素晴らしい日本庭園を眺めながら、日本ワインを味わう……シャトー・メルシャン『Tasting Nippon』イベントレポート【飲むんだったら、イケてるワインWEB特別篇】

素晴らしい日本庭園を愛でながら、日本ワインを味わうーー。そんな夢のような企画が、「シャトー・メルシャン」のイベントとして6月1日に京都で行われました。これは、“日本文化を通じて日本ワインの本質を探る”という新しい試み。特別な日本料理と初夏の日本庭園に彩られた贅沢な時間をレポートします。
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日本ワインの本質とは何なのか。そんな哲学的な背景を探るイベントがこの6月に行われた。それが「シャトー・メルシャン『Tasting Nippon』特別限定企画 ㏌ 京都 夜の日本庭園『名勝 無鄰菴』でシャトー・メルシャンを味わう」だ。
その内容は、近代日本庭園の傑作といわれる「名勝 無鄰菴」と老舗料亭「瓢亭別館」で「シャトー・メルシャン」の数々を味わう、この上なくラグジュアリーなもの。加えて、チーフ・ワインメーカー安蔵光弘氏、シニア・ワインメーカーの藤野勝久氏、ワインメーカーの佐々木文平氏の解説つきという、ワイン好きにとっては夢のイベント。多くのワインファンが参加した。
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チェリーの風味がチャーミングな「日本のあわ マスカット・ベーリー A ロゼ」(720ml\2,160)。

「瓢亭別館」の料理と「シャトー・メルシャン」のマリアージュ

当日、参加者は無鄰菴に集合。思い思いに庭を散策した後、イベントはスタートした。
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左のボトルは、コクがあり、ドライなニュアンスの「シャトー・メルシャン 笛吹甲州グリ・ド・グリ2017」(750ml\2,380)。
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「瓢亭別館」の料理は、この日のために特別に用意されたもの。
意外な発見があったのは、やはりマリアージュ。

「瓢亭別館」では、最初、日本料理には爽やか系が来るかと想像していたが、登場したのは“ちょっとひと癖あり”のワイン。黒ブドウから造られ、タンニンのニュアンスを感じるロゼのスパークリングワイン「日本のあわ マスカット・ベーリーA」に明石鯛のお造りを合わせてみたところ、これがわさび醤油の辛さによく合う。やわらかなタンニンが、わさび醤油をまろやかにする印象だ。穴子寿司や湯葉などは抜群の相性を見せていた。

また、「これは万能!」と思ったのが、ふくよかな味わいで果皮由来のコクを感じる「笛吹甲州グリ・ド・グリ」。これは、いわゆる“オレンジワイン”と言われるスタイルで、白ワイン用のブドウを赤ワインの醸造方法で仕込んだワインのこと。

驚いたのが「瓢亭玉子」との相性のよさ。通常、卵料理、特に茹で卵はワインに合わせるのはなかなかに難しいが、「笛吹甲州 グリ・ド・グリ」はドライなニュアンスが卵のコクにしっかりと寄り添い、よりまろやかな味わいに。「瓢亭玉子」は江戸の昔から京都を訪れる旅人の疲れを癒してきた名物料理のひとつだが、歴史的な料理がワインとこんなに合うとは、と感動。
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清潔な空気が流れる店内。しつらいも美しい。
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シニア・ワインメーカーの藤野勝久氏。
「シャトー・メルシャンが目指してきたのは、日本人の食卓に合うワイン。甲州も、マスカット・ベーリーAも日本の固有品種ですから、日本料理に合うのは必然と考えています」

と、シニア・ワインメーカーの藤野氏。たしかに、「笛吹甲州 グリ・ド・グリ」は鴨ロースまでも楽しめる懐の深さを持っていた。
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「名勝 無鄰菴」。東山を美しく見せるため、樹木はU字型に刈り込まれている。これも“無作為の美”。一般公開もされている。

日本庭園と日本ワインに共通するのは、調和の美しさ

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無鄰菴の新緑を背景に対談が始まる。
ハイライトは、なんといっても「名勝 無鄰菴」での、チーフ・ワインメーカー安蔵光弘氏と、植彌加藤造園の無鄰菴担当庭師・出口健太氏との対談。

ここは七代目小川治兵衛の作庭で、山縣有朋の別邸だった場所。東山を借景とした小さな庭には琵琶湖疎水から引かれた小川が流れ、さりげない美しさが感じられる。

「日本庭園と日本ワインの共通性」をテーマにした対談は、日本庭園の”主張しない、調和の美しさ”を語りつつ、日本ワインの本質を明確に浮かび上がらせ、日本ワインへの理解を深めてくれた。
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    チーフ・ワインメーカーの安蔵光弘氏。

