【冬の京都】足をのばして行く価値あり!下鴨の住宅街にたたずむ京料理店「葵献心 やま田」

冬は身も心も落ち着くような京料理を味わいたい。この冬、活気にあふれ、美食家の間でも特に評判のお店をご紹介。和食歴35年のベテラン料理長がふるまう繊細な料理の数々にお腹も心も温まること間違いない。

葵献心 やま田《あおいこんしん やまだ》

和食歴35 年の料理人による華やかな懐石をカウンターで

今年5月、下鴨の閑静な住宅街に開店。店主・山田行広さんは、京都を代表する『俵屋旅館』から修業を始め、料理人歴は35年。貴船の旅館『ひろや』や『京料理 祇園 花郷』では料理長を務めた大ベテランだ。古きよき伝統が息づく京料理を得意とし、今からの時期は、かぶら蒸しや海老芋の含め煮が登場するなど、豪華食材一辺倒にならず、野菜にもしっかり手をかけ、端正な一品に昇華させる。

これまで勤めていた店にはゲストを目の前に料理を仕上げるカウンター席はなく、それだけにテーブルや座敷に料理が運ばれた際、まずは目から楽しんでもらうことを意識して作っていたそうで、器選びも形や素材が斬新。さらに、八寸にはイチョウや紅葉をかたどった根菜があしらわれていたり、茶籠に見立てたオレンジ釜に刺身を盛りつけるなど、飾り細工も見事。「飾り細工を行う様子も楽しんでほしい」と、大根を薄く桂むきして灯籠大根を作ったり、折き)に塩で川を描き、鮎の塩焼きがまるで泳いでいるかのように飾るなど、カウンターでは飾り細工を行う工程を楽しむことができる。

豆腐をかまくらに見立て、甘鯛 を豆腐で覆い、蒸し上げた椀物。 ぐじのかまくら蒸し

豆腐をかまくらに見立て、甘鯛を豆腐で覆い、蒸し上げた椀物。ぐじのかまくら蒸し

カウンタ ーで料理を作るのは料理人歴35年 にして初めてだそうで「身が引き 締まる思いです」と、山田さん。

カウンターで料理を作るのは料理人歴35年にして初めてだそうで「身が引き締まる思いです」と、山田さん。昔ながらの高下駄に白衣姿がビシッと決まっている

「献立に心を こめる」という山田さんの誠実な 姿勢が表れた店名。

「献立に心をこめる」という山田さんの誠実な姿勢が表れた店名。ケヤキの一枚板を配したカウンター席

夜の¥20,000のコースでは、造り は2皿出てくることも多い。

夜の¥20,000のコースでは、造りは2皿出てくることも多い。まずはぽん酢でいただく鯛の薄造り。続いて、オレンジの釜に盛られた天然マグロのトロと車エビが登場。杉板に紅葉をかたどった皿を重ねたり、月をイメージしたオブジェのような皿に茶籠をイメージしたオレンジの釜をのせるなど、器や盛りつけも華やか

いくらを包んだ千枚漬や焼き 栗、鰻の八幡巻、銀杏のウニ揚げ、 自家製カラスミなど、12月をイメー ジした八寸。

いくらを包んだ千枚漬や焼き栗、鰻の八幡巻、銀杏のウニ揚げ、自家製カラスミなど、12月をイメージした八寸。昼は、コースのほか、気軽な御膳がいただけるのも、観光途中にはうれしいかぎり

葵献心 やま田

Data

京都市左京区下鴨西本町12の1
☎075・606・5729
12:00~13:00、18:00~19:00(ともに入店)㊡日曜
カウンター8席、テーブル12席
昼・御膳¥5,000~、夜・コース¥15,000~ 2日前までの要予約

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