【冬の京都】料理・器・空間が調和。洗練の京料理「宮脇」【京の和食の新名店】

観光シーズンとしてはあまりなじみのない冬の京都だが、寒さになじんでおいしさを増す美食が続々と登場。活気にあふれ、美食家の間で評判の新店から、祇園の名割烹で活躍した店主が開いた「宮脇」を紹介。

宮脇《みやわき》

洗練の美空間でいただく季節と抑揚を感じるコース

ガラス扉を開け、曲がりくねった通路を進み、店内へ。内装は、淡路島を拠点に全国で活動する建築設計事務所「ヒラマツグミ」が手がけ、左官仕上げに和紙作家ハタノワタルの和紙を取り入れたミニマルにして贅沢な空間が広がっている。さらに、「料理は器との調和も大事」と、空間に加え、名陶工や現代作家の器を織り交ぜた器選びにも、店主・宮脇雅也さん

のセンスのよさがうかがえる。


宮脇さんは、祇園の名割烹『千ひろ』で修業を始め、『ワインと和食 みくり』では料理長として活躍。’21年には『千ひろ』に再び戻り、昨年、歴史の幕を閉じるまでは大将の右腕として支えてきた。

「『千ひろ』の大将から学んだ、素材の持ち味を生かす引き算の料理に、自分らしさやひねりを加えていきたいです」と、宮脇さん。全体のバランスを見て、焼き物に魚だけでなく、近江牛のビフカツや豚ロースの幽庵焼きを出したり、土鍋で炊く季節ごはんの前にこれからの時期は真鴨やふぐの鍋を供するなど、正統派ながら無難に終わらない、メリハリが効いたコース展開も魅力だ。

スッポンのだしを煮詰めてうま味を凝縮し、卵と合わせて。中に も身がごろり。さらに香りも味も濃厚な香茸を使った滋味深いス ッポンと香茸の茶碗蒸し

スッポンのだしを煮詰めてうま味を凝縮し、卵と合わせて。中にも身がごろり。さらに香りも味も濃厚な香茸を使った滋味深いスッポンと香茸の茶碗蒸し

造りは淡路島の鯛と青森の本マグ ロ。鯛を塩昆布でいただくのは『千ひろ』流

造りは淡路島の鯛と青森の本マグロ。鯛を塩昆布でいただくのは『千ひろ』流

クエと自家製厚揚 げの椀。

クエと自家製厚揚げの椀。表面は香ばしく、身はふっくらと塩焼きされたクエとだしで炊いた厚揚げは相性抜群。椀妻のバチコも塩味のアクセントを添えている

器が好きで、22歳ごろから集めている宮脇さん

器が好きで、22歳ごろから集めている宮脇さん

樹齢300年のケヤキを使ったカウン ターも見事。照明を落とし、ビルの1階 とは思えない非日常空間

樹齢300年のケヤキを使ったカウンターも見事。照明を落とし、ビルの1階とは思えない非日常空間

宮脇

Data

京都市中京区油小路通姉小路上ル式阿弥町122の1式阿弥町ビル1F
☎075・600・9242
18:00~20:00(入店)
定休日 木曜
カウンター8席、個室6席
コース¥26,620~
要予約

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