【極上ホテル&宿】温泉オーベルジュの最高峰!「オステリア シンチェリータ」

温泉も料理もどちらも譲れない人にぴったりの「オステリア シンチェリータ」。おなかも心も満たされる温泉オーベルジュを求めて山形へ!

OSTERIA SINCERITA《オステリア シンチェリータ》(山形・赤湯温泉)

OSTERIA SINCERITA

室内は絵画の色を基調に。写真は福王寺法林作。フィンユールの家具は朝日町の工房が製造。

極上の温泉、美味とお酒。温泉オーベルジュの最高峰を求め、山形へ


赤湯温泉の老舗旅館『山形座 瀧波』が開いた、宿泊客室つきのイタリア料理店が話題だ。料理長は10余年、新潟発のガストロノミーを牽引し「ミシュランガイド新潟2020特別版」でも一ツ星を獲得した原田誠シェフが務める。新天地に挑んだのは、一帯に広がる置賜(おきま)盆地の豊かな食材に惹かれてとのこと。特有の昼夜の寒暖差が野菜や果物、米沢牛などをとびきりの味に育てるのだ。

8席のみのダイニングには薪火の香りが温かに漂い、コースで供される料理は、ひと皿ごとに置賜の風土の記憶とイタリアの伝統が響き合う。イタリアワインのペアリング提案も秀逸だ。チェックイン時は山形県産のワインも選べるウエルカムドリンクが、ディナー後は原田シェフ謹製の“おつまみパスタ”やチーズプレートが客室にサーブされる。全室離れ、3棟のみの客室は、北欧デザインの家具もアート作品も山形に縁のあるもので、放蕩が許された旅時間を上品に彩ってくれる。

美味の誘惑は途切れぬが、温泉もお忘れなく。63℃で湧く源泉は、熟練の湯守の技で加水をいっさいせず、時季ごとの適温に整えられる。柔らかな肌ざわりが格別な湯もまた置賜の地の恵み。時間の許すかぎり堪能しつくしたい。

)開湯930年 の名湯・赤湯温泉。十割源泉と呼ばれ、 熟練の湯守が加水も加温もせずにバル ブひとつで適温に調整している

開湯930年の名湯・赤湯温泉。十割源泉と呼ばれ、熟練の湯守が加水も加温もせずにバルブひとつで適温に調整している

アミューズのひと品、米沢牛レバーペーストとイチゴの タルト。写真の料理はすべてディナーコースの一例

アミューズのひと品、米沢牛レバーペーストとイチゴのタルト。写真の料理はすべてディナーコースの一例

春 の味覚、サクラマスのミキュイ。米沢市名産の雪菜やピサ ンリ(タンポポ)を添えて 

春の味覚、サクラマスのミキュイ。米沢市名産の雪菜やピサンリ(タンポポ)を添えて

手打ちパスタ・タリオリーニ は、濃厚なズワイガニのソースで

手打ちパスタ・タリオリーニは、濃厚なズワイガニのソースで

米沢牛のフィレを薪 火でビステッカ風に。庄内花塩とわさびで。北イタリアの カベルネ・ソーヴィニヨンがぴったり

米沢牛のフィレを薪火でビステッカ風に。庄内花塩とわさびで。北イタリアのカベルネ・ソーヴィニヨンがぴったり

食材とペアリン グワインのぶどう品種が併記された、謎解きのようなメニ ューが楽しい。イラストは原田シェフによるもの

食材とペアリングワインのぶどう品種が併記された、謎解きのようなメニューが楽しい。イラストは原田シェフによるもの

キジ ハタは軽くあぶり、山形県産レモンの酸味を添えたオータム ポエムのソースで。

キジハタは軽く炙(あぶ)り、山形県産レモンの酸味を添えたオータムポエムのソースで。フリウラーノ種のワインの酸味が寄り添う

ドルチェはピスタチオのジェラートを、旬のイチ ゴとそのキャラメリゼとともに

ドルチェはピスタチオのジェラートを、旬のイチゴとそのキャラメリゼとともに

新潟県三条市出身の原 田シェフ。

新潟県三条市出身の原田シェフ。同市内で『イル・リポーゾ』を11年営み、ミシュランガイドの星も獲得。店名「シンチェリータ」はシェフの名「誠」のイタリア語訳

OSTERIA SINCERITA
OSTERIA SINCERITA
OSTERIA SINCERITA

Data

山形県南陽市赤湯3005

☎0238・437・800

平日¥154,000~、金・土曜、祝前日¥165,000~(1室2名利用時の1泊2食、ディナー時のペアリングつき、サ込、入湯税別)10歳未満は宿泊不可
全3棟(全棟各2ベッドルーム、客室露天風呂つき、うち2棟はサウナつき)
IN 15:00 OUT 11:00
不定休
アクセス/山形新幹線赤湯駅からタクシーで約5分
https://osteria-sincerita.com/jp/

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