-
大人のための京都グルメ・レストラン特集【永久保存版】
京都に行ったら絶対行くべきおすすめの和食、フレンチ、フュージョン、スイーツなどのグルメスポット・レストランを総まとめ。大人の好奇心をあらゆる角度から刺激する一歩先、一歩奥の京都情報を早速チェック!
【冬の京都】15代目が受け継ぐ老舗料亭の美学。冬の『瓢亭』、その真髄を知る
茶の心が息づく料亭で和の総合芸術を体感する

創業しておよそ450年が経つ京都随一の老舗料亭『瓢亭』。松並木が続いていた南禅寺参道沿いの腰掛茶店として暖簾(のれん)を掲げたのが始まりとされ、料理屋として営業するようになったのは江戸時代末期から。料亭と聞くと重厚なたたずまいや仰々しい出迎えを思うが、初めての客は店の玄関がどこなのかとまどう構え。左手にある板戸が開かれ、打ち水がされた露地に入ると景色は一変。茶室や庵を思わせる建物へと案内される。
部屋は茶店時代からの最古の建造物といわれる「くずや」をはじめ、「探泉亭」「新席」「広間」の4つの棟のみ。それぞれ独特の趣(おもむき)があり、茶の心が隅々にまで行き届いた座敷に身を置くと自然と背すじが伸びる。
料理が運ばれるまでの時間は、四季折々の部屋ごとの造作やしつらえの美しさを楽しむひと時となる。冬は、庭の木々や障子を通して柔らかな光と影を感じる、陰翳礼讃(いんえいらいさん)の世界。床の間に飾られた椿の花、年の瀬を詠んだ書画の軸が茶趣を静かに生み、清新で穏やかな時間を醸し出す。
「『瓢亭』は長きにわたり守り継がれた館あってのもので、座敷や庭は料理を引き立ててくれる背景のようなものです。お客さまもその場の一員と思う気持ちをもって参加していただけると、より楽しい時間を過ごしてもらえると思います」と語る15代目主人の髙橋義弘さん。
料亭とは日本の文化や美意識までも味わえる豊かで深い世界。そのことを『瓢亭』で過ごす時間が教えてくれる。

茶店だったころと変わらない様子の『瓢亭』の玄関。正面には床几(しょうぎ)が置かれ、古びたわらじや旗がかかる。左手の入口から一歩入ると、水打ちされた露地が風雅な内へといざなう

『瓢亭』の創業期に建てられた「くずや」の四畳半の間。野趣に富んだたたずまいや繊細な造作は文人墨客に好まれ、今もこの部屋を指定する客が多い

雪笹、雪輪、椿を描いた絵替わり細向付(むこうづけ)は永楽即全(えいらくそくぜん)の作。代々でそろえた器は数知れず、大切に保管されている

床の間の花は14代目の英一さんが丹精こめて育てたもの。子供のころから庭仕事が好きで、母親が生ける花の影響もあってその美しさを自然に感じ取るようになったという

露地に置かれたつくばいは、客人が席入りする前に手と口を清めるためのもの。館や庭の至るところに細やかな茶の心が感じられる
伝統と革新が共存する京料理ともてなし
料理は、茶懐石に倣う構成で、季節季節にめぐりくる食材と器を大切にしている。
「冬は、魚は脂がのり、野菜は根菜類がおいしいとき。この時季ならではのコクのあるほっくりとした料理を召し上がっていただきます」
煮物椀はかぶのすり流しや白味噌仕立てにし、焼き物は幽庵漬や味噌漬に。また、名物の「朝がゆ」に代わる「鶉(うずら)がゆ」がいただけるのも冬の間だけ。先付や、焼き物や炊き合わせを盛ったひょうたん形の三段重ねの器などが
順々に運ばれ、最後にごはんものとして鶉がゆが登場。体を芯から温めてくれる。冬になると器も変わり、雪や椿、新年は祝いの意匠のもの、ぬくもりのある陶器や焼き締めなどが使われる。
冬限定の味がある一方、一年を通じて決まっているのが鯛のお造り。鯛は身が引き締まって脂ののりがいい明石鯛にこだわり、上品なうま味と歯ごたえをより味わってもらえるようにへぎ造りにして提供している。長年、土佐醤油を添えているが、髙橋義弘さんは「繊細な香りや酸味が好まれる今の味」として「トマト醤油」を考案。お客の所望や嗜好の変化に応えながら新たなおいしさを生んでいる。
「うちのような老舗は劇的に変えることはむずかしいので新しい試みは繰り返しやってみて、違和感がないように工夫し、『瓢亭』の味になじませます」
京料理の伝統を受け継ぎつつ、グローバルな視点でとらえる老舗の挑戦。少しずつの革新をていねいに細やかに刻んでいる。
代々の美意識が凝縮された数寄の世界を五感で味わう

