょっとひと癖あり”のワイン。黒ブドウから造られ、タンニンのニュアンスを感じるロゼのスパークリングワイン「日本のあわ マスカット・ベーリーA」に明石鯛のお造りを合わせてみたところ、これがわさび醤油の辛さによく合う。やわらかなタンニンが、わさび醤油をまろやかにする印象だ。穴子寿司や湯葉などは抜群の相性を見せていた。
また、「これは万能!」と思ったのが、ふくよかな味わいで果皮由来のコクを感じる「笛吹甲州グリ・ド・グリ」。これは、いわゆる“オレンジワイン”と言われるスタイルで、白ワイン用のブドウを赤ワインの醸造方法で仕込んだワインのこと。
驚いたのが「瓢亭玉子」との相性のよさ。通常、卵料理、特に茹で卵はワインに合わせるのはなかなかに難しいが、「笛吹甲州 グリ・ド・グリ」はドライなニュアンスが卵のコクにしっかりと寄り添い、よりまろやかな味わいに。「瓢亭玉子」は江戸の昔から京都を訪れる旅人の疲れを癒してきた名物料理のひとつだが、歴史的な料理がワインとこんなに合うとは、と感動。
「瓢亭別館」では、最初、日本料理には爽やか系が来るかと想像していたが、登場したのは“ちょっとひと癖あり”のワイン。黒ブドウから造られ、タンニンのニュアンスを感じるロゼのスパークリングワイン「日本のあわ マスカット・ベーリーA」に明石鯛のお造りを合わせてみたところ、これがわさび醤油の辛さによく合う。やわらかなタンニンが、わさび醤油をまろやかにする印象だ。穴子寿司や湯葉などは抜群の相性を見せていた。
また、「これは万能!」と思ったのが、ふくよかな味わいで果皮由来のコクを感じる「笛吹甲州グリ・ド・グリ」。これは、いわゆる“オレンジワイン”と言われるスタイルで、白ワイン用のブドウを赤ワインの醸造方法で仕込んだワインのこと。
驚いたのが「瓢亭玉子」との相性のよさ。通常、卵料理、特に茹で卵はワインに合わせるのはなかなかに難しいが、「笛吹甲州 グリ・ド・グリ」はドライなニュアンスが卵のコクにしっかりと寄り添い、よりまろやかな味わいに。「瓢亭玉子」は江戸の昔から京都を訪れる旅人の疲れを癒してきた名物料理のひとつだが、歴史的な料理がワインとこんなに合うとは、と感動。


「シャトー・メルシャンが目指してきたのは、日本人の食卓に合うワイン。甲州も、マスカット・ベーリーAも日本の固有品種ですから、日本料理に合うのは必然と考えています」
と、シニア・ワインメーカーの藤野氏。たしかに、「笛吹甲州 グリ・ド・グリ」は鴨ロースまでも楽しめる懐の深さを持っていた。
と、シニア・ワインメーカーの藤野氏。たしかに、「笛吹甲州 グリ・ド・グリ」は鴨ロースまでも楽しめる懐の深さを持っていた。

日本庭園と日本ワインに共通するのは、調和の美しさ

ハイライトは、なんといっても「名勝 無鄰菴」での、チーフ・ワインメーカー安蔵光弘氏と、植彌加藤造園の無鄰菴担当庭師・出口健太氏との対談。
ここは七代目小川治兵衛の作庭で、山縣有朋の別邸だった場所。東山を借景とした小さな庭には琵琶湖疎水から引かれた小川が流れ、さりげない美しさが感じられる。
「日本庭園と日本ワインの共通性」をテーマにした対談は、日本庭園の”主張しない、調和の美しさ”を語りつつ、日本ワインの本質を明確に浮かび上がらせ、日本ワインへの理解を深めてくれた。
ここは七代目小川治兵衛の作庭で、山縣有朋の別邸だった場所。東山を借景とした小さな庭には琵琶湖疎水から引かれた小川が流れ、さりげない美しさが感じられる。
「日本庭園と日本ワインの共通性」をテーマにした対談は、日本庭園の”主張しない、調和の美しさ”を語りつつ、日本ワインの本質を明確に浮かび上がらせ、日本ワインへの理解を深めてくれた。
-
チーフ・ワインメーカーの安蔵光弘氏。
-
「名勝 無鄰菴」庭師の出口健太氏。
安蔵氏は「シャトー・マルゴー」の元総支配人で、「シャトー・メルシャン」の醸造アドバイザーでもあった故ポール・ポンタリエ氏との思い出をこう語った。
「ポンタリエさんを日本にお招きした時、『シャトー・メルシャン』のワインをいくつか試飲していただきました。私がポンタリエさんに『フィネス&エレガンスのあるワインづくりとは?』と尋ねると、『あなた方は日本人なのだから、日本庭園のようなワイン造りを目指しなさい」とおっしゃったのです。それはどういうことなのかとまた尋ねると、こう答えてくださいました。
「ポンタリエさんを日本にお招きした時、『シャトー・メルシャン』のワインをいくつか試飲していただきました。私がポンタリエさんに『フィネス&エレガンスのあるワインづくりとは?』と尋ねると、『あなた方は日本人なのだから、日本庭園のようなワイン造りを目指しなさい」とおっしゃったのです。それはどういうことなのかとまた尋ねると、こう答えてくださいました。
“グラン・ヴァンは日本庭園と同じだ。
ともに複雑で深みと調和がある。
小さなものが集まって全体に溶け込んでいる。
すべて統一がとれ、過剰なものがない。”
ともに複雑で深みと調和がある。
小さなものが集まって全体に溶け込んでいる。
すべて統一がとれ、過剰なものがない。”
私は、この言葉をずっと大切にしてきました」。
“私たちは、海外のワインと同じでなくてよいのだ”

