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アラフィー女性の下半身のお悩み「尿漏れ」「陰部の不快」「痔」の原因と対策
尿漏れや頻尿に、陰部のかゆみ・ニオイ、性交痛、痔と、50歳前後になると増える“シモ”の不調。人に相談しづらい悩みだけに、ひとりで悶々と悩んでいる人も多いのでは!? そんな不調の原因と対策を専門医が解説。正しいケアで症状を軽く!
【医師監修】閉経を迎えるアラフィー世代「これって閉経のサイン?」「閉経したらどうなるの?」基礎知識と不調の対策まとめ
【目次】
閉経について正しく理解する
閉経前の生理が乱れる仕組み
①そもそも閉経ってなんですか?
高尾美穂先生
実はきちんと理解できていない人も
アンケートを見ていると、閉経について正しく理解していない人は意外と多いようだ。まずは、閉経とは何かを、産婦人科医の高尾美穂先生に教えていただいた。
まずは言葉の意味をしっかりCHECK!
《閉経》
月経が永久に停止した状態。月経がこない状態が12カ月以上続いたときに、1年前を振り返って閉経と判定。
《更年期》
閉経をはさんだ前後5年、合計10年間。女性なら誰でも訪れる一定の期間のことをさす。
《更年期症状》
更年期に現れるホットフラッシュ、のぼせ、イライラなどのさまざまな症状をさす。
《更年期障害》
更年期症状の中でも、日常生活に支障があるものをいう。
年齢による女性ホルモン(エストロゲン)の変化
成熟期 (基準値) |
更年期 (閉経前) |
閉経 | |
女性ホルモン エストロゲン(E2) |
10~1000 pg/ml |
30 pg/ml以下 |
10 pg/ml以下 |
「エストロゲンを出せ」信号 卵胞刺激ホルモン(FSH) |
3~20 mlU/ml |
35 mlU/ml以上 |
40 mlU/ml以上 |
生理がこなくなって12カ月たったら「閉経」
まず知っておきたいのが閉経の定義。
「女性の体では、女性ホルモンのエストロゲンが分泌されることで排卵が起き、毎月生理がきます。でも、加齢とともに卵巣機能が低下していくと、エストロゲンの分泌量は減っていき、40歳以降になると急激に減少します。そして最終的に卵巣機能が終了し、エストロゲンの分泌量がゼロになると、排卵が起こらず生理がこなくなり、12カ月生理がこなかった場合を閉経と見なします。最後に生理がきたときが“閉経年齢”となるので、“あのときが閉経だったんだな”とあとからわかるわけです」
気になるのは、閉経が近づくと起こる、さまざまな生理の状態の変化。
「エストロゲンはなだらかに減っていけばいいのですが、アップダウンを繰り返しながら減っていくので、閉経前は経血量がすごく多くなることもあれば、すごく少ないときもあったりします。また、40歳以降の女性の40%に子宮筋腫があるとされ、筋腫がある場合はさらに経血量が増え、生理時に紙オムツをしないといけないほどになるケースも。生理の日数も、短くなる人もいれば、だらだらと長く続く人もいますし、周期も、2〜3カ月に1回と長くなっていく場合や、2週間に1回生理がきたりと短くなる場合、周期がバラバラになる場合などさまざま。このように閉経前は生理の状態が変わり、読めなくなるので、困ることも多いと思います。日本人の平均閉経年齢は50・5歳なので、この年齢に近くなったら、生理にこんな変化が起こりえることを認識しておくといいですね」
閉経は自然な体の変化ととらえて前向きに!
そんな閉経に対し、アンケートではとらえ方にも個人差があり、“つらい生理から解放されると思うとうれしい”と前向きな人も多いが、“女性として終わってしまうようで悲しい”とネガティブにとらえる人も少なくない。閉経には、どう向き合うべき?
「生理があるときは、女性ホルモンの変動によって体調がよい時期と悪い時期があるので、同じことをしても思うように結果が出ないときもあります。でも閉経するとそれがなくなるので、がんばったらがんばっただけ結果が出るようになります。つまり、波がなく穏やかな“凪”の時期になり、落ち着いていろんなことに取り組めるようになるのです。閉経しても人生はまだあと半分もあります。自然な体の変化ととらえて、前向きに過ごしましょう」
②閉経、素朴な不安Q&A
(編集部が行った40歳以上の閉経した人271人に聞いたアンケート結果より)
Q.「閉経」したのは何歳のときですか?
Q.閉経は早いのと遅いのと、どちらがいい?
A.それぞれにメリットとデメリットがあります。
「生理が重かった人にとっては、閉経が早いほうが楽でいいと思います。また、閉経が遅いと乳がんなどエストロゲン依存性のがんのリスクは高くなります。一方で、エストロゲンにはコレステロール値を下げることで血管を守る作用があるので、閉経が遅いと心血管疾患の予防になります。実際、閉経が遅い人のほうが脳梗塞の発症率が低いというデータも。ですからどちらがいいとはいえません」
Q.閉経を遅らせることはできる?
A.生活習慣によって遅らせることはできるかも。
「ストレスが多いと交感神経が優位になり、血管が常に収縮して血流量が減るので卵巣機能が早く落ち、閉経が早まります。また、運動不足や喫煙、受動喫煙も血流を悪くし、閉経を早くすることがわかっていますし、動物性脂質のとりすぎや、コレステロールが少ないベジタリアン的な食事などの偏った食生活も閉経を早めます。つまり、これらの要因をなくせば、閉経が遅くなる可能性はあります」
Q.閉経になったことは検査でわかる?
