人気料理研究家・有元葉子&くるみ親子が紹介!美味しさとセンスあふれる「高知」の魅力
ここ数年、料理研究家・有元葉子さんが夢中になっている高知。「さわやかな香りがずっとしている」森と海の南国を、地元在住の次女・くるみさんがナビゲート!
①「春の花」を雅に味わう『榧工房 かやの森』
有元さんも愛用する「榧の木のまな板」をはじめ、榧の魅力を多くの人に知ってもらうための品々をつくって販売している『榧工房 かやの森』をピックアップ。
幻の“榧のまな板”が高知にハマるきっかけでした
私の高知好きは、5年前に高知へ移住した次女のくるみに「おいしいものがたくさんあるし、とにかく来て」と誘われたのが始まりです。出かけてみると本当に魅力にあふれた土地でした。
例えばこんなことがありました。大好きな県立牧野植物園を最初に訪れたときのこと。ミュージアムショップで“榧(かや)の木のまな板”という商品ボードを発見。実物はなくて写真と説明だけでしたが、この“榧”という字にピンときたのです。
以前、榧の油を使用する神田の天ぷら屋さんへ行ったことがあります。風味豊かで体によく、なにより希少で貴重だと知っていたので、その油がとれる“榧”が高知にあるの? しかもまな板!? と色めきたってしまいました。
探しました。榧製品の仕掛け人は市内の大きな種屋さん。ご主人の前川穎司さんは榧の木に惚れ込んで、『榧工房 かやの森』を主宰。日本で絶滅の危機に瀕している榧を育てると同時に、「榧の魅力を多くの人に知ってもらいたい」と碁盤やまな板、実から搾る油などをつくって販売しています。
私も『榧工房 かやの森』で念願のまな板を購入。これがとてもよいのです。シナモンのようなとてもいい香りがして、刃当たりが柔らかく、傷がつきにくく、乾きがとても早い。
榧は成木になるまでに、なんと300年もかかるそうです。81歳の前川さんは遠い未来の榧の森を夢見て、高知の山あい30カ所に約30万本を植えている。なんて素敵な夢なのでしょう!
「榧のまな板はすばらしい使い心地。天然の抗菌作用もあるそうです。菜箸もおすすめ」
イチイ科の常緑針葉高木である榧は「頑丈で美しく、昔から仏像の彫刻材としても使われる高級銘木。実も根っこもすべて役立つえらい木です」と前川さん。まな板、実からとる食用油や香水などの榧製品は、高知市内の工房で見られるほか、奥さんの美智子さんが日曜市にも出店。ネットでも購入可能。
②太陽、海、風、自然の中の放し飼い卵『いちえん農場』
四万十川の河口にほど近い海の間近の高台にある『いちえん農場』は、レモンや小夏などの柑橘を栽培しながら卵の販売もしている自然の農園。大自然の中を放し飼いで走りまわる鶏たちが産む卵は、卵独特の匂いもクセもなく、とても気持ちのいい美味しさと有元さんが話すほど。
レモン農場を走りまわる土佐ジローの卵にぞっこんです
「すごくおいしい卵があるよ」とある日、くるみから届いた『いちえん農場』のかわいらしい卵。
実は私は卵の白身が苦手で、卵かけごはんが食べられないのですが、この放し飼いの卵だけは別。黄身が大きくて濃厚で、化学農薬や薬剤を使用していないせいか、卵独特の匂いもクセもありません。とても気持ちのいいおいしさなのです。
『いちえん農場』は四万十川の河口にほど近い海の間近の高台にあり、レモンや小夏などの柑橘を栽培しているところ。除草の目的で土佐ジローという品種の鶏を飼いはじめたところ、大自然の中を放し飼いで走りまわる鶏たちが、小ぶりながらもとてもよい卵を産んでくれる。そこで卵の販売も始めたという微笑ましい話です。
