-
「里親」体験談・佐藤浩市さん《前編》20人以上の子供たちと接してきて見えたこと
さまざまな理由があって実の親と暮らすことができない子供を、預かり育てる「里親制度」。親元で暮らしたくても暮らせない事情がある子供たちを、家庭的な環境で預かり、愛情をもって見守る──。そんな社会貢献が、今の日本でも求められている。今回は、短期で子供を預かる「フレンドホーム制度」に参加して5年という俳優・佐藤浩市さんに話を伺った。
「里親」体験談・佐藤浩市さん《後編》里親の活動を通して知った日本の子供たちの事情
過去の体験を超えて子供の笑顔を見られたら
子供を預かるとき、佐藤さんは、無理に話しかけたり、過度に構いすぎたりと特別な扱いはしないと決めているという。“ただ普通にいる”──それが佐藤さんの、あえてのスタンス。
ふだん、子供たちは妻に相談をすることが多いが、いざというときは佐藤さんが、子供と一対一で話を聞くことも。
「何も、特別なことをいうわけじゃないですが、これまでの自分の経験から何か伝えられることがあれば、と。ただ僕は役者で、言葉が受け止める人によってさまざまに変わるむずかしさを知っている。だからこそ『この子にはどんな言葉をチョイスすればいいか』とよくよく考えて話すようにはしています」
実際、佐藤さんのひと言で、進路を決意できたという子供もいたそう。
また、あるときは、過去の生育環境も影響し、なかなか言葉が出ない女の子を預かった。ほとんど聞こえないほどの声しか出せず、笑顔もあいさつもない彼女を、佐藤さんは距離を保ちながら、ていねいに見守った。
「特に男性への恐怖心があったようで、笑顔が見られるまで時間はかかりました。でも数年かけてようやく、ふたりでコンビニに行ったとき、どこか心を開いてもらえたというか、一瞬通じ合えたという気がして、やはり、うれしかったですね」
社会に出る前にいろんな大人を知ってほしい
何人もの子供たちと年月をかけてかかわりをもってきた佐藤さん夫婦。現在は、施設を出た子供たちが社会に出る前の準備として活用できるよう、講演会や勉強会を開催。
「親からひどい虐待を受けた子供たちは、やはり大人に対するイメージが悪いこともある。だからこそ、生きるとは何かを一緒に考えたり、ゲストを招いたりして、彼らに、いろんな大人がいると知ってもらいたいんです」

「社会には怖い大人だけではなく、安心できる大人もたくさんいるということを子供たちに伝えていけたら」
今後も、子供たちのために、活動を続けていきたいと考えている。「基本的には、妻がいろいろとアイデアを出して動いてくれるので、僕はそれを応援するというかたちです。ただ、社会的養護が必要な子供たちにかかわるということは、どんなかたちであれ、責任が伴うもの。大変なことはありますが、しっかり見守りたい」
「自分の子育てを終え、その経験を踏まえたうえで里親になることにも意味があると思います」
子供たちとかかわる中で、日本の子供たちが置かれている厳しい事情を知ることができたという佐藤さん。自身の発信を通じて、里親の活動が世の中の多くの人に伝わればという気持ちもあるという。
「もっと早くからこうした活動をしていたら、うちの息子も、もう少し素直に育ったんだろうと思いますけどね(笑)。それでも、やはり自分の子育てを終えて、よかれと思ってしたことがうまくいかなかったり、子供が思うようにはならなかったりという反省を踏まえたうえで、里親になることにも意味があると思います。息子もうちを訪ねてくると、子供たちときょうだいのように話をしたり、ごはんを食べたりしている。そんな姿を見ると、こういう活動をしていてよかったと改めて思えます」
「フレンドホーム制度」とは?
「フレンドホーム制度」とは、ふだん、乳児院や児童養護施設で生活する子供たち(対象は18歳までだが、主に1〜12歳)と交流し、夏休みや年末年始、週末など学校の休業期間に、数日間預かるもの。
「季節里親・週末里親制度」のひとつで、東京都独自の名称。参加するには、まず施設に直接申し込みをし、担当職員から説明や家庭訪問を受けたあと、「フレンドホーム登録」をする。
希望条件を伝え子供を紹介されたら、まずは施設の行事などに出席しながら交流を深め、お互いの意思を確認してから、家庭での預かりを決める。
決定後も日帰りから少しずつ交流期間を増やしていくので、初めて預かる際も安心。
交流期間中は、家庭内の大人1人以上が子育てに専念できることが求められる。1日当たり2300円(7日が上限)が支給される。

佐藤浩市
-
困難を抱える子どもを支援するボランティア団体の活動とは?【社会をよくするために、私たちができること】
子育て経験者が多いからか、Jマダムの関心が多く集まる子供関連のボランティア活動。今回は、入院中の病児に付き添う母を支える団体をはじめ、貧困や虐待といった困難を抱える学生たちを支援する活動団体などをご紹介。
-
社会をよくするためにアラフィー世代ができることとは?
「子育てや仕事が一段落したらボランティアをやりたい」、そう思っている人は少なくない。でも、いつ「一段落」する? いつかじゃなくて、今できることはたくさんある! アラフィー世代に関心が高いテーマを中心に、ボランティアや社会貢献について考えてみた。
-
今が考えどき!アラウンド60(55歳以上)からの働き方とは?
