コレステロールの基準値には「2種類」あり!健康診断表はここをチェック【アラフィーのコレステロール値】

アラフィー世代の正しいコレステロール値のとらえ方&向き合い方を、女性医療に詳しい天野恵子先生が解説。今回は、健康診断表でチェックすべきコレステロールの項目をご紹介します。
お話をうかがったのは
静風荘病院特別顧問 天野惠子先生

静風荘病院特別顧問 天野惠子先生

同病院の女性内科・女性外来担当。性差医療研究の第一人者。著書は『女性の「コレステロール」「中性脂肪」はこうして落とす!』(PHP研究所)など。

気になるコレステロール。健康診断表はここをチェック!

検査項目 2020年4月 2019年4月








肝機能 AST(GOT)
ALT(GPT)
γ-GTP
26
30
14
22
23
13
脂質 総コレステロール
LDLコレステロール
HDLコレステロール
non-HDLコレステロール
中性脂肪

259
165
76
183
60

248
153
80
168
81
尿検査 (-) (-)








(イメージ例)

用語の解説

《総コレステロール》

LDLやHDLコレステロールなどを合計した血液中のコレステロールの総量。総コレステロール値が高くても、善玉のHDLが多ければ、悪玉のLDLは少なくなるので、あまり心配することはない。

《LDLコレステロール》

悪玉と呼ばれるコレステロール。基準値より高いと「高LDLコレステロール血症」で、脂質異常症とされる。ただ、女性の場合は高LDLコレステロール血症は心筋梗塞の危険因子とされていない。

《HDLコレステロール》

善玉と呼ばれるコレステロール。基準値より低いと「低HDLコレステロール血症」という脂質異常症。LDL値が高い人より、HDL値が低くて中性脂肪値が高い人のほうが病気になるリスクが高い。

《non-HDLコレステロール》

総コレステロール値からHDLコレステロール値を引いた値で、動脈硬化のリスクを総合的に管理できる指標。日本動脈硬化学会の基準値は170㎎/dLで、これ以上なら「高non-HDLコレステロール血症」。

気になる様々なコレステロール

コレステロールの基準値には2種類あり、より女性の体の変化に則した基準値も

日本動脈硬化学会基準値

  男女共通
総コレステロール 140〜149㎎/dL
LDLコレステロール 60〜119㎎/dL

日本人間ドック学会基準値

  女性 男性
総コレステロール 30〜44歳=145〜238㎎/dL
45〜64歳=163〜273㎎/dL
65〜80歳=175〜280㎎/dL
151〜254㎎/dL
LDLコレステロール 30〜44歳=61〜152㎎/dL
45〜64歳=73〜183㎎/dL
65〜80歳=84〜190㎎/dL
72〜178㎎/dL

例えば…

55歳女性

・総コレステロールが260㎎/dL

LDLコレステロールが150㎎/dL

新基準内では正常範囲内!

コレステロールの基準値は、日本動脈硬化学会と日本人間ドック学会で異なり、後者のほうが基準値が高く設定されている。例えば総コレステロール値が260㎎/dL、LDLコレステロール値が150㎎/dLの55歳女性の場合、日本動脈硬化学会の基準では脂質異常症だが、日本人間ドック学会の基準では正常の範囲内と診断される。
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