昼・夜の懐石料理から。東海道五十三次を描いた絵替わりのお椀で供される、蟹真丈(しんじょう)のかぶらすり流し。落ち着いた朱色が料理をきわだたせる

まながつおの幽庵焼き(3人分)。14代目考案の白味噌を溶かした幽庵地に漬けて焼いたひと品。器は北大路魯山人の作

鯛は淡路島の担ぎ業者から仕入れ、繊細なうま味をトマト醤油が引き立てる。松笠の形の向付は永楽即全の作

自身の発想や新しい技術を取り入れながら京料理の新しい味を考案している15代目主人の髙橋義弘さん

ワインもそろえ、和食に合う日本ワインを中心にボトルで提供

懐石のかたちで供される冬限定の「鶉がゆ」。鶉や鶏の骨、昆布や野菜を煮出したスープでごはんと鶉肉を炊いた雑炊は『瓢亭』の冬の名物

椿一輪とひと枝で清楚な美しさを放つ床の間の花。ひょうたんとなまずの軸は伊藤若冲の作。花器は樂直入(らくじきにゅう)の作
Data
京都市左京区南禅寺草川町35
☎️075・771・4116
12:00〜13:00(LO)、17:00〜19:00(LO)
定休日 水曜
個室4
昼の懐石料理¥31,625 〜、夜の懐石料理¥37,950 〜、朝がゆ(7/1〜8/31 8:00〜10:00LO)¥7,590、鶉がゆ(12/1〜3/1512:00〜13:30LO)¥18,975( サービス料込)
要予約
-
京都旅行におすすめ!大人が訪れるべき京都の観光スポット【永久保存版】
大人の京都旅行におすすめのエリアや絶対行きたいお寺や神社、おしゃれな人が集まるセンスがいいお店や狙い目情報などを総まとめ。大人の好奇心をあらゆる角度から刺激する一歩先、一歩奥の京都情報を早速チェック!
-
【冬の京都】ふだんは見られない、冬の寺院の“特別公開”
歴史的文化財が多い京都だが、通常公開されているのはその一部。今季の特別公開は’24年の大河ドラマや辰年にちなみ選定された寺院15カ所。秘められた美に出会える機会。
-
【冬の京都】まだ知らない魅力が満載!冬ならではの“風物詩”に出会う
寒さと慌ただしさが一気にやってくる師走。神社やお寺、花街、街なかはそれまでの観光客にかわって地元の人でにぎわい、一年を締めくくる風物詩に日々出会える。
What's New
-
次のお休みに行きたい!大人が満足する「夏の旅」軽井沢や伊豆高原、ビーチにワイナリー
この夏、行き先に迷ったら、エクラ華組のおしゃれな旅を参考にして。木漏れ日の軽井沢、緑深い伊豆高原、潮風が心地よいビーチ、そして静かな時間が流れるワイナリー。大人だからこそ味わえる“静かな贅沢”を体験したい。感性豊かな大人たちが選ぶ、満足度の高い“夏の旅”をご紹介します。
旅行&グルメ
2025年8月17日
-
【大人が楽しむ夏のフルーツレシピ】無花果の「白ワインコンポート」&「フィグ・シャンパーニュ」で夏のアペロを満喫
大人のフルーツの楽しみを、料理家・坂田阿希子さんに教わります。無花果を使った“坂田流”「白ワインコンポート」と、そのシロップをシャンパーニュで割った「フィグ・シャンパーニュ」で、夏のアペロを満喫。
旅行&グルメ
2025年8月9日
-
【大人が楽しむ夏のフルーツレシピ】ワインにも合う!無花果を使った絶品料理レシピ
今まさに旬を迎える無花果を使ったレシピを、料理家・坂田阿希子さんに教わります。「無花果トースト」、「無花果となすのトルコ風春巻き」はどちらもワインに寄り添うおつまみとしてもおすすめ。