先祖から受け継ぐ海のそばの山を切り開き、ハチミツや栗や炭までつくる農場長の一圓信明さんは、生きる力にあふれている人。「ぜひ会わせたい」と娘にもいわれていて、次の高知旅で必ず訪ねるつもりです。
『いちえん農場』のすぐ近くには、人気(ひとけ)のないきれいなビーチも。「この環境に感謝よね。海からの風と太陽と草木と土。気持ちのいい場所にいれば、人間も農作物も鶏も健康でいられる。うちは家族経営で、卵を産んでくれる鶏もパートナー。みんなで無理せず楽しく生きていけるだけのお金があればいい。売り上げを伸ばそうと欲出さんほうが、ストレスもないしラクちん」と一圓信明さんは笑う。
「狭い空間に閉じ込めると鶏は汚くなる。その点、うちの鶏はきれいでしょ」と一圓さん。鶏舎にはまだ温かい産みたての卵が。「私も友人たちもみんな、朝食は卵かけごはん。塩で食べるのがおすすめです。土佐ジローの卵のおいしさがよくわかる」とくるみさん。
美しい山に柑橘や栗の木が茂り、蜜蜂を育てる箱が置かれ、土佐ジローの鶏舎がポツン、ポツンと点在する。鶏舎の扉を開ければ、鶏たちが自由に走りまわって草をついばむ。まるで楽園としかいいようのない自然の農園。卵も柑橘も電話やネットで購入可能。
③太陽と仁淀川のきれいな水で育つ柑橘『みかん家 にしごみ』
イタリア原産の柑橘として知られる「ベルガモット」をはじめ、季節によって温州ミカン、文旦などを栽培し販売する『みかん家 にしごみ』。太陽と仁淀川のきれいな水で育つ柑橘を堪能しに思わず足を運びたくなる、その魅力をたっぷりとお届けします。
有元くるみ
料理家、デザイナー。’14年、キッチン道具とサーフボードを積んだキャンピングカーで西日本をまわる旅で高知の魅力にとりつかれ、翌年移住。高知の食を紹介する活動も展開。
高知産ベルガモット! 夢のように素敵な香り!
高知の話をしていて、「高知にはベルガモットもあるのよ」というと、誰もが「えっ、ベルガモットですか!」と興味津々な顔になります。
紅茶のアールグレイの香りづけに使うことで知られるベルガモットは、イタリア原産の柑橘。でも、実物は私も高知で初めて見ました。グレープフルーツを小ぶりにしたようなきれいな果物で、丸のままでもうっとりする特別な香り。香水の原料にもなるだけあって、どこか気品のある匂いです。
柑橘農家である『みかん家 にしごみ』の西込浩一さんは、たぶん日本で初めてベルガモットの栽培に成功したかた。べルガモットの貯蔵庫を見せてもらったくるみがいいます。
「倉庫の扉を開けただけで、ほかの柑橘とは違う鮮烈でさわやかな香りがたちこめて、癒されるよう。西込さんに教えてもらったのだけれど、ベルガモットの皮を切り取って、内側の白い部分を外側に押し出すようにカーブさせると、表側の皮からシューッとそこいらじゅうに香りのミストが広がるの。すごく素敵な天然の芳香剤です」
実の部分はおいしくないといわれるベルガモットですが、西込さんのものは実もフレッシュでなかなかの風味。少し苦味があるレモンの感覚で、お菓子や料理にも使えます。文旦、ポンカン、温州みかん、小夏、はるか、ブラッドオレンジ、ベルガモット……。高知は南イタリアみたいな柑橘の宝庫。どこか憧れの異国の空気が漂っていて、だから無性に出かけたくなるのです。
日がポカポカと当たる気持ちのいい山の斜面にある『みかん家 にしごみ』の柑橘園。みかんの栽培に適した石灰質の土壌で、仁淀川の美しい水とたっぷりの太陽、家族や仲間の手作業で、さまざまな種類の柑橘がていねいに育てられている。柑橘園から車で10分ほどのところに販売所や貯蔵庫がある。