その後、安蔵氏は、この言葉の本質を知るために、南禅寺御用庭師を170年続ける植彌加藤造園の加藤友規氏に会いに行った。そこで「日本庭園は『主張させない』ことに意識を使う」と言う話を聞き、ポンタリエ氏の言葉を心から理解したと話す。
「この言葉を知った時、“無作為の作意”という言葉を思い出しました。私たちは、海外のワインと同じものでなくていいのだと、晴れやかな気持ちになりました」。
「この言葉を知った時、“無作為の作意”という言葉を思い出しました。私たちは、海外のワインと同じものでなくていいのだと、晴れやかな気持ちになりました」。
この言葉を受けて出口氏が語る。
「庭師は、自然そのものの姿を大切にします。小さなところに手をかけながらも、出来上がった庭は、“まるで手を加えていないような、自然のあるがままの姿”を理想としています」。
「庭師は、自然そのものの姿を大切にします。小さなところに手をかけながらも、出来上がった庭は、“まるで手を加えていないような、自然のあるがままの姿”を理想としています」。
この時、ゲストが手にしていたのは「シャトー・メルシャン 椀子オムニス」。メルロとカベルネ・フランを主体に、カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたエレガントでしなやかな赤ワイン。
”オムニス”とはラテン語で「すべて」を意味し、椀子ヴィンヤードのすべてのポテンシャルを最大限に表現することを意味するというが、その調和のとれた味わいは、確かに日本庭園と共通する美しさが感じられた。
”オムニス”とはラテン語で「すべて」を意味し、椀子ヴィンヤードのすべてのポテンシャルを最大限に表現することを意味するというが、その調和のとれた味わいは、確かに日本庭園と共通する美しさが感じられた。

斬新だったのが和菓子とワインの組み合わせ。最初に和菓子を口にし、「シャトー・メルシャン 日本のあわ トラディショナル・メソッド トリロジー」を飲むと、和菓子の小豆本来の味が浮き立ってくる。“茶室でワイン”も風流だが、「シャトー・メルシャン」の革新的な一面を垣間見た。
-
クラシックな雰囲気の洋館で楽しんだのは「シャトー・メルシャン 桔梗ケ原メルロー シグナチャー ポン・デ・ザール 2013 木箱入り」(750ml\25,000)。シルキーな口当たり。
-
ポンタリエ氏との思い出を語る藤野氏。