旅行&グルメ
2025年8月8日
-
【大人が楽しむ夏のフルーツレシピ】さわやかな「桃モヒート」と大満足の「白桃のパフェ」
料理家・坂田阿希子さんが、今まさに旬を迎える桃の楽しみ方を伝授。今回は、夏の定番カクテルに桃をプラスした「桃モヒート」、食事の締めくくりにふさわしい「白桃のパフェ」のレシピを公開!
旅行&グルメ
2025年8月7日
-
【大人が楽しむ夏のフルーツレシピ】スイーツだけじゃない!桃を使った絶品料理レシピ
今まさに旬を迎えるフルーツ、桃の楽しみを、料理家・坂田阿希子さんに教わります。今回は「白桃のセビーチェ」と「桃のガスパチョ」のレシピを伝授。この時期だけの贅沢なアペロが完成!
旅行&グルメ
2025年8月6日
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき旬の服
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
50代の旅行コーデ
風通しもばっちり&涼やかな一着で快適な旅を
-
50代におすすめの夏アイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
酷暑で加速!? 大人の髪悩みをホームケア
うねって広がる大人髪をヘアマスクで柔らかくまとまる髪へ
-
QUOカード5,000円分プレゼント
ウェブエクラ ユーザーアンケートご協力のお願い
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
【50代に人気のヘアスタイル・髪型カタログ】手入れが楽でおばさんぽくならない!ショート・ボブ・ミディアム・ロング別ヘアスタイル
白髪や髪のうねり、薄毛、パサつきなど40代、50代の気になる髪悩みを解消するおすすめヘアスタイルを提案。ショート、ボブ、ミディアム、ロング別ヘアスタイルから知っておきたい最新ヘアケア事情まで、おばさんぽ…
-
【50代「ユニクロ・GU」コーデ】過酷な夏を快適に!猛暑のおしゃれに役立つインナーやTシャツが大活躍
トレンドを取り入れたアイテムから、機能性にこだわったアイテムまで、豊富な品揃えが魅力のユニクロ・GU。プチプラだけど高見えする50代ならではの着こなし方が知りたい!そこで今回は「ユニクロ・GU」アイテムを…
-
褒められるから自信がもてる!50代に似合う「若々しいショートヘア」52選
似合う髪型が見つかる!気になる白髪もボリューム不足もアラフィー世代に似合うカットやカラー、パーマで立体感を出して、今どきのこなれ感と若々しさを手に入れて。
-
【50代の白パンツコーデ5選】清潔感も爽やかさも抜群!どんなトップスにも合う万能アイテム
夏らしい爽やかな印象を与えてくれるホワイトパンツ。しかし、おしゃれ上級者向けのアイテムというイメージが強く、コーデに取り入れるのが難しいと感じることも。そこで今回は、40代・50代の読者モデル・華組&チ…
-
夏旅、何を着て行く?品よく華やぐ旅のワンピーススタイル【ファッション人気ランキングTOP10】
ウェブエクラ週間(2025/8/3~8/9)ランキングトップ10にランクインした人気ファッションをピックアップ。観光地でもリゾートでも心地よく過ごせる、旅行にぴったりのワンピースをご紹介。