A.女性ホルモン検査でわかります。
「閉経したかどうかは、婦人科で血液検査をして、エストロゲン(E2)の数値と、脳から卵巣へ向けて“エストロゲンを分泌して”と指令を出す卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値を調べればわかります。生理がある成熟期には、E2は10〜1000pg/mlで、FSHは3~20mlU/ml。でも閉経が近づくと、“もっとエストロゲンを出して!”という指令がたくさん出されるためFSHが増えて数値が高くなる半面、E2の数値は低くなります。E2が10pg/ml以下、FSHが40mlU/ml以上なら閉経と診断します」
Q.いつごろ閉経するのか予測はできる?
A.だいたいの予測は可能です。
「閉経が近づくと卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値が高くなるのが大きなサインなので、血液検査でこの数値を調べて、問診で現在の生理の状態を聞けば、閉経が近いかどうかをある程度、予測することはできます。ただし、この数値は検査をするタイミングによって変わるので、数値がいくつだったら閉経がいつになるという正確な時期は予測できません」
Q.閉経したら女性らしくなくなってしまう?
A.それは自分が決めることです。
「閉経してエストロゲンの分泌がなくなると、女性らしくなくなると思う人もいるようです。でも実際には大きな変化はなく、男性化するわけでもありません。女性らしくあり続けるかどうかは自分が決めることです。また、もし女性ホルモンにこだわるなら、ホルモン補充療法(HRT)という選択肢もあるので、それを受けるのもひとつの方法です」
Q.閉経したあとに生理が復活することはある?
A.たまにありますが、病気の可能性もあるので婦人科へ。
「医学的には、12カ月間生理がこなかった場合を閉経としていますが、それ以降に生理が復活する場合もまれにあります。また、HRTを受けたり、エクオールをとったりすると、生理が復活することもあります。ただし、閉経後に出血があった場合、生理が復活したのではなく、子宮体がんによる出血の可能性もあります。子宮体がんは、閉経前後にかかりやすいがんで、自覚症状は不正出血です。進行すると、排尿痛や排尿困難、性交痛があることもあります。子宮体がんは早期に発見して手術をすれば治りやすいがんなので、閉経後に出血があった場合は、早めに婦人科を受診しましょう」
Q.閉経による医学的なプラス要素はある?
A.子宮筋腫が小さくなります。
「閉経すると、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などといったエストロゲン依存性の病気(エストロゲンが高い状態だと進行する病気)になりにくくなるというメリットがあります。子宮筋腫も閉経後は小さくなっていきます。ただ、閉経したらもう婦人科系の病気にならないわけではないので、閉経後も年に1回は婦人科で検診を受けるのがおすすめ」
③閉経エピソード~生理、それぞれの終わり方~
(編集部が行ったアンケート結果より。40歳以上の女性595人の回答)
《先細り》経血量も日数も回数も徐々に減少……
自然消滅という感じ。もともと生理は軽いほうで、そんなにトラブルもなかったけれど、気がつくと、だんだん間隔が空いていき、今月もこない、翌月もこない……、半年空き、1年空き、閉経したんだなあと。(51歳・主婦)
2年くらいかけて、3カ月、半年、1年と生理の間隔が空いていき、またそこから1年たとうとしています。長年、産婦人科で定期的に検診を受けており、もう閉経したと判断してよいといわれました。間隔が長くなるごとに、経血量も日数も短くなっていきました。最後は、おしるし程度の生理が2日間でした。(50歳・自営業)
ぴったり28日周期だったが、50歳くらいから30日周期と60日周期で交互に生理がくるようになった。52歳ごろから間隔が空いて自然になくなっていった。(56歳・主婦)
Opinion!
《血の海地獄》大量に出血して服を汚すほどに!
閉経2年前くらいから、生理が隔月や2カ月おきの間隔になった。生理がくると、量が半端なく、仕事中は夜用ナプキンを使っていた。それでも、座っていると横モレや後ろモレがあって、もしものときにも汚れが目立ちにくい柄ものや厚手のスカートをはくようにしていた。その後も量に変化はなく、徐々に間隔が空いて、ようやく1年が過ぎた。1年が過ぎるまでは、いつまた生理がくるか予測がつかなかったので、職場にはいつも交換用の下着等を用意しておいた。(53歳・会社員)
40代から徐々に生理が軽くなり、だんだん間隔が空いた。ときどき予想外に大量に出血し、洋服を汚すほどだった。50歳でほぼなくなったのに、2年後に前触れもなく大量に出血しビックリしたが、それが最後だった。(60歳・会社員)
Opinion!
《出血が止まらない!》だらだらといつまでも続く……
20日くらい経血が続いて、その後、こなくなった。(52歳・主婦)
少しずつ間隔が空いてきた。量は変わらないが1〜2日の短い日数に。最後は出血が止まらなくなり、ひと月ほどだらだらと続き、その後はごく少量の経血が数回。そしてこなくなった。(52歳・会社員)
1年くらい前に、1カ月くらい続く生理があり、病院で低用量ピルを処方してもらった。それから徐々に間隔が空いていき、量も少なくなり、気がついたらなくなっていた感じ。(46歳・会社員)
Opinion!
《ある日突然……》特に体調に変化がないまま気づけば閉経
特に前兆もなくこないなと思って様子を見ていたがその後まったくこなかった。(60歳・主婦)
それまで定期的にあったけれど、急にこなくなった。パッタリと。あったりなかったりということもなかった気がする。(55歳・会社員)
53歳直前まで毎月あったけれど、53歳3カ月で生理が3日間くらいになり、それ以降はなくなった。(57歳・主婦)
Opinion!
《最後の打ち上げ花火》なかなかこなかったのに最後に1回だけ
45歳くらいから2カ月に一度、生理がきても1日で終わることもあり、かなり不定期で日数にもバラつきがあった。量は少なくなってきて、48歳後半くらいには、まったくこなくなったと思いきや、50歳で一瞬生理がきた! この一瞬が、どうやら“長年お疲れさま”のサインだったもよう! (55歳・自営業)
Opinion!