もうすぐ定年を迎える、子育てが終わる、親の介護が始まる……。アラウンド60(55歳以上)からの働き方が気になりだすアラフィ―世代。働きたい理由も、求める働き方も、一人ひとり違うけれど、今からできる準備と心構えを学び、妥協も無理もなく、自分らしい仕事と出会う道を探りたい。
What's New
-
TMGのワンピースで大人のゴルフスタイルを【松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」vol.3】
皆さん、ごきげんいかがですか。冬のゴルフといえば、防寒対策でついパンツスタイルばかり。でも時には気分を変えて、久しぶりにワンピースでラウンドしました。
カルチャー
2025年3月6日
-
クラランス株式会社 代表取締役社長 小山順子さん「受けた恩恵を、これからは周囲に返していく。それが大人としての義務だと感じています」【エクラ トップリーダーズvol.01】
自分とは何者なのか。そして、どう生きるか。大人ならではの「これから」を考える人に、多様な業界で活躍する女性エグゼクティブからのメッセージを届ける新連載。第1回は、フランスの国民的コスメティックブランドの日本法人を率いるリーダーが語る、50代での転換点について。
カルチャー
2025年3月5日
-
冷たい手、温かい愛ーFroides mains, chaudes amours.【フランスの美しい言葉 vol.5】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年3月3日
-
卵を割らずにオムレツを作ることはできないーOn ne fait pas d'omelette sans casser des œufs.【フランスの美しい言葉 vol.4】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年2月24日
-
【今読むべきおすすめ本】一穂ミチさんの直木賞受賞後の第一作『恋とか愛とかやさしさなら』ほか4冊
エクラ世代におすすめしたい書籍を厳選! 『ツミデミック』で直木賞を受賞した一穂ミチさんの受賞後初小説『恋とか愛とかやさしさなら』のほか話題本など計4冊を紹介。
カルチャー
2025年2月22日
Magazine
-
次世代の美容液 新・アルティミューンが誕生!
先端の美肌知見から、今も未来も、本来持つ美しい肌へ
-
50代「エクオール」をサプリで手軽に摂取
年齢を重ねた女性の健康と美を支えるサプリメント「エクエル」
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
「アクアスキュータム」で春の扉を開く
上質な春アウターで、リュクスな伝統を軽やかにアップデート
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
大人の上品さが漂うデニムスタイル
ほどよくカジュアルで上品にあかぬける大人のデニムコーデ
-
【ロエベ】話題のバッグほか春コレクション
新作バッグ&ウエア。大人を輝かせる最旬ラグジュアリーがここに
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
この春「フラコラ」でエイジング悩みをケア
洗顔後すぐの導入美容液と1つで4役のクリームで大人美を底上げ
-
人気トレンチコートに新型&新色が登場!
アクアスキュータムの人気トレンチコートはショート丈が今の気分!
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき旬の服
-
エイジングケアベストコスメ
エイジングが加速する50代が使うべきコスメはこれ!
-
イヴルルド遙華の12星座占い
毎月更新の12星座占い。大注目の開運ランキングも必見!
-
「ヘルノ」で春の洗練ワントーンコーデ
春アウター・セットアップをリッチなニュアンスカラーで着こなそう
-
【最新】50代の華やかでおしゃれな「春のミディアムヘア」41選
まとめ髪やハーフアップなどのヘアアレンジを楽しめたり、スタイリングや手入れが楽なミディアムヘア。くせ毛やうねりを生かしたスタイルにすればお手入れもラク。
-
3月は何を着るのがおしゃれ?おしゃれ上手な50代の抜群にセンスのいい着こなし
冬から春へと季節の端境期の3月は何を着るのがおしゃれなの?冬の装いに春の雰囲気やアイテムをプラスした大人の着こなしをおしゃれに定評のある人気エディター三尋木奈保さんに教えてもらいました。抜群にセンスの…
-
前髪を変えて若見え!50代におすすめの「前髪あり・なし」ヘアスタイル・髪型カタログ【ショート・ボブ・ミディアム・ロングヘア別】
前髪の作り方に悩む50代女性必見!前髪の作り方次第で若見えが叶うヘアスタイルをご紹介。生え際の白髪やおでこのシワ、ボリューム不足など気になるお悩みを解消して、今っぽさやおしゃれ感も手に入る大人の前髪ス…
-
40代を若々しく見せる!軽やかでおしゃれな「春のボブヘアスタイル」18選
40代に入ると、白髪やヘアのボリュームなど髪の悩みが増えてくる。そんな髪悩みを解消してくれる「ボブヘア」をピックアップ。カットやパーマで髪悩みを解決しながら小顔見せや年齢よりも若く見せられる!
-
【気温10度〜18度・気温別コーデカタログ】日によって寒暖差が大きい3月は何を着ればいい?50代におすすめの春コーデ集
気温10度〜18度の気温別に50代におすすめのおしゃれなコーディネートを大人気特集「50代の毎日コーデ」と連動してご紹介。日中と朝晩の気温差や日によっても寒暖差がある3月、何を着るのが正解?トレンドを上手に取…