【春の京都グルメ】わざわざ食べに行きたい“名店のこの一皿”

京都にはその季節ごとの魅力あふれるグルメが満載。春のごちそうといえば、野山の滋味をギュッと閉じ込めた苦味と香り。今しかないひと皿を味わいに、京都へ足を運んでみませんか?

【室町和久傳】

古い町家のたたずまいにモダンな趣を取り入れた空間、野趣の味わいに独自の洗練を加えた料理が人気の料亭「和久傳」。春の名物のひとつ、牛肉の花山椒鍋は丹波地方の鶏鍋をヒントにアレンジしたのが始まり。肉のうま味や甘味をピリッとした香りの花山椒が引き立て、スープも飲み干せる絶妙の味かげんだ。食感のよい雄花の花山椒、口に含むとすべるように溶けだす京都産黒毛和牛の平井牛、かつおだしとテールスープを合わせただしの三味がひとつとなり、春の野趣味を奏でる。

もうひとつの名物が筍の炭火焼き。京都北西部の大原野産を用い、料理長の松本進也さんが毎朝農家に出向いて吟味し、厳選している。「アクがないのでぬかを使わずにゆがき、焼いて独特の甘味を引き出し、軟らかさも味わってもらえます」。ピークには1㎏超えの大筍が登場し、春の滋味を堪能できる。

牛肉はフィレは塩で、サーロインはたっぷりのだしで味わう

牛肉は、フィレは塩で、サーロインはたっぷりのだしで味わう。

丸のまま30分ほど焼き上げる筍

丸のまま30分ほど焼き上げる筍。

松本進也料理長

割烹の自在さを取り入れた料理をライブ感たっぷりに提供する松本進也料理長。

花山椒は口当たりのよい雄花を使い、鍋は4~5月に楽しめる

花山椒は口当たりのよい雄花を使い、鍋は4~5月に楽しめる。

皮をむいて焼き色をつけ、しょうゆの漬け焼きにした筍

皮をむいて焼き色をつけ、しょうゆの漬け焼きにした筍。とうもろこしのように甘くて香ばしく、天ぷらやごはんなども味わえる。

堺町通沿いにある町家を改装したお店

堺町通沿いにある町家を改装したお店。

調理風景を楽しめるカウンター

調理風景を楽しめるカウンターや庭を借景にするテーブル個室などがあり、茶菓席やおもたせを販売する「紫野和久傳堺町店」を併設。

●DATA

京都市中京区堺町通御池下ル東側

☎075・223・3200

11:30~13:30(入店)、17:30~20:00(入店) 

㊡火曜 昼¥11,000、夜¥22,000~、蟹のコース(11月~3月)¥44,000(すべて税・サ込) 要予約 

撮影の料理は夜の¥22,000~のコースでいただけ、昼も同額のコースで楽しめる

【美山荘】

町中から北へ30㎞。山深い里・花背に百二十余年続く「美山荘」は京都の奥座敷として知られる料理旅館。一年を通して野山や川の幸を楽しめ、春は本領発揮ともいえる山菜や香草を存分に味わえる。自家山菜農園や近郊の農家で摘んだものを合わせると50~60種類がそろい、「菜籠」は春の野山をそのまま表現したかのような美しさ。ふきのとう、うるい、タラの芽、のびるなどをていねいに下処理して作ったあえ物や酢漬け、田楽などを盛り込み、春独特の香りと苦味がひと籠に凝縮される。

筍は1月から使いはじめ、4月、5月がピークに。「大きさも食感も出はじめと終わりでは違うので、月ごとに調理法を変えています。ぐんと大きくなる4月は焼いて食感を楽しんでもらいます」とご主人の中東久人さん。焼きたての筍に唐墨をのせた、贅沢な仕立てに、思わず歓声が上がる。

ふきのとう白あえ、うるい甘酢ゼリー寄せ、タラの芽田楽、のびる甘酢漬けなどを盛った「菜籠」

¥25,000のコースから。ふきのとう白あえ、うるい甘酢ゼリー寄せ、タラの芽田楽、のびる甘酢漬けなどを盛った「菜籠」。

山野草を知りつくす、中東さん。

山野草を知りつくす、中東さん。

白筍のたれ焼き・唐墨焼き

白筍のたれ焼き・唐墨焼き。

里山の四季のうつろいを料理やしつらいで描き出す料理旅館

里山の四季のうつろいを料理やしつらいで描き出す料理旅館。

筍は洛西エリアの向日市・物集女産

筍は洛西エリアの向日市・物集女産。皮つきのまま焼いた筍はえぐみがなく、ほのかな甘味が感じられる。筍料理は月によって内容が変わる。

¥25,000のコースから

●DATA

京都市左京区花背原地町大悲山375 

☎075・746・0231 12:00~19:00(入店) 

㊡毎月2日間不定休、12/26〜1/1 

昼夜とも食事だけの利用ができ、¥15,000~ 宿泊¥45,000~(税・サ別) 要予約

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