秋から冬は看板商品の温州みかん、冬から春は土佐文旦、初夏は小夏などを出荷。ベルガモットは2月ごろから収穫され、最初はグリーン、のちに黄色い皮になり、それぞれに香りが異なるのも魅力。店頭販売あり。電話やネットでの注文も可。
④草花を隣人に感じられる場所『高知県立牧野植物園』
料理研究家・有元葉子さんが素敵と話す「高知県立牧野植物園」は、四季折々の草花はもちろん、園の中の牧野富太郎記念館も素晴らしい、魅力溢れる植物園。3000種類以上の植物と、“日本の植物分類学の父”と称される牧野富太郎の生涯や本人が描いた植物図も拝見できる贅沢な空間は、時間を忘れて一日中過ごしてしまいそうなほど。
魅せられる展示と草花と。植物と対話する知の世界へ。
牧野富太郎という植物学者のことは「名前を聞いたことがあるかな」という程度の認識でした。緑豊かな山の中にある牧野植物園を訪れるまでは。
この植物園は素敵です。四季折々の草花がすばらしいことはもちろん、私がひときわ惹かれるのは、園の中にある牧野富太郎記念館です。まず、建築家の内藤廣さんによる建物がすばらしい。高知県産の杉や檜をたくさん使って、ゆるやかにカーブした建物は、植物の有機的な力の流れを表現しているそう。建物の内側を開放して、外の自然と一体になった造りで、そこに立つだけで、なんともすがすがしい気持ちになります。
中に展示されているのは、“日本の植物分類学の父”と呼ばれる牧野富太郎博士の生涯や、画才もあった博士の手による見事な植物図など、美しくて思わず引き込まれるものばかり。一日中いられそうな感じです。
記念館には牧野博士が収集した膨大な植物標本の一部なども収められていて、植物の特徴や産地や年代によって、過去から将来へとつながる自然世界のさまざまな研究がなされているとか。150年以上前に高知に生まれた牧野博士の偉業が、未来へとつながっている場所なのです。そのことに感動させられます。
もちろん、広大な植物園も魅力的。森や林の中を散策している間に、さまざまな植物が目にとまるような、自然な雰囲気です。もっとも、私は「これは食べられそうね」「これもおいしそう」なんて、つい口にしてしまって、いつもみんなに笑われるのですが。
牧野富太郎は幼少時から高知の山野の草花に魅せられ、独学で植物の知識を身につけた。94年の生涯で収集した標本は約40万枚。新種や新品種など1500種類以上の植物を命名。標本や美しい植物図は記念館で見ることができる。「植物園は特に5月が最高。熱帯植物の生い茂る大きな温室も見どころです」とくるみさん。
山の起伏を生かした約8haの園地には、植物を愛し、自らを“草木の精”と称した牧野富太郎ゆかりの野生植物など3000種類以上が。有元さんが榧のまな板の存在を知ったミュージアムショップも充実の品ぞろえ。
⑤人里離れた山に自生する芳しいお茶『国友農園』
『国友農園』の国友昭香さんが研究を重ねて生み出したという「りぐり山茶」は、本当に香りが良いと有元さんもうっとり。くるみさんが訪れて分かった『国友農園』の魅力をご紹介。
岩山の急斜面にこんもりと、緑濃いお茶の木が自生する幽玄な景色。その山道にしつらえた東屋で、素敵なバティックを敷いて、骨董の茶器でお茶をいれてくださる。“このかたはただ者ではない……”と『国友農園』の国友昭香さんに惚れ込んだ瞬間でした。