《粘り強い!》終わりと思ったらまたくる状態が続く
生理の間隔が1〜2年くらいかけてだんだん空いていきましたが、半年くらいなかったから終わったかと思ったら、また少しあったり、なかなか不順な感じでした。50歳くらいから、もうそろそろ閉経するかと気にはしてましたが結局55歳が最終でした。(60歳・会社員)
Opinion!
《病気がきっかけ》病気の治療の影響により閉経
私の場合、市の検診で乳がん(初期)とわかり、乳房を全摘したあとに抗がん剤治療をしました。初回の抗がん剤治療がスタートしたら、ピタッと生理がなくなってしまい、その後生理はこず、43歳で閉経しました。(51歳・主婦)
子宮筋腫の治療をする際、ホルモン注射で月経を止めながら、閉経まで逃げきる方法をとりました。とにかく貧血がひどかったからです。50歳くらいのころでした。その後、徐々に経血量が減っていき、いつのまにか完全に経血が止まりました。子宮筋腫も小さくなっていましたが、閉経後の今も、エコー検査を受けると、腫瘤状の筋腫が残っています。(59歳・会社員)
子宮内膜症のため低用量ピルを服用していて、50歳のとき医師の指示で薬をやめたら閉経していた。(51歳・自営業)
Opinion!
《乱高下》量や周期や日数がバラバラ!
もともと生理不順で2カ月くらい間隔が空くこともあったのに、閉経前の2年間くらいは、28日周期でぴったりくるようになった。ただ、出血が2週間ほどだらだらと続いて、次の生理までが中2週間しかないので大変だった。出血量も多いときがあって、出かけられないほどだったり、生理前の頭痛もひどくてつらかったが、あるときからピタッとなくなった感じで閉経した。閉経後は、あれだけつらかった頭痛も嘘のようになくなり、とても楽になった。(60歳・主婦)
Opinion!
④閉経エピソード~閉経前後の更年期に起きるさまざまな不調~
Q.「閉経」したとき、どのように感じましたか?
《ポジティブ派》
●正直にいうと経血の量が多く苦痛なタイプだったのでこれで楽になれる……とうれしかった。(57歳・会社員)
●白いボトムが、気兼ねなく着られる! おしゃれの幅が広がる。煩わしい生理から解放された。(53歳・主婦)
●毎月の不調などから解放されて楽になり、よかったと思うと同時に、更年期症状に悩まされているので、生理があるということはありがたいことだったのだと気づかされもした。(55歳・主婦)
●婦人科系の持病から生理痛がひどかったので、そのつらさからの解放と、旅行などでタイミングを気にする必要がなくなった喜び。(57歳・主婦)
●せいせいした。大きさ5cm超えの子宮筋腫があり、月経過多に何年も悩まされており、つらい年月だった。白いパンツをはいても、ドキドキしなくてもいい。私にとっては、新たな人生のスタートでした。(59歳・自営業)
《ネガティブ派》
●生理のつらさで命を削っているような気がしていましたが、いざ終わると女性じゃなくなってしまったような、寂しさを感じました。(57歳・自営業)
●女性ホルモンで体が守られていると感じていたので、それがなくなったことによる体型や体調に変化が訪れることへの不安を感じた。(54歳・会社員)
●生理痛から解放されるから、早くあがってほしいと以前は思ってましたが、いざ閉経したら、体調が優れず、急に体が熱くなったり、寒くなったり、倦怠感も出て、すっごくしんどくて、しんどくて、生理痛のほうが全然ましだった。(53歳・主婦)
●はっきりとした感じはなかったが、未婚・未出産なので、自身が出産することができなくなったことがすごく残念で、なんとなく寂しく思った。(51歳・会社員)
「生殖能力を失うと、生物学的に生きる意味がないように思えて、寂しさを覚えるかもしれませんが、生殖能力をもつ次の世代の人たちをサポートする役割に変わったのだと前向きにとらえましょう」。
Q.現在、更年期が原因と思われる不調はありますか?
Q.更年期の不調があるかた、それはどんな不調ですか?
■ 11位以下
手足の関節が痛い、しびれる 91人
おなかの張り、便秘、下痢 89人
うつや不安感がある 86人
もの忘れが多い 86人
めまいがする 85人
背中や腰が痛い 76人
むくみがある 75人
動悸がする 73人
においが気になる 50人
セックスをすると痛い 39人
耳鳴りがする 38人
脱毛がある 29人
そのほか 29人
最も多い不調が疲れやだるさ、やる気のなさ、続いて目の疲れなど。これらの不調は更年期が原因ではない場合もあるので注意が必要。
Q.更年期の不調を改善するためにしていることはなんですか?
