50代会社員のお悩み「ホルモン補充療法で心身の不調が緩和しません」【50代のお悩み相談】

女性なら誰にも訪れる更年期のアップダウンと上手に付き合うヒントを、産婦人科医の高尾美穂さんがアドバイス! 気持ちの浮き沈みが激しく、なかなか改善しない心身の不調。対処法を教えてもらいました。

お悩みに答えてくれたのは

産婦人科医  高尾美穂さん

産婦人科医 高尾美穂さん

たかお みほ●医学博士。日本産科婦人科学会専門医。婦人科スポーツドクター。女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。’03年にヨガと出会い指導者の資格を取得。ライフステージに合った治療を提示する。

【お悩み】ホルモン補充療法をしていますが、症状が緩和している気がしません。

気持ちにも波があり、心療内科もあわせて通院しています。無理せず過ごすようにしたら、少しはよくなった気もするのですが、いつまでこの状態が続くのでしょうか。(50歳・会社員)

Answer
ホルモン補充療法は足りなくなったエストロゲンを補う治療なので、ベースでは多少よくなっているはずですが、不調のすべてが改善するわけではありません。

漢方でもホルモン補充療法でも、やめてみたら症状が悪化して、実は効いていたことを実感する、という声をよく聞きます。心療内科のお薬と併用して、様子をみましょう。

更年期は、閉経をはさむ前後5年の約10年間。心身の不調はホルモン分泌のアップダウンが原因で、なかでも自律神経失調の症状が強く出るのは閉経の前後3、4年とされています。アップダウン期を抜けると女性ホルモンはほぼゼロになり、更年期症状は少し緩和されるかもしれませんが、乾燥や疲労感、睡眠障害、骨密度の低下など、低空飛行は続きます。

ですから、ホルモン補充療法で少しでも症状が抑えられているなら、リスクである血栓症と乳がんの検査を健康診断などで受けながら何歳まででも続けることが可能です。

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