【ブータン、幸せの国のラグジュアリー】心が喜ぶ、豊かな時間を過ごす

ヒマラヤの小さな王国ブータンでは、伝統文化が保たれ、平和と調和を願う人々は、自然に寄り添う暮らしを続けている。「国民総幸福量」を尊ぶ国の幸せな時間を味わうために、コモ ホテルズ アンド リゾーツの2つのホテルをめぐる、5泊の旅に出かけてみた。

本当の幸せとは何か、を体感するヒマラヤの王国へ

飛行機の窓から、ヒマラヤ山脈の最高峰エベレストが見えてくると、機内に少し高揚した気分が満ちてくる。ブータン唯一の国際空港があるパロまでは、もうすぐだ。飛行機が標高3000mの谷間すれすれに旋回しながら着陸する際には、ちょっとどきどきする。空港に到着して、滑走路から、徒歩で空港施設へと向かうと、出迎えてくれるのは伝統建築の意匠を取り入れた美しい建物と国王一家の肖像。ブータンの旅は、始まりから期待を裏切らない。

今、世界の旅慣れた人々が目ざすのは、時間がかかるし費用もややハードルが高いけれど、それだけ旅人を満足させてくれる目的地。

自然が美しく、その土地の歴史や伝統文化が保たれ、地域社会とのかかわりを大切にしている場所を訪れることこそ、ラグジュアリーな旅だといえる。

そんな目的地のひとつとして注目されているのが、ブータン王国。ヒマラヤ山脈の東端に位置する小さな国は、「国民総幸福量(Gross National Happiness)」を国の政策の中心に据えている国。人々の幸福感や環境保全を重視し、伝統的な建築や暮らしを大切にする国では、訪れる人も真の豊かさとは何か、幸せとは何かについて考えずにはいられない。

険しい山々が続くブータンでは、名もなき絶景がいくつも見つかる。早朝のプナカ渓谷を流れる雲は、まるで龍のよう。丘の上のカムスム・ユーレイ・ナムギャル・チョルテンは、国王の母堂が世界平和を願って建設した塔

険しい山々が続くブータンでは、名もなき絶景がいくつも見つかる。早朝のプナカ渓谷を流れる雲は、まるで龍のよう。丘の上のカムスム・ユーレイ・ナムギャル・チョルテンは、国王の母堂が世界平和を願って建設した塔

ヒマラヤ山脈の東端で、悠久の時をゆったりと刻む天空の王国へ。美しい伝統建築や壮大な自然、人の優しさに、ふっと心が動く

首都ティンプーの「タシチョ・ゾン」は、ブータンの政治と宗教の中心。釘を使わない伝統的な建築技法で建てられた建物だ。ここでは国王や役人、僧侶が執務をしているため、見学できるのは平日の夕方以降か休日のみ

首都ティンプーの「タシチョ・ゾン」は、ブータンの政治と宗教の中心。釘を使わない伝統的な建築技法で建てられた建物だ。ここでは国王や役人、僧侶が執務をしているため、見学できるのは平日の夕方以降か休日のみ

水田が広がるパロの町。道端には牛がのんびりと草を食んでいて、なんとものどかな雰囲気。 世界でも特に離発着がむずかしいとされるパロ国際空港は、町の中心部にある。彼方に連なるのは、標高約5500m級のヒマラヤの山々

水田が広がるパロの町。道端には牛がのんびりと草を食んでいて、なんとものどかな雰囲気。世界でも特に離発着がむずかしいとされるパロ国際空港は、町の中心部にある。彼方に連なるのは、標高約5500m級のヒマラヤの山々

「平和と調和」を祈る風に吹かれながら奥地へ進む

国際空港があるパロは、のどかな田園風景が広がる谷あいの町。コモ ホテルズ アンド リゾーツの2つのホテルをめぐる5泊の旅では、まず、パロから車で約1時間の首都ティンプーを経て、さらに4時間ほど曲がりくねった山道を移動しながらプナカを目ざす。

途中、政治と宗教の中心となる建物「ゾン」や祈りの塔「チョルテン」などの伝統的な建造物を訪れるのが楽しい。標高約2400mに位置するティンプーでは、博物館やショップなど観光客向けの施設に足を運ぶこともできる。ブータンでは、外国人は専属ガイドと車をチャーターすることが必須。

ドライブしながら、彼らが教えてくれる地元の暮らしぶりも興味深いし、なにより、川沿いに続くパノラミックな渓谷の景色や農村の様子がのどかで美しい。天候がよければ、途中、標高3150mのドチュ・ラ峠で、ヒマラヤ山脈のパノラマを望むこともできる。道端のあちらこちらにはためく5色の経文旗「ルンタ」には、仏教に基づく平和と調和への祈りが、風に乗ってあまねく世界中に広がるようにという想いがこもる。清らかな風を身に受けていると、天界に近い別世界に来た実感がわく。至るところで、ピースフルな気持ちに満たされるのがブータンの旅だ。

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