渋谷に来たら、龍角散。

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前回の投稿の「観音もなか」くらいの比率で、同じく細長いものを。渋谷駅前にある「龍角散ダイレクトスティック」の屋外広告です。

細長い(あるいは厚みのない)ビルの屋上看板を逆手にとったアイデアが実に秀逸。数年前から気になっていましたが、渋谷駅を利用するのはたいてい早朝ロケの待ち合わせ。珍しく快晴の日中に来てみれば、青空に映える個包装がとてもリアルでした。

しかし、めでたしめでたしでは終わりません。このJR渋谷駅ホームからの眺めも、早晩失われることでしょう。現在、駅改良工事の一環で、2~4番ホーム北側の線路上には自由通路の柱や梁が組まれています。見え方が理想的だった2番線・山手線内回りホームからの眺めは、すでに損なわれました。新しい湘南新宿ライン・埼京線のホームから撮ったのが上の写真ですが、上屋が完成すればここも絶望的でしょう。

「そんなのどこからでも見られるじゃないか」というのは至極もっともなようですが、物事はそう単純ではありません。2枚目の写真は、スクランブルスクエアから。見下ろしてしまっては情緒に欠けます。それにわざわざ見に行くというのもちょっと違う。心が無防備になる列車待ちの時間に、ふと目に入るというのが大事です。

そして、ビルの屋上と鉄道駅のホーム、大きく細い看板とちっぽけな人間、ちょうどいい距離感といった絶妙な関係性によって、いい時も悪い時も見守られているような心持ちになってくる。単なる宣伝物なのに、何やら尊さまで感じてしまうほど。うかつに咳ができない今などは、余計にしみじみと見上げてしまいます。

最後の夜景は1番ホームから。なお、自由通路完成後もホーム北端まで行けば、大きく仰ぎ見ることはおそらく可能です。
(編集B)

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