⑤閉経前後の体とうまく付き合う
エストロゲン減少により脳が混乱し、不調が発生
「女性ホルモンのエストロゲンは、脳の視床下部という部分から卵巣へ“エストロゲンを出して”という指令が出され、それに卵巣が応えることで分泌されます。でも、卵巣機能が低下する更年期になると、脳から指令が出ても、卵巣から十分な量のエストロゲンが分泌されないため、脳は“もっと出して!”と指令を出しつづけます。それでも卵巣は一向に応えてくれないため、脳の視床下部はパニックを起こします。視床下部は自律神経の中枢でもあるので、その影響を受け、自律神経も乱れてしまいます。これによって、ホットフラッシュやのぼせ、多汗、動悸、だるさ、疲労感、頭痛、めまい、不眠、イライラ、落ち込みなど、心身にさまざまな不調が生じるのです。このような不調は閉経の前後2年に最も起きやすい傾向があります。ホットフラッシュで汗をかきやすくなり、そのせいで眠れなくなって、うつになったりといった悪循環を起こすこともあります」
エストロゲンには、下記のように体を守る多くの働きがあるため、閉経するとその恩恵を受けられなくなることからくる不調も発生。
「閉経後は更年期の不調は落ち着きやすいですが、エストロゲンの分泌がなくなることで、悪玉コレステロール値が増えて脂質異常症になったり、動脈硬化や骨粗鬆症などのトラブルが起きやすくなります。また、腰痛や肩コリなど体の老化による不調も起きがちに」
エストロゲンの働きとは…
●女性らしい体をつくる
●基礎体温を下げる
●妊娠に備えて子宮内膜を厚くする
●卵胞を育てる
●肌や髪を丈夫に保つ
●骨を丈夫に保つ
●脳の働きを維持する
●自律神経を正常に保つ
●血管をしなやかに保つ
●動脈硬化を予防する
●代謝を促して肥満を予防する
●悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす
閉経前後に不調が起きる3つの要因
閉経前後の不調=更年期障害とはかぎらない
「更年期の不調には性格や環境も影響し、生まじめな人や、自己犠牲型の人は更年期障害が起きやすいとされています。それに親の介護や、家族との死別、子供の独立などなんらかの社会的要因も加わると、心が折れてしまい、更年期障害が出やすいといわれています」
このような要因で、閉経前後には不調が起きやすくなるが、アンケートで多かったのが、自分の不調が更年期障害によるものなのか、ほかの病気なのかがわからないという疑問。
「閉経前後はさまざまな病気になりやすくなる年代なので、不調が出ても更年期障害とはかぎりません。動悸がするなら甲状腺の病気などの場合が、めまいならメニエール病などの場合も。まずは動悸なら内科や甲状腺科、めまいなら耳鼻科と、症状がある器官の専門病院にかかり、検査で病気がなかったら更年期障害を疑って婦人科に行くのがおすすめ。エストロゲン不足が原因だとわかれば、婦人科でHRTを受けてエストロゲンを足せば、症状が改善する場合も多いですからね」
「例えば年をとると心筋梗塞などの心血管疾患になりやすくなりますが、前段階として中性脂肪値や悪玉コレステロール値が高くなったりと、健康診断の数値になんらかの異常が出ます。特に閉経後はこのような異常が出やすくなりますが、その時点で薬などで治療をしておけば、将来の心筋梗塞を予防できます。心筋梗塞は突然起こるようでいて、必ずその前に数値に異常が現れるので、その段階で対策をして病気の芽を摘むことが大切。そのためにも日ごろからかかりつけ医をもっておき、検診を受けておくのがベストです」
さらに生活習慣を整えることも重要。
「最近コロナ禍によるストレスのせいか、睡眠不足で不調が起きている人も多数。ちゃんと寝ていないと更年期うつにもなりやすいので、更年期の不調を防ぐには、まずは十分に寝ることです。それだけで体調がよくなることは多いんです。私自身、昔、当直のある職場だったときは睡眠不足でしたが、今は8時間寝ているので体調は絶好調。皆さんもまずは生活の見直しを」
更年期の主な不調と症状とは…
●頭痛
●めまい、ふらつき、浮遊感
●のぼせ、ホットフラッシュ
●冷え
●のどの違和感
●腹部の張り
●手指のこわばり
●尿もれ、頻尿
●イライラ、落ち込み、抑うつなど
●だるい、疲れやすい
●動悸、息切れ
●肌の乾燥、かゆみ
●肩コリ、首コリ、背中の痛み、腰痛
●眠りが浅い、不眠
●腟乾燥、性交痛
⑥更年期障害の「HRT(ホルモン補充療法)」とは?
閉経後に起こりやすい主な症状や病気
●骨粗鬆症
●認知症、関節疾患
●卵単がん、子宮体がん
●乳がん
●腟炎、尿もれ
●コレステロール増加
●高血圧、動脈硬化
●脳卒中、心筋梗塞
誤解が多いが、実は体への負担が少なく方法も楽
「HRTへの誤解が生まれた原因は、2001年にアメリカで発表された、HRTを5年以上続けると乳がん発生率が上がるという研究報告です。ただ、これは’05年に否定され、現在はHRTが乳がんに及ぼす影響は小さいことが学会でも発表されています。それにもかかわらず、過去の情報が更新されていない人が多数。また、HRTは大量のホルモンを補うと思っている人もいますが、実際は生理があったときの3分の1程度のエストロゲンを足すだけで、低用量ピルの6分の1の量。なのでよくも悪くも体にそこまで大きな影響はなく、それでも症状が楽になることが多いので、つらさを我慢するくらいなら受けたほうがいいと思います」
「HRTは、飲むタイプ、はるパッチタイプ、塗るタイプがあります。エストロゲン剤がメインで、子宮がある人(手術で子宮摘出していない人)は、子宮体がんのリスクを抑えるため、プロゲステロン剤も併用します。エストロゲン剤は経皮吸収のほうが血栓症や乳がんのリスクがより低いので、第一選択ははるタイプや塗るタイプ。プロゲステロン剤は飲むタイプと、エストロゲンと一緒になったコンビパッチがあります。コンビパッチは3日に1回はり替えるだけなので楽です。HRTをすると最初は出血が起きますが、徐々になくなります。費用は保険適用で1カ月1000〜3000円程度です」
受ける場合の手順とは?
「HRTは受けられない人もいるので、まず体の状態を検査します。健康診断の結果を持参すれば検査を省けます。検査で問題がなければまず1カ月分を処方し、使ってみて問題がなければ3カ月分を処方します」
このようにHRTは想像以上に楽にできる方法。まずは婦人科で相談を。
40歳以上の女性595人に、アンケートで聞いてみました!
Q.更年期の不調が出たら、HRT(ホルモン補充療法)をやってみたいと思いますか?
Q.HRTを「やったことがある」と答えたかた、やってみてよかったと思いますか?