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    「名勝 無鄰菴」庭師の出口健太氏。

安蔵氏は「シャトー・マルゴー」の元総支配人で、「シャトー・メルシャン」の醸造アドバイザーでもあった故ポール・ポンタリエ氏との思い出をこう語った。

「ポンタリエさんを日本にお招きした時、『シャトー・メルシャン』のワインをいくつか試飲していただきました。私がポンタリエさんに『フィネス&エレガンスのあるワインづくりとは?』と尋ねると、『あなた方は日本人なのだから、日本庭園のようなワイン造りを目指しなさい」とおっしゃったのです。それはどういうことなのかとまた尋ねると、こう答えてくださいました。
“グラン・ヴァンは日本庭園と同じだ。
ともに複雑で深みと調和がある。
小さなものが集まって全体に溶け込んでいる。
すべて統一がとれ、過剰なものがない。”
私は、この言葉をずっと大切にしてきました」。

“私たちは、海外のワインと同じでなくてよいのだ”

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(左)「シャトー・メルシャン 椀子オムニス 2015」(750ml\15,000)、(右) 「シャトー・メルシャン 城の平オルトゥス 2013」(750ml \18,000)。
その後、安蔵氏は、この言葉の本質を知るために、南禅寺御用庭師を170年続ける植彌加藤造園の加藤友規氏に会いに行った。そこで「日本庭園は『主張させない』ことに意識を使う」と言う話を聞き、ポンタリエ氏の言葉を心から理解したと話す。

「この言葉を知った時、“無作為の作意”という言葉を思い出しました。私たちは、海外のワインと同じものでなくていいのだと、晴れやかな気持ちになりました」。
この言葉を受けて出口氏が語る。

「庭師は、自然そのものの姿を大切にします。小さなところに手をかけながらも、出来上がった庭は、“まるで手を加えていないような、自然のあるがままの姿”を理想としています」。

この時、ゲストが手にしていたのは「シャトー・メルシャン 椀子オムニス」。メルロとカベルネ・フランを主体に、カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたエレガントでしなやかな赤ワイン。

”オムニス”とはラテン語で「すべて」を意味し、椀子ヴィンヤードのすべてのポテンシャルを最大限に表現することを意味するというが、その調和のとれた味わいは、確かに日本庭園と共通する美しさが感じられた。
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茶室では「シャトー・メルシャン 日本のあわ トラディショナル・メソッド トリロジー 2014」(750ml\6,000)と和菓子のマリアージュを体験。“トリロジー”は「3」を意味し、甲州、シャルドネ、ピノ・ノワールの3品種をブレンド。
斬新だったのが和菓子とワインの組み合わせ。最初に和菓子を口にし、「シャトー・メルシャン 日本のあわ トラディショナル・メソッド トリロジー」を飲むと、和菓子の小豆本来の味が浮き立ってくる。“茶室でワイン”も風流だが、「シャトー・メルシャン」の革新的な一面を垣間見た。
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    クラシックな雰囲気の洋館で楽しんだのは「シャトー・メルシャン 桔梗ケ原メルロー シグナチャー ポン・デ・ザール 2013 木箱入り」(750ml\25,000)。シルキーな口当たり。

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    ポンタリエ氏との思い出を語る藤野氏。

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夜の庭は幻想的な美しさ。
最後に、古い日本建築を通り抜ける初夏の風に吹かれながら、ワインの余韻を楽しむ。”日本ワインの本質”に触れた贅沢な一日だった。
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ろうそくに照らされた無鄰菴から夜の庭を眺める。「シャトー・メルシャン 岩出甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ 2017」(750ml\3,200)はグレープフルーツの香りが際立ち、爽やかな初夏の夜風とマッチ。
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シャトー・メルシャンの3つの産地をテーマに描かれた日本画は、今年9月にオープンする椀子ワイナリーに飾られる予定。新進気鋭の日本画家・武田裕子さん作。

7月に東京でもスペシャルなイベントを開催

今回、京都で行われたような素敵なイベントが、この7月、東京でも行われる。内容は、ホテル椿山荘東京の「料亭 錦水」にて、名園 椿山荘の庭園とシャトー・メルシャンの世界観を現した日本画を眺めながら、シャトー・メルシャンの最高レンジ「アイコンシリーズ」全6品と、「料亭 錦水」がこの日のためだけに用意した特別な日本料理を楽しむという贅沢なもの。

勝沼ワイナリー、桔梗ヶ原ワイナリー、今年9月オープン予定の椀子ワイナリーから各ワイナリー長が集結、ワインの解説やこれからの挑戦について語る。1日限りの夢のようなイベントだ。
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シャトー・メルシャン3ワイナリー長と『アイコンシリーズ』全6品を
ホテル椿山荘東京の名亭「料亭 錦水」で味わう

■日時:2019年7月20日(土)11:00~13:30(受付開始10:30)
■料金:¥20,000(1人あたり/税込)※お食事代およびワイン代を含む
■定員:30名(先着順。定員になり次第締め切り)
■お申し込み、イベントについてのお問合せは下記メールアドレスまで
kikyo_tour@mercian.co.jp

詳しくは下記のウェブサイトにて。
https://club.chateaumercian.com/article/fun/topics/659

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掲載されているワインについてのお問い合わせ/メルシャン ☎0120-676-757
7/20のイベントについてのお問い合わせ、お申し込みはメールにて。
kikyo_tour@mercian.co.jp

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