かつては「果実味が濃厚」といわれたスペインワインだが、ここ10年ほど、栽培には過酷な“忘れられた土地”の樹齢の高いブドウを使って「ブルゴーニュに比肩する」と評されるワインを造る生産者が続々登場、一気に世界の舞台へと躍り出たのだ。このワインも、そんな新しいムーブメントから生まれた“ニューフェイス”で、さわやかなハーブの香りが心に残る。醸造家はスペイン初の女性のマスター・オブ・ワイン(ワイン資格の最高権威)、アルムデナ・アルベルカさん。40代前半の笑顔の素敵な女性だ。チャレンジングな姿勢が、自国の文化を掲げて世界を目ざすデザイナーを思わせる。
料理なら、やはりスペインらしくピンチョスと。伝統文化とともに軽やかに、新しい風を感じてみたいのだ。進化するワインは、自分の中の新しいパワーに気づかせてくれる。花を咲かせるのは、きっとこれから。さあ、自分に喝を入れなくては!