<YESと回答したかた>
「ホットフラッシュがつらかったので始めた。最初は漢方薬で症状がやわらいだが、効かなくなりHRTも併用することに。かなり改善しました」(51歳・主婦)
「すぐに効いて、夜中に汗で目覚めることがなくなり、きちんと睡眠がとれるようになった」(57歳・会社員)
「肩コリ、腰痛、ドライアイ、髪の毛の量とツヤ・クセ・うねり、肌のツヤ感、家事へのやる気などが改善されたので、もっと早くから服用すればよかったと思いました」(52歳・会社員)
<NOと回答したかた>
「乳がんリスクが上がるといわれてやめた」(54歳・主婦)
「今の時点では、この治療で正解なのかはわからない」(49歳・会社員)
「気持ちが少し前向きになってきたと感じる。ただ、だらだらとまた生理が、始まったことがイヤです」(55歳・会社員)
⑦HRT(ホルモン補充療法)の疑問にズバリ答えます
Q.メリットとデメリットは?
A.骨や血管の老化を防げるなどメリットは多数。
「HRTは、更年期障害の改善に効くだけでなく、エストロゲンを補うので、骨や血管の老化を防げて、それにより骨粗鬆症や生活習慣病などの病気を予防できたり、肌や髪のツヤやハリも保てるなど多くのメリットがあります。デメリットは、血栓症のリスクが高まることと、乳がんがある場合はがんを促進させる可能性があることなどです。ですから事前の検査をきちんと受けることが大事で、リスクがある人は受けられません」
Q.受けられないのはどんな人?
A.乳がん経験者、がん治療中の人、血栓症経験者など。
「HRTが受けられないのは、乳がんの経験者、または治療中の人、子宮体がんなどなんらかのがんの治療中の人、血栓症や塞栓症になったことがある人、重い肝臓の病気がある人です。また、場合によっては受けられないのが、喫煙者、コントロールできていない糖尿病や高血圧の人、乳がんや子宮がん、卵巣がんの手術を受けたことがある人など。事前によく相談を」
Q.実際、どれくらい効くの?
A.ホットフラッシュ、のぼせ、多汗などに特に効く。
「HRTの効果の現れ方には個人差がありますが、更年期のホットフラッシュやのぼせ、ほてり、多汗などに特によく効き、早くて数日、遅くとも2カ月もすれば症状は治まることが多いようです。多汗が治ることで不眠が改善し、それによってうつも治ったりと、複数の不調が改善することも多いです。イライラや落ち込みなどメンタルの不調の改善にも効きます」
Q.どれくらいの頻度で、いつまでやるのがいいの?
A.頻度は毎日、閉経2年後くらいまで行うのが一般的。
「更年期障害は、閉経の2年後くらいで症状が出なくなることが多いので、HRTもそれくらいで終わらせることが多いです。通常は基本的に毎日投与しますが、終わらせるときには、2日に1回、3日に1回、1週間に1回と段階的に投与の頻度を減らしていきます。ただ、HRTは何歳になったらやめないといけないという決まりはなく、骨や血管の健康のために、ずっと続ける人もいますし、それでも問題はありません」
Q.閉経してだいぶたってからでもOK?
A.閉経10年後以降は受けられないので早めに決断を。
「閉経して10年以上たつと、HRTによる血栓症のリスクが高まるので、10年後以降にHRTを開始することはおすすめしていません。閉経前後は、まだ骨や血管などの衰えを感じないことも多いので、HRTを考えない人が多いですが、そのうちに骨や血管はどんどん老化していきます。閉経10年後に老化を感じて慌ててHRTを始めようと思ってももう受けられず、エクオール一択に。閉経後10年以内なら可能なので受けるなら早めに」
Q.不調がなくても、閉経後の病気予防のためにしたほうがいい?
A.病気予防のために受けるのも選択肢として◎。
「前述したように、閉経後はエストロゲンの分泌がなくなるため、骨がもろくなったり、動脈硬化が起きやすくなったり、血圧やコレステロール値が上がりやすくなったりするため、病気になりやすくなります。更年期障害はなくても、こういったトラブルや病気を未然に防ぐために、積極的にHRTを受けることはいいと思います。不調がなくても保険適用で受けられます。閉経が早かった人には特におすすめです」
⑧更年期の不調の改善に効果的な「3つの方法」
《漢方薬》
《エクオールのサプリ》
《生活習慣の改善》
⑨「対談」女の人生”いい波”に乗った者勝ち!
【対談】マンガ家 安彦麻理絵さん×モデル 浜島直子さん
モデル 浜島直子さん
「体は暑いのに足首だけが冷えて。そろそろ更年期へ突入の予感!」
はまじま なおこ●’76年、北海道生まれ。モデル、絵本作家。18歳でモデルデビュー。雑誌のモデルを中心に、テレビ出演やラジオDJとしても活躍。昨秋に上梓した、18篇からなる初随筆集『蝶の粉』(ミルブックス)が好評。
マンガ家 安彦麻理絵さん
「更年期について家族や友人と気軽に話せると、気持ちが楽になりますよ」
あびこ まりえ●’69年、山形県生まれ。漫画家、エッセイスト。女性の本音を赤裸裸に描く作風で人気。更年期をめぐる爆笑エピソード満載の『生理終了!~恋愛マンガ家が50歳になったら人生こうなる~』(サイゾー)全4巻は電子書籍で発売中。
更年期の気力低下には筋トレが効果絶大!
