「メゾン マム」をご存じだろうか。1827年の創業以来、伝統と革新を融合させて進化しつづけ、英国王室をはじめ各国の王室から愛されてきたシャンパーニュの名門。F1レースのシャンパンファイトで知ったかたも多いかも。その哲学は「Only the Best~最高のシャンパーニュだけを~」。時を越えて育て上げられてきた最良のものの中でも、注目されるのは最高級レンジ「RSRV」シリーズだ。
「RSRV」とは、選ばれし者の証
「RSRV」は、「Réservée(レゼルヴ)」の文字を略して名付けられた。長い間、市場に流通しないメゾンの秘蔵品だったが、2016年に一般市場に登場。シャンパーニュ・ラバーをわかせたのは記憶に新しい。
「RSRV」の物語は1838年に始まる。この年、メゾンは傑出したシャンパーニュに「RSRV」の識別コードをつけた。それは、メゾンでのみ保管し、親しい友人や愛好家、美食家たちへ送るため。「Réservée(予約済み)」の意味をもつ特別なシャンパーニュが生まれた瞬間だった。メゾンはこの最高級ランクのシャンパーニュを、数量限定ながら一般にも10年前から販売を開始。エチケット(ボトルのラベル)は、力強いアルファベットに、格調の高さを感じさせるデザイン。独特な意匠は、VIPたちへ贈る際、カードの右端を折って添えていたことに由来する。
「メゾン マム」が所有する218haのブドウ畑は、主にシャンパーニュ地方で最も高品質なブドウを生産する8つの村、アイ、ブジー、アンボネ、ヴェルジー、ヴェルゼネ、アヴィズ、クラマン、マイイにある。そのうちの160haがグラン・クリュと呼ばれる特級畑だ。
「RSRV」には、このグラン・クリュからさらに厳選された30haの畑から収穫されたブドウのみを使う。しかも、ピノ・ノワールとシャルドネの2種類の品種だけを使用する徹底ぶり。ピノ・ノワールは、シャンパーニュの味わいの骨格を、シャルドネは風味の輪郭をつくり上げるといわれている。シャンパーニュ地方の光り輝く土地の恵み=テロワールを写し取ったような至高の味わいは、この特別なブドウから生まれてくるのだ。
原料であるブドウを大切に育てるだけでなく、貴重なテロワールを守り、次世代に継承するため、メゾンは新しい試みにも取り組んでいる。約10年前から土壌の力を取り戻す「再生型栽培」に移行。ライ麦やクローバー、そら豆などを畑に植え、土の中の微生物を活発化させることで通気性や保水性を高めるなど、自然の循環を生かした土壌づくりは、地球の未来にも光が見えてくるようだ。
また、その造り方は、まさに「サヴォアフェール」(匠の技)。収穫したブドウは、数時間以内に少量ずつ圧搾。低温発酵や熟成法に工夫を凝らし、フレッシュさと複雑味、クリーミーな質感を表現する。すべてグラン・クリュ由来のワインを個別に見極めながらアッサンブラージュ(ブレンド)し、3〜10年にわたって長期熟成させることで、RSRVらしい奥行きのある味わいを生み出している。
RSRVシリーズは5種類。
(左から)
「RSRV ブラン・ド・ブラン2016」クラマンのシャルドネの魅力を余すところなく表現した一本。/「RSRV 4.5」4年の熟成と5つの村のピノ・ノワールとシャルドネをアッサンブラージュし、見事な調和が生まれている。/「RSRV キュヴェ ラルー 2013」最良の年にのみ、少量しか生産しない限定品。きわだった個性と豊かなアロマ。1960年にこのキュヴェが誕生して以来、リリースされたヴィンテージはわずか13回。/「RSRV ブラン・ド・ノワール2018」ピノ・ノワールの力強さを、繊細で躍動感あるニュアンスで表現。/「RSRV ロゼ フジタ」メゾンと親交の深かった画家・藤田嗣治のバラの模様がボトルを彩る。ふくよかな味わい。
ガストロノミックなシーンで愛される至高のシャンパーニュ
中でもこの夏に楽しみたいのが、「RSRV 4.5」。メゾンの8つの村のうち、選ばれた5つの村の特級畑で育ったピノ・ノワールとシャルドネをブレンド。5つの村のテロワールを、4年間の熟成を経て見事にバランスのとれた複雑味のある味わいとして表現している。
東京・青山一丁目の『STELLAR WORKS Restaurant & Bar』では、「RSRV 4.5」をバイ・ザ・グラスで楽しめる。「オールマイティな『RSRV 4.5』はどんな料理にも合いますね。これからの暑い季節にさわやかな味わいを楽しめる、当店のシグネチャー『塩レモンと帆立貝のリゾット』を合わせてはいかがでしょう。互いの味わいを高め合う組み合わせです」と三浦源シェフ。美しいレモン色のリゾットには、塩漬けにした小田原産レモンの皮を加え、酸味よりほろ苦さをきわだたせている。上にのせた帆立貝柱はミキュイ(半生)に仕上げ、貝の出汁をリゾットにも使う。レモンのほろ苦さ、帆立の甘味とうま味、「RSRV 4.5」のふくよかさが互いをいっそう引き立て合う。
RSRVを目当てに訪れたい『STELLAR WORKS Restaurant & Bar』
スタイリッシュで、タイムレスなものづくりで進化しつづけるファニチャーブランド「STELLAR WORKS」。ショールームのインテリアデザインは、ニューヨークの人気デザインユニット「Roman & Williams」によるもの。真鍮とオークウッドなどの異素材を絶妙に組み合わせ、モダンでぬくもりのある空間をつくり上げている。そのショールームを併設しているレストランが『STELLAR WORKS Restaurant & Bar』。実際に配置している「STELLAR WORKS」の家具の使い心地を体感しながら、空間と料理も楽しめるクロスカルチャーの新たな発信拠点にもなっている。
フレンチの名料理人・入江誠シェフがレストランという空間を多面的に体感できるようにプロデュース。料理長を務めるイタリアン出身の三浦源シェフが新しいスタイルの地中海料理を考案している。オリーブオイルやスパイス&ハーブ、柑橘類などを多用し、フランス、イタリア、中東、アフリカとさまざまな要素をミックス。その技を駆使し、洗練された味を提供している。緑豊かな赤坂御所に面したテラス席でもRSRVシリーズが楽しめる、都心では希少な隠れ家的存在。唯一無二の地中海料理とシャンパーニュのペアリングを目当てにこれからの季節、ぜひ訪れたい。
DATA
東京都港区北青山1の2の3 青山ビルディング2F
☎︎03·3423·2025
レストラン 11:30~15:00、17:30~22:00(月曜のみ17:30~22:00)
スタンディングバー 17:30〜23:00
ザ・バー 20:00〜23:00
休/日曜、祝日
https://stellarco.jp
Instagram(@stellarworks__restaurant)
問い合わせ/ペルノ・リカール・ジャパン ☎︎03·5802·2671
撮影/山下みどり 取材・文/北村美香