経済の状況を知るには何を見たらいいの?専門家がおすすめ情報収集ツールを紹介【お金の教室・後編】

物価も上がり、円安の話題も気になる昨今。私たちの老後資金はどうなるのか心配…。でもお金のことってどうやって調べたらいいの? そんなお金のお悩みを抱えたJマダム®の4人が経済アナリスト・森永康平さんに質問!
教えてくれた人
金融教育家・経済アナリスト 森永康平さん

金融教育家・経済アナリスト 森永康平さん

金融教育ベンチャーの株式会社マネネCEO。証券会社等を経て、現職。複数のベンチャー企業のCFOや監査役も兼任。著書に『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ』(あさ出版)や父・森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(KADOKAWA)等。
生徒たちはこちら
A子

A子

47歳。研修講師。小6の子供と夫の3人家族。「30代後半で出産し、まだまだかかる教育費に悩む日々」。
B絵

B絵

51歳。教室主宰。夫とふたり暮らし。「お金についてよくわからないことだらけで、不安でいっぱいです」。
C代

C代

48歳。企業の広報担当。夫とふたり暮らし。「母親が高齢で、遠くにひとり暮らし中。今後の住まいやお金が心配」。
D美

D美

51歳。自営業。夫と成人した子供2人の4人家族。「夫の定年が近く、老後資金問題がかなり切実……」。

今はネットの情報もあふれていて、経済の状況を知るのに、何を見たらいいのかわかりません……――D美

D美 経済の勉強はどうしたらいいでしょうか? ついついネットを見てしまいますが……。

森永 ネットの記事や動画は手軽ですが、玉石混淆なんです。間違った情報もあるので要注意ですね。

C代 私も夫が見ているYouTubeを横からのぞくと「この話、大丈夫?」って思うことも(笑)。

老後の備え

正しい情報を手に入れれば収入アップにもつながる

森永 おすすめは新聞や書籍です。細かい校閲チェックがありますし、興味のない内容にも触れられることで視野が広がるんです。

B絵 読んでみよう……。経済の動きを見るために、知っておいたほうがいいデータはありますか?

森永 おもしろいのは、総務省が毎月発表する「家計調査」(※1)です。私たちが何にお金を使っているかがわかり、例えばコロナ禍で売れなくなった美容アイテムもあるけど、アイシャドウの売り上げは変わっていないということもわかります。

D美 確かにマスクしていると、アイメイクは大事(笑)!

森永 あとはスーパーマーケット協会の「スーパーマーケット白書」(※2)も。’20年に売れたのは、納豆やキムチ、ヨーグルトだそう。

B絵 発酵食品……!

森永 はい。最初はコロナのことがみんなよくわからず、発酵食品がいいんじゃないかと売れたんです。’21年はプロテインや麦芽飲料などが売れました。これはコロナ太りの影響かと……(笑)。


A子 あはは、わかります(笑)。

森永 政府などが出す“一次情報”は、加工されていない点もいいですね。世の中の動向がわかれば仕事に役立ちますし、収入アップにもつながります。投資との両輪で資産を増やしていきたいですね。

(※1)家計調査

総務省統計局が毎月発表し、家計の収支が細かくわかる。森永さんのおすすめは、実態に近い消費動向がわかる「住居等を除く消費支出」や、季節や社会習慣による変動が考慮された「季節調整値」という項目。

(※2)スーパーマーケット白書

一般社団法人全国スーパーマーケット協会が年1回発表し、PDFファイルで見られる。スーパーでそれぞれの月にどんなものが売れたかというデータのほか、来客数や客単価平均、ポイントカード導入率もわかる。

森永さんからのアドバイス

一般の人が上げているYouTube動画など、ネットの経済情報は、玉石混淆なので注意が必要。おすすめは新聞や書籍。また、国が出しているデータ、例えば「家計調査」なども参考になりますよ。

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