新酒の季節がやってきた! 進化したボジョレー・ヌーヴォーに注目を【飲むんだったら、イケてるワイン/WEB特別篇】

ワイン好きになればなるほど、「ここ何年かボジョレー・ヌーヴォーを飲んでいない」という人は多いのではないだろうか。「味わいが水っぽくて……」と敬遠されることもしばしば。だが、今やそれは昔の話。実はここ10年ほどで、ボジョレー・ヌーヴォーは大きく進化しているのだ。
ボジョレー・ヌーヴォーのぶどう畑
©Inter Beaujolais
チェリーやスミレのような華やかな香りと果実味豊かな味わいに驚かされるはず。進化の理由は、第一に醸造技術の向上にある。ボジョレー・ヌーヴォーは、大きなタンクにブドウを次々と入れて、その重さで潰れた下方のブドウ果汁が自然に発酵を始める「マセラシオン・カルボニック法」で造られるが、この技術が格段に進歩しているのだ。加えて、世代交代によって若く熱意のある生産者が次々と登場していることや、ブドウ畑の管理もより細やかになされるようになったことが、“おいしい進化”に繋がっているのだ。
ボジョレー・ヌーヴォーのぶどう
©Inter Beaujolais
ボジョレー・ヌーヴォーとは、フランス・ブルゴーニュの南に位置するボジョレー地区で生産されるワインのことで、その年に収穫したブドウの味わいがストレートに反映されていることから、地元では収穫を祝うお祭りとしても楽しまれている。解禁日の11月第3木曜日(日付が変わった午前0時)には「乾杯!」の声が響き渡る。日本では、時差の関係で世界で一番早くボジョレー・ヌーヴォーを楽しめることから、バブルの時期には大ブームとなったほどだった。ここまで日本にボジョレー・ヌーヴォーが受け入れられた根底には、“新酒を寿ぐ”という日本古来の精神が、私たち日本人のどこかにあったからかもしれない。
実は、日本は“ボジョレー・ヌーヴォー大国”でもある。日本に輸入されている銘柄の種類が多いだけでなく、フランスでも手に入らない生産者のものまで日本に入っているという。“ボジョレーの帝王”と称された故・ジョルジュ・デュブッフ氏は、新酒の時期になるとほぼ毎年日本を訪れ、輸入されている銘柄を集めて試飲を行っていたほど。彼はこよなく日本を愛しており、解禁日には時々ふらりと街中のレストランやワインバーを訪れ、そこにいる人々と一緒にワインを楽しんだこともあるという。日本におけるボジョレー・ヌーヴォー人気の裏には、そんなエピソードも隠されていたのだ。
ボジョレー・ヌーヴォーのぶどう畑
©Inter Beaujolais
また、ボジョレー・ヌーヴォーの大きな魅力は、料理との親和性が高いところにもある。使用されているガメイという品種は、ベリーやスパイスの香りを持ち、タンニンもきちんとある。そのタンニンもヌーヴォーでは軽やかに抽出されるため、フレッシュ感とほどよいコクを合わせもった味わいに仕上がるのだ。チーズやシャルキュトリで軽くアペリティフ、サラダやパスタと合わせて週末ランチ、中華や和食などと合わせてディナーなど、多彩なシーンで料理をランクアップしてくれるのだ。
2020年のボジョレー・ヌーヴォーの出来は最高
©Inter Beaujolais
今年の解禁日に1本を選ぶなら、まずは長く第一線でボジョレー・ヌーヴォーに取り組んできた大手生産者の、それも“ワンランク上のもの”だろうか。前述した“技術の向上”が明確にわかる上、味に飲んでほっとする安定感がある。ほかには、自然派の先駆者「マルセル・ラピエール」や「フィリップ・パカレ」、新樽の魔術師「ドミニク・ローラン」などもお勧めだ。
現地からは、「2020年の出来は最高!」という声も届いている。今年は、久しぶりにボジョレー・ヌーヴォーを開けて、ゆったり“おうち時間”を楽しんでみてはいかがだろうか。冬の華やかな季節への素敵な幕開けとなるはずだ。
ジョルジュ・デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2020 オーガニック

ジョルジュ・デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2020 オーガニック

1964年ボジョレーに設立。創設者のジョルジュ・デュブッフ氏はボジョレー・ヌーヴォーを世界に広めた立役者。有機ブドウで造られ、繊細な香りとまろやかで凝縮感のある果実味が魅力。

750ml¥2,780(参考価格)/サントリーワインインターナショナル

(フリーダイアル)0120-139-380(お客様センター)

アルベール・ビショー ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2020

アルベール・ビショー ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2020

1831年創立、6代に渡る家族経営で、自然環境を大切にし、テロワールに忠実なワイン造りを実践。ボジョレー地区北部の優良な畑のブドウで造られる。ラズベリーやブラックチェリーの香り。芳醇で軽やかな果実香が心地よく、やわらかなタンニンが印象的750ml¥3,000(参考価格)/メルシャン

(フリーダイアル)0120-676-757(お客様相談室)

ルイ・ジャド ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール ノンフィルター 2020

ルイ・ジャド ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール ノンフィルター 2020

由緒あるブドウ農家としての歴史を有するジャド家が1859年にボーヌに設立。ブルゴーニュ有数の大ドメーヌで、テロワールを大切にしたワイン造りを行う。ノン・フィルター(無濾過)で瓶詰め、ブドウ本来のうまみが感じられる。ブラックベリーやほのかな樽香。凝縮感のある果実味。

750ml¥3,600/日本リカー

TEL03-5643-9770

メゾン・ジョセフ・ドルーアン ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィ―ニュ2020

メゾン・ジョゼフ・ドルーアン ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィ―ニュ2020

1880年設立、140年に渡り家族経営を貫く生産者。ブルゴーニュでも広大なブドウ畑を所有するメゾンのひとつで、自社畑はすべてビオディナミ。バラやラズベリー、リキュールなど華やかな香りをもち、酸味と果実味のバランスも秀逸。

750ml¥4,000/三国ワイン

TEL03-5542-3939

ドメーヌ・ドミニク・ピロン ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2020

ドメーヌ・ドミニク・ピロン ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2020

ボジョレーのモルゴン村で16世紀から続く老舗。現当主のドミニク・ピロン氏はボジョレーワイン委員会の会長を務めるなど、地元で信頼厚い人物。自社畑の樹齢50年以上の畑やレニエ村の花崗岩と砂の土壌の畑など、多彩なブドウで造られる。複雑味があり、ミネラルも豊か。

750ml¥2,800/アルカン

TEL03-3664-6591

取材・文/安齋喜美子

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