浜島 安彦さんのマンガ『生理終了!』、とてもおもしろかったです。閉経と更年期を迎えた女性の本音がユーモラスに描かれていて、こういう感じなら更年期も怖くないなって前向きな気持ちになりました。安彦さん自身はどんな感じで閉経を迎えられたんですか。
安彦 44、45歳のころから、1カ月に3回生理がきて2日間で終わるとか、リズムが狂いはじめたんです。経血の量も減って水墨画のように薄くなってきたので、ああ、これが閉経の合図なんだと思いました。ただ、複数の友人から、「血の海地獄のような生理が最後にドンときて終わる」というものすごい話を聞いていたのに、私は50歳のある日、何事もなくシレッという感じで終わってしまって。なんだかあっけなかったですね(笑)。
浜島 終わり方は人それぞれなんですね。気持ち的にはどうでしたか? アンケートを見ると「生理がなくなってスッキリ!」という人と、「女性として終わってしまったようで寂しい」という人、いろんな声がありますが。
安彦 生理はないほうが楽ですし、寂しいという気持ちも起こらなかったので、「閉経をなるべく遅らせたい」という声があることに驚きました。閉経しても女はオンナというか、女性はしぶといですよ。亡くなって灰になっても、その灰まで「女」だと私は思うので。
浜島 灰になっても女は女……深いなあ。私も仕事柄、生理中は衣装を汚してしまわないかと気が気じゃないんです。なので月経が早く終わってほしいなと思うこともあります。ただ、更年期に起こる症状が気がかりで……。
安彦 ホットフラッシュがひどくて眠れないとか、更年期障害で苦しむ友人の話を聞くと、私はつらいことがあまりないので申しわけなくなります。唯一の問題がうつっぽくなること。生理がきている間もPMS(月経前症候群)でイライラして、無理難題をいって夫に迷惑をかけてきましたが、閉経後もメンタルが安定しなくて夫を困らせています。女性ホルモン恐るべし、ですね(笑)。
浜島 誰にも会いたくないって引きこもるとか、そんな感じになるんですか。
安彦 はい、誰にも会いたくなくなるし、「私なんて汚くなりやがれ」みたいな自虐的な気分になって、一週間近くお風呂に入らなくても平気だったり。
浜島 えーっ、お母さん、臭い! とか、家族に文句をいわれませんか(笑)?
安彦 旦那には「いいかげんにしろ!」と怒られますが、子供たちはPMSでイライラしている私と夫がやり合っているのを何度も見てるから、ケンカしなければOKという感じです。
浜島 それで、うつっぽい感じから抜け出すきっかけはあるのかしら。
安彦 メンタルの低空飛行がしばらく続くと、そろそろいいかな!? と心と体が自然に思うみたいです。それからマンガにも描きましたが、筋トレを始めたのも効果がありましたね。筋トレにはドーパミン(やる気を出すホルモン)と、セロトニン(幸せホルモン)を分泌する効果があるらしくて、気分が落ち込んだときにスクワットをすると、いろんなことがどうでもよくなってくるんです(笑)。
浜島 元気が出るエピソードですよね。マンガを読んで、私も歯磨きしながらスクワットをするようになりました。今44歳ですが、更年期が始まりかけてる感じで、去年の夏ごろから超暑がりで汗っかきなのに、なぜか足首だけが氷を当てたように冷たいという症状が出てきました。今思えば、妊娠中にホットフラッシュのような症状を経験しているし、更年期になったら必ずホットフラッシュが起こる、という自信があります(笑)。
安彦 もう更年期対策をされてますか?
浜島 40代の半ばごろから女性ホルモンのバランスが乱れて、心身にさまざまな不調が起こるようになると聞きます。それで最近、女性ホルモンに優しい生活を心がけるようになりました。バランスのよい食事をとるとか、規則正しい生活をしてしっかり眠る、適度な運動を行うなど、どれもごくあたりまえのことなんだけど、忙しさの中でそれが少し疎かになっていたことに気づいたんです。
安彦 何か、変化を感じましたか?
浜島 以前、ベッドマットにシーツをどうかけるかで夫とケンカして、息子の前で思わず大泣きしたことがあったんです(笑)。食事を見直したり、生活習慣を整えるようになって、自律神経が安定してきたのか、感情が大爆発することがなくなりましたね。
安彦 今は更年期のつらさを緩和するいい処方があるし、大変なときはひとりで悩まないで婦人科の先生に相談してほしいと思います。私は取材でうかがった婦人科で女性ホルモンの数値を調べてもらいましたが、「かぎりなく閉経に近い」とか現状を知ることも、更年期と上手に付き合うためのひとつの方法ですよね。
浜島 初潮のことは学校で習うけど、更年期については誰も教えてくれません。更年期=更年期障害ではないとか、正しい知識を得ることで更年期の問題とちゃんと向き合える気がします。
更年期を第2の人生について考えるきっかけにしたい
浜島 わが家では「生理だから明日のロケは大変」とか、月経のことを夫と息子の前で普通に話しますが、安彦さんのお宅も月経や更年期についての話題をオープンにされてますよね。これは更年期を上手にのりきるためにも大事なことじゃないかな、と私は思っていて。
安彦 そうですよね。母親世代が更年期について話すのは聞いたことがないけど、ひとりで苦しんでいた人もきっといると思う。一番身近な家族には更年期のことをぜひ理解してほしいし、母親や友人など更年期について気軽に話せる人がいると、気持ちが楽になると思います。
浜島 仲よしのヘアメイクさんとメイク中によくぶっちゃけトークをしていて、更年期の話題からメイクイット アンド コーのウォッシュオイルを教えてもらいました。素材にこだわった肌への負担が少ないオイルで、「これで腟のマッサージをしてみたら?」といわれて。お風呂あがりにこのオイルで腟マッサージをしてますが、保湿力を高めて、血のめぐりもよくなれば、更年期障害の予防につながるんじゃないかなと思っています。
安彦 加齢とともに腟の筋肉がゆるんで尿が漏れやすくなるし、マッサージはとてもよいと思います。私のおすすめは、何かひとつ、夢中になれるものをもっていること。46歳のころきものにハマって、「あの帯揚げはどの帯と合わせようか」とか、夢の中でもきもののことを考えるようになりました。その熱っぷりといったら、沼ですよね。ただ、泥沼じゃなくてフルーチェみたいな甘~い沼(笑)。きもののことを考えると、どんなイライラもスーッと消えてしまいます。
浜島 舐めると甘い、スイートな沼ですね。ふと思ったのですが、初潮がくるとお赤飯でお祝いしてくれるじゃないですか。閉経のときも記念イベントみたいなものがあってもいいと思いませんか。
