街なかから車で30分を要する八瀬まで足をのばすならば、この地で得た安らぎをより深く感じ、再生する滞在をしてみては。3月にオープンした『moksa』はそんな問いかけに応えてくれる宿。瑠璃光院からさらに奥まった静寂の地にあり、これまでの京のホテルにカテゴライズされない新しいかたちの滞在ができる。
八瀬を感じ、疲れた心身を清め、解放、そして再生できる宿
moksa
歴史ある保養の地で自然、サウナ、食、お茶ざんまい
『moksa』とは梵語で「解脱」や「解放」の意。現代の暮らしに疲れた身と心を清め、生まれ変わるような体験をしてもらいたいという思いがこめられている。一歩中に入ると、ミニマルでナチュラルな空間が広がり、現代作家のアートや周辺の自然が温かく包み込んでくれる。滞在はフロントに隣接する「帰去来(ききょらい)」でお茶をいただきながら気をめぐらせることから始まる。
部屋や庭園でゆっくり過ごすのもいいが、おすすめは完全予約制のプライベートサウナ「蒸庵(じょあん)」。八瀬のかま風呂という日本最古の蒸湯文化を受けてつくられた施設で、サウナ愛好家の間で聖地と称される『サウナしきじ』の娘、笹野美紀恵氏が監修。そのことを知って訪れたゲストの中には1泊で全サウナを体験した人もいるそう。
心身のリセットはレストラン「MALA」でも体感でき、八瀬に伝わる小原女から着想したという薪焼きと大原の野菜はいずれも味わい深く、期待を裏切らないおいしさだ。
心身を清めた古人のごとく、豊かな自然や土地の力を取り込む八瀬で、新しい京都の楽しみが見つかるはず。
雄大な自然に包まれ、ホテルから瑠璃光院までは徒歩2〜3分。比叡山にも近く、叡山ケーブル八瀬駅からケーブルカーを乗り継いで山頂まで行くことができる。1時間程度で往復できる大原までのハイキングもおすすめ
「帰去来」のカウンターでは季節やゲストの体質、体調に合わせたお茶を提案。京都『小慢』の台湾茶を中心に、客室には八瀬の「hahahaus」の養生茶をおく。
スイーツはお茶をじゃましない和洋のお菓子が用意される。
プライベートサウナ「蒸庵」は八瀬の小原女文化を象徴する炭をイメージした「炭蒸」など、全3室。
サウナ室と水風呂に炭を使い、全サウナの水風呂は比叡山の地下水を使用
大原の厳選した食材と新鮮な野菜を中心に、プリミティブな薪火料理を楽しめるレストラン「MALA」。カウンター、テーブル席、個室があり、料理でも心身を内外から蘇らせる体験ができる。
夕食のメインは「京赤地鶏・赤玉ねぎ・トマト」のほか、近江牛フィレ肉を選ぶことも(+¥12,000)。食事中のドリンクも宿泊代に含まれる
色とりどりの生や火入れした野菜を塩麹やにんじんドレッシングで味わうひと皿。
選りすぐりの調度品や器を置く、自然素材に包まれたロビー。
朝食は写真の和朝食、湯葉とゆずのお粥がメインの養生朝食、洋朝食の3種類。ごはんや味噌は大原産、平飼いたまごは宇治のものを使い、おかわり自由。
客室は全31室。高野川と日本庭園に面した部屋がある
Data
京都市左京区上高野東山町65
☎075・744・1001 1泊2食つき(ホテル内の飲み物、夜食を含む)¥77,000〜(2名1室利用時)
プライベートサウナ「蒸庵」は完全予約制。1組90分利用で¥13,200〜(最大3名)。