造り手はフランソワーズ・ベデルさん。自家栽培のブドウでシャンパーニュを造るレコルタン・マニピュラン(小規模生産者)として活躍していたが、息子のヴァンサンが病気になり、それがホメオパシーによって癒されたことから世界の見方が変わった。自然なワイン造りを志し、’90年代にいち早くビオディナミに転換したのだ。今ではビオディナミの第一人者として尊敬を集め、息子とともに、元気に仕事に取り組んでいる。
このシャンパーニュの魅力のひとつは、ムニエを主役にしていること。ブレンド用に脇役として使われることが多いが、優雅でピュア、芯の強さを感じさせる。果実味がふくよかなので、肉料理とも好相性。イメージするのは“頼れる美しき母”で、家族がそろう食卓にこそふさわしい。だから、うれしいことがあった日は、ちょっとおしゃれにシャンパーニュ・ディナーを。コルクを開けた瞬間、温かな空気に満たされるはずだ