安彦 本当に何十年も生理がきていた私の子宮、長い間お疲れさまでした! という感じですよね。実は友人が「閉経のお祝いに」と、台湾から臭豆腐を買ってきてくれたんです。更年期と臭豆腐の組み合わせって? と思ったけど、なんだか楽しいほうが気持ちが前向きになっていいのかも(笑)。
浜島 閉経記念のイベント、私は何をしようかな(笑)。閉経を迎えるころって子育てが一段落したり、仕事で責任あるポジションを任されたり、女性としてもひとりの人間としても人生の新しいステージに移るタイミングと重なりますよね。新しい扉を開けたとき、いい波にうまく乗って更年期を乗り越えたいと思います。
安彦 閉経について大っぴらに語れない人もたくさんいると思います。そのかたたちに「更年期ってそれほどのことでもないんだ」と思ってもらえるように、マンガで伝えていきたいですね。
①アラフィーに聞く「生理と私」のお別れ模様
【出席者】
A子(51歳)
主婦。最近、更年期によるだるさやむくみが出てきたので、婦人科で処方された漢方薬を服用中。生理は現在は半年に1度程度。
B子(48歳)
主婦。閉経がいつになるのかわからないことが最近のストレス。生理の状態の乱れを少しでも改善するため足ツボマッサージを実践。
C子(51歳)
会社員。生理が乱れだしたころから太りやすくなった気が。少しでも生理の状態を安定させるべく、睡眠と食事を見直し中。
D子(50歳)
会社員。3年ほど前からホットフラッシュなど更年期症状に悩み、HRT治療中。PMSがひどかったので生理はもう終わってほしいと思っている。
E子(51歳)
自営業。前ぶれなしの大出血があった以後は周期がどんどん開いていき47歳で閉経。閉経が早かったので今後の骨粗鬆症などが心配。
F子(52歳)
会社員。閉経はまだで生理は2~3カ月に1回ほど。更年期になって、生理前のイライラや怒りが強くなり、HRT治療を検討中。
経血量も、周期も、期間も。変化する「生理」に驚愕!
A子 私の場合は、48歳のころ、急に経血量が増えたんです。1日目から大量の血がドバーッと出て、しかも10日以上続いて。夜用ナプキンがすぐあふれるほどで貧血になったことも。婦人科に行ったら更年期の始まりっていわれました。その後、今度は経血量が減って3日で終わるようになって、3カ月、5カ月と間隔も開いてきて。で、今は、次の生理がくるかわからない状態で。
“1日目からフルスロットルで大量出血。そのまま10日も続いて貧血状態。つらすぎる(A子)”
B子 私は45歳ごろから生理が2〜3カ月に1回になったんですが、7〜8日続いて終わったと思ったらまたきて。その後、間隔が開いてきたと思ったら、また毎月きたりとバラバラな状態が続きました。今は10カ月ほどきていないからついに閉経かも。
“生理周期がどんどん長くなり、出血量もそのときによってまちまち。でももう10カ月ないから閉経かな……(B子)”
C子 私は経血の色も変わってきた気が。前はドロッとした黒いかたまりが混ざっていたのに、50歳ごろからそれがなくなって、薄茶色のおりもののようなものから始まり、薄い色の少量の出血が2週間も続くようになって。その後、4日で終わるとき、1週間、2週間も続くときとバラバラで。いつ生理がくるかわからず毎日がスリリングです(笑)。
“茶色のおりもののようなものから始まり、少量の出血が2週間もキレ悪く続く。うんざり(C子)”
D子 私もそう。47歳になったころ、生理が2カ月こないと思ったら、突然きて10日間続いて、終わったら1週間後にまたきて、でもまた2カ月こなくなったりと不安定になって。私、子宮筋腫があるからもう閉経していいと思っているので、毎回やっと上がったー! と思うんだけど、でもまたくるという繰り返しで(笑)。最初は子宮がん? とか思って不安になったりしました。
“生理周期がめちゃくちゃで、いつくるかわからないロシアンルーレット状態。毎日ナプキンが手離せない(D子)”
E子 私は、実際病気になりかけていました。43歳のとき生理が2カ月飛んだあと、突然大量出血。婦人科に行き、ついでにがん検査を受けたら子宮頸がんの前段階の異形成が見つかって。早めに治療したから問題なかったんですが、生理の変化があったら、病院に早めに行くべきだと思いましたね。
生理の変化とともに、更年期症状も…
B子 病院に行くのは大事ですよね。私は定期的に人間ドックで婦人科検診も受けているので、お医者さんからホルモンの数値を見て、これから生理が先細りになっていくかもねといわれていたんです。だから生理がバラついてきても不安にならずにすみました。
F子 私の場合、48歳ごろから生理痛がひどくなったんですよね。でも検査で異常はなく、更年期だといわれて。あと、生理前にイライラを感じるようになったからそれも更年期症状かなと。
D子 私も、生理が乱れだしたころからホットフラッシュが出はじめましたよ。冬でも汗びっしょりになるくらい異常に汗が出て。やはり、生理の変化って「更年期が始まったよ」という一番わかりやすいサインなんでしょうね。
C子 私は生理痛は今のほうがなくなりました。前は生理のとき子宮内膜がはがれるイメージの痛みがあったんですが、経血がサラサラした状態になったからかそれがなくなったんです。
E子 私も経血、サラサラになったんですが、そのせいで出ていることに気づかず、シーツを汚しちゃったことも。
A子 私も睡眠中に大量出血していたのに気づかなかったことがあります。
“経血がサラサラしてきて、出ても気づけず、特に就寝中、服や布団を汚してしまうことが頻繁に(E子)”
生理がいつくるかわからずナプキン常備はあたりまえ
B子 いつくるかわからないのが、一番困りますよね。前は生理前に胸が張ったのに、最近それがなくなったからよけいにいつくるかわからなくて。
D子 そうそう、いつくるかわからないから、おりものシートを常につけて、夜用から軽い日用までいろん な種類のナプキン持ち歩いています。
E子 生理っていつまで続くか読めないから最後に“これで終わり!”って経血と一緒に金の玉が出るとか何か合図があったらいいのに(笑)。
A子 ホントそう!(笑)。でも、閉経したらしたで男性化するのかな? 老けるのかな? という不安も……。
F子 婦人科の先生が、閉経したからって女性らしくなくなることはないっていってたからそれは大丈夫なはず。
E子 そういわれてみると私のまわりの閉経した人、みんな変わらずきれいです。要は、自分しだいなんでしょうね。
D子 ですよね。でも生理の話って友だちにもしにくいから、自分だけ? って不安でしたが、こうして話してみんな同じなんだとわかって安心しました!
