【今50代が読みたい本4選】孤独で偏屈な老書店員と小さな女の子の奇跡の物語『本と歩く人』など

エクラ世代におすすめしたい書籍を厳選! 本を愛してやまない老書店員と少女の物語『本と歩く人』、本も人も再生させる製本工房の物語『その本はまだルリユールされていない』、ほか2冊をピックアップ!

『本と歩く人』

『 本と歩く人 』

本を愛してやまない老書店員と少女が起こす奇跡にほっこり
カルステン・ヘン 川東雅樹/訳
白水社 ¥2,970
72歳のカールの仕事は歩いて本を届けること。読書量が膨大で、顧客一人ひとりの好みを熟知しているから、漠然とした注文でもこれぞという一冊を選べる。孤独で偏屈な老書店員の道連れとなるのが、シャシャと名乗る小さな女の子。おしゃまで物怖じしない彼女のおかげで、表面的だったお客たちとの関係が深まる。家や自分の殻に閉じこもっていた人々が心の扉を開いていく。コロナ禍の最中にドイツで刊行されるや、カールをまねて「本と歩く人」が続出したのも納得!

『その本はまだルリユールされていない』

『その本はまだルリユールされていない』

本も人も再生させる製本工房の物語
坂本 葵
平凡社 ¥1,870
物語の核となるのは、80代の瀧子親方が営むルリユール(手仕事の製本)工房。針と糸を使って唯一無二の美しい装丁に仕上げ、ボロボロになった本も修理する。非正規司書の主人公同様、読み終えるころには読者の内にも、新たな一歩を踏み出すエネルギーが充填されているはず。

『みえないもの』

『みえないもの』

ルーマニア出身の人類学者が紡ぐ、魂に刺さる言葉たち
イリナ・グリゴレ
柏書房 ¥1,980
20年ほど前に来日してから身につけた日本語で、奥行きのあるエッセーや物語を紡いでいく。娘たちと送る青森での日常、チャウシェスクが独裁を敷いていた故郷の記憶、人類学のフィールドワークを通して得た知見……。自身や社会を見つめるまなざしの深さと熱さに圧倒される。

『どうせ世界は終わるけど』

『どうせ世界は終わるけど』

未来のない世界で、人は希望を持ち続けられるか
結城真一郎
小学館 ¥1,870

全生物を消滅させかねない小惑星が地球に近づいている。衝突まで100年、88年、79年……滅亡へのカウントダウンが始まった世界で生きる人々を、5つの連作短編で描く。どんな状況にあっても「けど」と踏みとどまり、今できる小さな何かを積み重ねられる自分でありたい。

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