最後に、古い日本建築を通り抜ける初夏の風に吹かれながら、ワインの余韻を楽しむ。”日本ワインの本質”に触れた贅沢な一日だった。


7月に東京でもスペシャルなイベントを開催
今回、京都で行われたような素敵なイベントが、この7月、東京でも行われる。内容は、ホテル椿山荘東京の「料亭 錦水」にて、名園 椿山荘の庭園とシャトー・メルシャンの世界観を現した日本画を眺めながら、シャトー・メルシャンの最高レンジ「アイコンシリーズ」全6品と、「料亭 錦水」がこの日のためだけに用意した特別な日本料理を楽しむという贅沢なもの。
勝沼ワイナリー、桔梗ヶ原ワイナリー、今年9月オープン予定の椀子ワイナリーから各ワイナリー長が集結、ワインの解説やこれからの挑戦について語る。1日限りの夢のようなイベントだ。
勝沼ワイナリー、桔梗ヶ原ワイナリー、今年9月オープン予定の椀子ワイナリーから各ワイナリー長が集結、ワインの解説やこれからの挑戦について語る。1日限りの夢のようなイベントだ。
* * *
シャトー・メルシャン3ワイナリー長と『アイコンシリーズ』全6品を
ホテル椿山荘東京の名亭「料亭 錦水」で味わう
■日時:2019年7月20日(土)11:00~13:30(受付開始10:30)
■料金:¥20,000(1人あたり/税込)※お食事代およびワイン代を含む
■定員:30名(先着順。定員になり次第締め切り)
■お申し込み、イベントについてのお問合せは下記メールアドレスまで
kikyo_tour@mercian.co.jp
シャトー・メルシャン3ワイナリー長と『アイコンシリーズ』全6品を
ホテル椿山荘東京の名亭「料亭 錦水」で味わう
■日時:2019年7月20日(土)11:00~13:30(受付開始10:30)
■料金:¥20,000(1人あたり/税込)※お食事代およびワイン代を含む
■定員:30名(先着順。定員になり次第締め切り)
■お申し込み、イベントについてのお問合せは下記メールアドレスまで
kikyo_tour@mercian.co.jp
詳しくは下記のウェブサイトにて。
https://club.chateaumercian.com/article/fun/topics/659
* * *
掲載されているワインについてのお問い合わせ/メルシャン ☎0120-676-757
7/20のイベントについてのお問い合わせ、お申し込みはメールにて。
kikyo_tour@mercian.co.jp
What's New
-
感動!Jマダム8人の“極上の旅” フランスで極上シャンパーニュに舌鼓、ドバイで異文化体験を満喫!
アラフィー女性たちの、国内・海外の旅スタイルや実際に泊まってよかったホテルをご紹介。次の旅行の参考に!
旅行&グルメ
2025年7月6日
-
アラフィー100人のリアルな声をお届け!「旅行」をテーマに出かける頻度や目的をリサーチ!
チームJマダムのブログでも大人気のテーマといえば、旅行。国内はもちろん、海外旅行の投稿も日に日に増えている様子。そこで今月は、旅行に出かけるペースやホテル選びのこだわりなど、アラフィー女性たちのリアルな旅行事情を徹底リサーチ!
旅行&グルメ
2025年7月5日
-
【絶対喜ばれる鉄板手みやげ vol.2】もらって本当にうれしかった!エクラ編集部エディター大絶賛のスイーツ5選
Vol.2はエクラの編集者たちがいただいて「これは本当にうれしかった」と語る逸品スイーツをご紹介。味、センス、心遣い――すべてを兼ね備えた名品の数々をお届けします。
旅行&グルメ
2025年7月4日
-
大人の夏旅にふさわしい沖縄離島(古宇利島・宮古島・石垣島)のラグジュアリーホテル5選
心地のよい波音を聞きながら、心も身体もゆるめたい、そんな願いに応えてくれるのが、沖縄離島に点在するラグジュアリーホテル。中でも「古宇利島」「宮古島」「石垣島」は、自然の美しさと洗練された滞在体験が共存する、大人にこそふさわしい旅先。
旅行&グルメ
2025年7月3日
-
【グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ】「地中海と日本の夏」をテーマにした夏メニューがスタート
革新的なイタリア料理を提供する東京・銀座の「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」。夏のテイスティングメニューのテーマは「地中海と日本の夏」。海、太陽、そして2つの国の料理の伝統と繊細な味わいの融合をぜひ堪能して!
旅行&グルメ
2025年6月27日
Magazine
Feature
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
大人のくすみ&しぼみ肌に必要なケアとは?
化粧水の代わりに毎日使える「化粧水フェイスマスク」で保湿!
-
大人を魅了!ピエール アルディの名品バッグ
名品「アルファ」バッグは上品カラーのエクラ別注品も見逃せない
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
50代が真似したいデニムスタイル
進化系“デニム・エレガント”でセンスアップ!
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき旬の服
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
50代におすすめの夏アイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
Ranking
-
涼やかでおしゃれ!50代が若々しく見える「夏のショートヘア」50選
気になる白髪もボリューム不足もアラフィー世代に似合うカットやカラー、パーマで立体感を出して、今どきのこなれ感と若々しさを手に入れて。
-
【50代に人気のヘアスタイル・髪型カタログ】おばさんにならない!ショート・ボブ・ミディアム・ロング別ヘアスタイル
白髪や髪のうねり、薄毛、パサつきなど40代、50代の気になる髪悩みを解消するおすすめヘアスタイルを提案。ショート、ボブ、ミディアム、ロング別ヘアスタイルから知っておきたい最新ヘアケア事情まで、おばさんぽ…
-
夏のおしゃれが楽しくなる!上品に映える50代の「ノースリーブ」6選
夏に着用したい「ノースリーブ」ですが、二の腕のムッチリやタプタプが気になってトライできないと感じる50代女性も多いもの。そこで、今回は二の腕が太く見えないノースリーブとおすすめコーディネートをご紹介♪
-
【50代のワンピースコーデ5選】シンプルになりすぎない!レイヤード&小物使いでこなれ感アップ
涼しくて着映え力抜群のワンピースは夏のおしゃれに欠かせないアイテム。一枚で着ても重ね着をしても素敵に決まる。今回は、そんなワンピースを使った40代・50代読者モデル・華組&チームJマダムコーディネートをご…
-
7月は何を買う?50代に似合う服が見つかる!最新ファッションコーデ・アイテムカタログ
50代女性におすすめの最新ファッションアイテムや話題の美容アイテム、毎日が楽しくなる生活雑貨など、今買うべきアイテムを厳選してご紹介。トレンドを上手に取り入れ、自分らしく上品なスタイルを叶えるファッシ…
Keywords