かつてアパレル業界にいたという国友さんは、生家を継いで林業と土木事業を主軸とする国友商事の代表に就任すると、同時に山茶づくりをいちから始めた人。「昔からこのあたりに自生していた香り高いお茶を、もう一度蘇らせたいと思って」10年間研究し、化学肥料はいっさい使わず、無農薬で山茶を育てることに。手作業の釜炒りなど昔ながらの手法でつくられる国友農園の「りぐり山茶」は、本当にうっとりする香りのよさ。5煎目ぐらいまで楽しめる、繊細でありながら力強いお茶です。
りぐり山茶の中でも有元さんのお気に入りは「風蘭香」(30g)、「宙」(50g) 各1,080円。「香りがすばらしく、ちょっと台湾のお茶を思わせる風味」。国友さんは農園を訪れる客人を山の上の古民家に招き、お茶や地元の素朴な総菜をふるまう、おもてなしの名人。
土佐弁で「りぐる」とは「こだわる」の意味。国友さんの「りぐり山茶」は、自生する茶樹を香り高いお茶に仕上げるべく、古書を取り寄せ、日本・中国・台湾の産地を訪ねて研究した、まさにこだわりのお茶。電話注文、ウェブで購入可。
⑥絶景の工房で手漉き和紙体験や宿泊も『Washi Studio かみこや』
四万十川源流にある『Washi Studio かみこや』は、手漉き体験のほか、宿泊もできる。有元さんも、工房を営むロギール・アウテンボーガルトさんの漉いた渋柿の和紙を、器の下に敷いたり自宅の壁に飾ったりしているそう。
四万十川上流の里山でコウゾやミツマタを育て、和紙の手漉(す)きをしているのがロギール・アウテンボーガルトさん。母国のオランダの製本工房で和紙と出会い、「何も書かれていないのに、紙の奥に見えるものがある」と感動。日本全国をまわった末に「原材料をはじめ、和紙の基本のすべてがそろっている」高知に定住したのです。
私は和紙工房『かみこや』で、ロギールさんの漉いた柿渋の和紙を求め、器の下に敷いたり、自宅の壁に飾ったりして目を喜ばせてもらっています。
国友さんもロギールさんも、昔からの高知の産物や叡智を現代に伝えるセンスよき使者。生き方に憧れます。
四万十川源流にある山あいの工房では、作品販売や手漉き和紙体験のほか、手漉き和紙を内装に使った部屋で一日1組限定の宿泊もできる。牧野富太郎記念館には、牧野博士ゆかりの植物を漉き込んだロギールさん作の照明が使われているのでお見逃しなく。
『かみこや』の宿泊客は地元のジビエのロースト等を楽しむことも。土佐手漉き和紙とヨーロッパ伝統のコットンペーパーの技術を合わせる作品もあり「この和紙の淡いブルーは、江戸時代の藍のきものを使って出しています」とロギールさん。
⑦地元の人で超満員の小さな名居酒屋『にこみちゃん』
有元さんがおすすめの高知の居酒屋としてあげる『にこみちゃん』は、アットホームな雰囲気もさることながら、20代前半から和食の世界にいる店主の河原崎真大さんの作るおつまみにファンが多いとのこと。地元の人で日々賑わう人気店の魅力をご紹介します。
くるみも彼女の友だちもみんなサーファーで、「いい波があるから」と高知へ移住した人たちもいます。波乗り以外の彼らの興味は〝安全でおいしい食〟。
自分たちも畑をやったり、繁忙期に農家へお手伝いにいったり。そうして食を通じて地元に溶け込み、地元の人たちも彼らを受け入れている。そこには高知の人たちのおおらかさと、それから“お酒”の力も大きいと思うのです。
女性も最初から座って一緒に飲めるように、前菜からデザートまで大皿に盛り合わせた皿鉢(さわち)は高知名物。“飲めば友だち”で宴会で仲よくなり結婚、というパターンも少なくないそう。そんな土地柄ですので、高知の居酒屋文化は奥深く。私も初めて体験して、高知では娘たちと居酒屋へ行く楽しみも。
