蓮の花咲く、朝の上野へ。

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「ある日の事でございます」。

『蜘蛛の糸』の単純な書き出しは、なかなかどうして一生ものの味わいがあります。

居ずまいを正したくなるようなあの語り手は、いかなる存在か。極楽なので、ボサボサ頭の作者ではありますまい。琳琅たる声を持ち、顔はきれいなお姉さんで、鳥の翼と脚を持つ迦陵頻伽でしょうか。

『蜘蛛の糸』の初出は、鈴木三重吉主宰の児童雑誌『赤い鳥』の創刊号。1918年7月1日発刊となっていますから、あるいは蓮の花咲く季節を意識したのかもしれません。蜘蛛の巣が目立つようになるのも夏の頃でしょうか。

そんなことを考えながら、お釈迦さまが極楽の蓮池のふちを独りでぶらぶらお歩きになるような体で、先日、私も不忍池での蓮見を楽しんで参りました。

蓮見の後に朝食、そして午前中にもうひとつふたつ立ち寄りどころがあれば、なかなか美しい上野散策の流れが出来上がります。『蜘蛛の糸』を初出体裁で読んでみたくなった方は、東京藝大お隣の、国際子ども図書館(※現在、時間を区切って先着整理券入場式)の児童書ギャラリーへどうぞ。復刻版を手にとることができます。読了後は、滋賀県・湖北エリアの観音像がお出ましになっている「びわこ長浜 KANNON HOUSE」にも足を運んでみてください。

さすれば、ここらでもうお昼近くでございましょう。
(編集B)

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