F子 女は生理に振りまわされてホント大変。閉経したら自分に、長い間お疲れさま! っていいたいですよね(笑)
“1日目にドバッときたあと、2日目にはほとんど終了。ラクだけど、今までより生理痛やイライラを感じるように(F子)”
【アンケート】
Q.生理の変化を感じますか?
Q.どんな変化を感じていますか?
②閉経前の「生理の変化」なぜ起こるの?
産婦人科医 善方裕美先生
女性ホルモンの分泌量のバランスの乱れが原因
「更年期になると、卵巣機能が低下して女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が急激に減っていきます。ただし右肩下がりに減るわけではなく、増えたり減ったりと乱高下しながら減っていきます。なぜ乱高下するかというと、卵巣機能が低下すると、脳が卵巣に“エストロゲンを分泌して”という指令を出しても、きちんと分泌できないため、脳は何度も“ちゃんと出して!”という指令を出します。このとき、がんばって多く分泌できるときもあれば、あまり分泌できないときもあるからです。また卵巣機能が低下すると、もうひとつの女性ホルモン、プロゲステロンの分泌量も減ります。そもそも生理は、エストロゲンが子宮内膜を厚くし、さらにプロゲステロンが子宮内膜が厚くなりすぎないように安定化させ、このとき妊娠が成立しないとこれが経血として排出されて起こります。更年期にはこの2つの分泌量が不安定になって子宮内膜の厚さも変わるので、経血量が増えたり減ったり、生理の期間が長くなったり短くなったりするのです。ただ、出血があまりにも多い場合、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気の可能性もあるので婦人科で診察を受けて」
つまり生理の変化は更年期に誰にでも起こるので、過度に不安にならなくてOK。もう閉経したの? というのが気になる人は、婦人科で検査も可能。
「血液検査でFSH(卵胞刺激ホルモン)とE2(エストラジオール)の値を調べて、FSHが40㎖U/㎖以上、E2が10pg/㎖未満なら閉経と考えられます。ただ、ホルモンの値は変動するので2回以上検査が必要です」
また、更年期症状が出た場合にも、治療法は用意されている。
「女性ホルモンを補うHRTで症状は改善できますし、漢方薬などでも治療ができます。婦人科もうまく活用してこの時期を前向きにのりきりましょう」
閉経した? と思ったら、こんな検査でチェック!
《FSH検査》
成熟期 (基準値) |
更年期 (閉経前) |
閉経 | |
女性ホルモン |
10~1000 |
30 |
10 |
「エストロゲンを出せ」信号 |
3~20 |
35 |
40 |
《基礎体温》
③よくある「生理とお別れ」パターン
【ドバドバ型】(出血量が増える)
「子宮内膜を保つエストロゲンとプロゲステロンの分泌量がアンバランスになるため、子宮内膜がうまく保てずにバラバラとはがれると(破綻出血)、生理がダラダラ続くのです」
【ダラダラ型】(量は少ないけど、なかなか終わらない)
【ジェットコースター型】(周期も量も毎回まちまち)
「エストロゲンの分泌量が乱高下し、子宮内膜が厚くならず生理の間隔が長くなることもあれば、破綻出血をして間隔が短くなることもあるのです。量の増減も乱高下によるもの」
【粛々型】(少しずつ間が空き量も減って、先細り)
「エストロゲンが減っていくことで子宮内膜が厚くならないため、生理の間隔がだんだん開いていき、経血量も少なくなっていくという自然な閉経のパターンといえます」
【突然型】(前の月まであったのに、いきなりこなくなってそのまま終了)
「卵巣がギリギリまでがんばってエストロゲンを分泌していたものの、さすがにもうできなくなってぱっと閉経を迎えるパターン。生理の乱れに振りまわされないラクなケースですね」
【最後の1発型】(1年近くこなかったのに、思い出したようにきて、終了)
「2つの女性ホルモンのアンバランスによって子宮内膜がいっぺんにはがれて大量出血し、そのまま閉経したと思われます。ただ、大量出血は子宮筋腫などの場合もあるので検査を」
④「生理との別れぎわ」に安心のアイテム7
1.突然の出血にも安心、吸水パンツ
2.大量出血も受け止める経血カップ
3.蒸れや荒れを軽減。布ナプキン
4.肌への当たりも優しいオーガニックナプキン
5.ニオイも不快感も優しく流すデリケートゾーンソープ
6.ヒリヒリ感を潤いで癒すデリケート保湿
7.大量出血の貧血対策に鉄分ドリンク
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