いい店がたくさんありますが、ひとつあげるとしたら『にこみちゃん』。すぐに満席になってしまう小さな店の、端っこの席が私は好き。そこに座って一杯やりながら、店主の河原崎真大さん自作のコンパクトで機能的な厨房に感心したり、彼が手ぎわよく料理する姿を眺めているのは幸せな時間です。
コの字形カウンターの壁ぎわ、「ママはここが好きなのよね」と有元さんの“指定席”に座るくるみさん。明るく笑い、しゃべり、飲む地元の人たちに紛れて、ゆずビール380円でのどを潤し、豚はらみのみそ漬け2串280円を頰張るのは旅の至福の時間。
アットホームな雰囲気もさることながら、20代前半から和食の世界にいる店主の河原崎真大さんの作るおつまみにファンが多い。厚揚げの葉にんにくの酢みそがけ420円。
名物の煮込み430円。
高知市はりまや町2の14の10
【TEL】088・882・0253
17:30~23:00(22:00フードLO、22:30ドリンクLO)
【休】月曜、第1・第3日曜 ※当日のみ予約可
⑧高知の旬の素材を堪能できる割烹『壱昇』
居酒屋でなくても、高知の店は驚くほどリーズナブル。地元出身のお茶の先生に教えていただいた『壱昇』は、鰹や青さのりなど旬の恵みを堪能できるお店。
広々とした白木のカウンターで、旬の素材の持ち味を生かした和食を味わえる。有元さんのお茶の先生をはじめ、地元の名士やおいしいもの好きが通う店でありながらリーズナブル。京都の割烹料理店『一よし』などで腕を磨いた小笠原昇司さんが4年前に開店。
「5月の初鰹は刺身で、秋の戻り鰹は脂がのっているのでたたきで食べるのがおすすめです。四万十の生の青さは天ぷらで、美しい緑の色も味わっていただきます」と小笠原さん。鰹の刺身1人前1300円、四万十青さのり天750円(写真は1/2ポーション)
高知市廿代町17の6ニットービル2F
【TEL】088・824・1505
18:00~23:00(22:30LO)
【休】日曜
⑨名物の蒸し寿司、田舎寿司も必食『はりまや橋 寿し柳』
街中のはりまや橋にある『寿し柳』では新鮮なお魚もさることながら、野菜ばかりを使った高知名物の田舎寿司も、板前さんが作るので洗練された格別なおいしさです。
筍やかんぴょうを寿司めしに混ぜて、高知名産の練り物やていねいに炊いた野菜などの具をのせ、うずらの卵を落として蒸す「蒸し寿司」830円。冬の高知の名物だが、今や作る店が少なくなっている。寿し柳では秋(10月)から春(5月)ごろまで提供。
街の中心部にある老舗寿司店。新鮮な寿司や刺身のほか、蒸し寿司などもあるのがうれしい。日曜市をのぞいたあとのお昼にうってつけ。野菜やこんにゃくを具にした高知名物の田舎寿司450円は、季節の柑橘を使う酢めしの香りよさに感動。
-高知の食材で“この2皿”-
有元くるみ’s Recipe
①長太郎貝のパエリア
「高知はとにかく新鮮で美味しい食材がいっぱい!」。ホタテの仲間のカラフルな貝と高知野菜をたっぷり使った「長太郎貝のパエリア」のレシピを、有元葉子さんの次女・くるみさんがレクチャー。
「海や川の幸に恵まれた高知では、東京あたりでは見かけないものもたくさんあります。長太郎貝は小さなホタテのようでおいしく、オレンジや紫色の貝殻の色も魅力。殻ごとパエリアにすれば、豪華なごちそうに。ちなみににんにくはうちの畑でつくった自家製、野菜たちも全部高知産です」
ホタテの仲間のカラフルな貝と、地元野菜たっぷりで by 有元くるみ
《この食材で!》
地元で長太郎貝の呼び名で親しまれているのは、ホタテの一種であるヒオウギ貝。「もちろんホタテやアサリなどで代用しても」。高知県宇佐の西村水産という貝専門店で購入。
●2〜3人分
長太郎貝……6個
なす(8mm厚切りを焼いておく)……1本分
赤ピーマン(厚めの輪切り)……2個分
スナップえんどう(さっとゆでておく)……適量
イタリアンパセリ(粗みじん切り)……適量
米……2合
白ワイン……1/2カップ
スープストック……300ml
オリーブオイル……適量
にんにく(薄くスライス)……1片分
塩、こしょう……各適量
玉ねぎ入りトマトソース……1カップ
パプリカパウダー……適量
作り方
1.米は研ぎ、水気をきっておく。
2.蓋つきの厚手の鍋に、にんにくとオリーブオイルを入れて弱火にかける。にんにくが焦げないように注意して。
3.にんにくのよい香りがしたら、1の米を加えて混ぜる。中火にして白ワイン、スープストック、塩、こしょうを加えてさっと混ぜたあと、トマトソースを加えて蓋をする。
4.蓋のすき間から少し蒸気が上がってきたら弱火にして、長太郎貝、赤ピーマンを並べて蓋をする。
5.米が軟らかくなるまでときどき様子を見る。炊き上がり近くなったら焼いたなす、ゆでておいたスナップえんどうを加えて仕上げる。イタリアンパセリ、パプリカパウダーをふってできあがり。
有元葉子’s Recipe
②レモンカスタード
「高知はとにかく新鮮でおいしい食材がいっぱい!」。そう語る有元葉子さんが、高知の食材を使ったお気に入りのレシピをご紹介。土佐ジローの濃厚な卵黄で作る「レモンカスタード」は、甘酸っぱくて香りのよい初夏のデザートにぴったり!
とろりとしてなめらかで、しっかりとコクがあるわが家のカスタードクリーム。子供たちのおやつにもよく作りました。土佐ジローの濃厚な卵黄で作ると格別。レモンの皮を加えてレモンカスタードにすれば、甘酸っぱくて香りのよい初夏のデザートに。レモン1/2個をスプーンでくずしながらながらいただく“うちのレモンティー”と一緒にどうぞ。
土佐ジローの濃厚な卵黄で作るとたまらないおいしさ by 有元葉子
《この食材で!》
『いちえん農場』で放し飼いで育つ土佐ジローの卵、同じ農場の無農薬レモンを使って。「土佐ジローの卵は小さいので卵黄5個を6個に増やしても」。
●4人分
薄力粉……60g
コーンスターチ……15g
グラニュー糖……125g
牛乳……21⁄4カップ
卵黄……5~6個分
バター(食塩不使用)……大さじ2
生クリーム……200ml
グラニュー糖……すりきり大さじ4
レモンの皮……2個分
サンドイッチ用の食パン……適量
作り方
1.ボウルに薄力粉、コーンスターチ、グラニュー糖を入れ、泡立て器でよく混ぜる。牛乳を2回ぐらいに分けて少しずつ加え、泡立て器でよく混ぜたら、ザルでこす。
2.大きめのボウルに1を入れ、中火弱〜中火にかけ、絶えず泡立て器で底を焦がさないようにかき混ぜる。下からぷくっと気泡が上がってきたらいったん火から下ろし、卵黄を加えてよくかき混ぜる。再び同様に火にかけよくかき混ぜ、気泡が上がってきたらバターを加えて混ぜ、火から下ろす。熱がとれたら生地にラップをぴったりとはって冷ます。
3.生クリームにグラニュー糖を加え、角が立つほどに泡立てる。レモンは皮をすりおろす。
4.2に3の生クリームを2回に分けて加え混ぜ、レモンの皮も加えて混ぜる。
5.サンドイッチ用の食パンをすき間なくきっちり並べて、4のレモンカスタードをたっぷりのせ、もう1枚のパンでサンドする。よく切れる包丁で食べやすく切る。
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